ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@家飲み

2013年05月14日 | ◆一献一品出合い酒

GW最終日の昼酒に、麦とホップ赤×シソかまぼこ。出かけず終いの連休が奏功し、仕事の終わりが見えてきたら、一服向けに冷蔵庫のありものを動員したこのコンビが似合う。

6缶まとめ買いの安売り発泡酒は、水代わりにいける気軽さ。グイグイッと遠慮なくいき、カマボコもまるごとバクリといけば、発泡酒のキンとした酸味にシソの爽やかさが追っかけてくる。ツンと鋭角な後味にハアッ、と息をつき、一気に半分空いた缶の残りに手をかける。仕事の区切りの一本とつまみだが、ちょっと気だるくもなる一期一会。

しっかり仕事して片付いた後、今宵は近所の焼肉か、はたまた中華街か。昼酔いがグルッと効いてくるにつれ、ご褒美ばかりに頭が回り出す昼下がり。一献一品の小さな酒宴、連休最後は天下泰平なり。(130514)


一献一品出合い酒@函館

2013年05月14日 | ◆一献一品出合い酒

朝市の一角にある「茶夢」にて、サッポロクラシック中瓶×ホタテのキムチ和え。朝飯がわりに駆け込んだ市場食堂の第一品は、朝ビールと合わせシャキッと刺激的なこのコンビが馴染む。

原色鮮やかな一片をつまむと、貝ひもらしいシャックリさ。かむごとに出る味に、甘ったるめのキムチだれがかぶり、思わずクラシックのグラスをキュッ。続く貝柱や卵のホコホコさにもキムチだれがかぶり、またまたグラスをクッ。ホタテと出合い膨らむ唐辛子のうまみに、おめざのビールが染み入る一期一会。

観光朝市にありながら、庶民的な食堂は居心地よく、親父さんの薀蓄も料理の味を深くする。ああ自分は朝っぱらから、市場食堂で飲んだくれているなあ、と、自虐自賛の至福の時。一献一品の小さな酒宴、今朝から天下太平なり。(130514)


日々是好食…青空と新緑と柏餅

2013年05月14日 | ◆日々是好食

桜の葉っぱに包まれたピンク色のを、つい先日味わったばかりに思えるのに、もう柏の葉っぱのが登場。日々の流れは早いもので、今年は五月晴れの下で端午の節句を迎えられた。スーパーや和菓子屋の店頭に並ぶ、この時期の柏葉の瑞々しさ。その色味はまさに、五月を彩る葉の色である。

厚手の白餅をバクッといけば、しっとりモチモチな食べ応えから、パッと開く小豆餡の澄んだ甘さ。つぶあん、こしあん、味噌あんと、詰め合わせならバリエーションも嬉しいところだ。モグモグやっていると時折サッと漂う、青臭い野の香り。見た目とともに初夏の趣を演出する、柏葉あっての和菓子なのを実感する。

連休が明ければ、空の青さも木々の緑も、いっそう濃さと輝きを強めていく。柏の葉もこの時期から古い葉に代わり、春先に芽吹いた新芽が青々と葉を広がるという。我々も五月人形を仕舞ったら、すぐに衣替えを迎える時期。季節は新緑から夏へ向け、まっしぐらに進んでいく。(130514)


日々是好食…小龍包の誠意

2013年05月14日 | ◆日々是好食

 料理には作り手の「心」が表れると、とある食エッセイで読んだことがある。マニュアルにのっとった量産型の料理には、味の安定感と値段の手軽さが利点な一方、どこか無機的な印象も受ける。料理の醍醐味は作り手と客の、真剣勝負のキャッチボール。互いへの思いこそが、料理の味をより深いものにする。

 一見、お手軽な点心に見える小籠包も、作り手の心が見えやすい料理だ。あんと一緒に煮こごったスープを、ひとつひとつ包む煩雑さ。冷凍すると皮に亀裂が入るから作り置きできず、オーダーごとにつくる手間。いずれを怠っても、単なる「ミニ肉まん」と化してしまう。

 てっぺんを箸でつまむと皮がタプタプたゆみ、レンゲにのせてツルッといくとアツアツのスープがヒタッ。そんな小籠包を供する料理人は、ヒタッときた瞬間の客の笑顔が、常に頭にあるのではなかろうか。