環状線沿いのうどん店「味の民芸」にて、一番絞りジョッキ×カツオのたたき。5月を前に初ガツオがまだなのに気がついたら、初夏の日差しにさっぱりスッキリのこのコンビが馴染む。
ジョッキの冷やし加減に定評ある店らしく、取っ手がヒヤリ、口をつければキュッと冷たさが先鋭的。なのに泡のねっとり感と麦汁の甘さがふくよかなのは、冷やし具合の見切りができている証だ。薄めのカツオは軽いヅケ、弾むような身のしなやかさで、初物ならではのイキの良さに舌が踊る。グググッと、シャキシャキッと、活力が蓄えるられような一期一会。
窓から覗く並木の木漏れ日が、もう夏を思わせるようにキラリ眩しい。目に青葉の清々しい季節は、ほんのひと時。旬も上りガツオのごとく、夏へと向けてどんどん駆けていく。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下太平なり。(130507)