カルビにハラミを攻略し、豚トロやホルモンをねじ伏せ。焼肉クエストで行き着いた先に控えしは、締めの麺飯類だ。まだまだ腹八分だから余裕、と甘く見ると、そこは汁物に炭水化物。格闘中にドーンとお腹にきて、思わぬカウンターパンチを食らうことになる。
カルビクッパにコムタンスープ、韓国と盛岡の冷麺と、締めものの品数も豊富な「東天閣」で、ビシッといくならテグタン麺がイチオシだ。オレンジ鮮やかなスープをひとすすり、味噌風味のまろやかな味にホッとするのも束の間。ジワジワ、チリチリと舌に刺激が伝わり、尖った辛味に思わずシャンとなる。寒暖の差が極端な、韓国内陸部の大邱の名物で、夏は代謝の促進、冬は体温の上昇に効果抜群の激辛麺だ。
唐辛子系の辛味は食欲増進にも効果があり、焼肉で満腹になった胃のリセットもありがたい。ラスボスもペロリと迎え撃ったクエスト、焼肉屋勇者となるにはあとはデザートをこなすのみだ。
中華街市場通り外れの「酔龍」にて、ドラゴンハイボール×ザーサイ。ファミリーや仲間内で賑わう週末の食べ放題には、チャイニーズなワンショットらしい、このコンビが馴染む。
ラー油の香ばしさがそそるザーサイをひと切れ、サクッとつまみ、パリパリと音を響かせたところで、炭酸はじけるハイボールをゴクッといく。ソーダで割った紹興酒が後味甘くまろやかで、ふたたびザーサイへと走る甘辛ループな一期一会。
麻婆豆腐に唐揚げと、食べ放題の定番料理が並ぶ頃には、爽快な食前酒のおかげで食欲増進。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。
幣舞橋近くの炉端焼き「ろばた煉瓦」にて、「福司」冷酒×三種のザンギ。道東の海産物をサッポロクラシックで楽しんだら、箸休めの一品料理にはご当地グルメを釧路唯一の地酒に合わせての、このコンビが馴染む。
味付けした衣で揚げたのが定義、と教えられ、鶏にクジラにサケの順でカリリ。唐揚げ風でジューシーな鶏をいってクッ。竜田揚げ風が懐かしくかめば味が出るクジラでグッ。フリッター風で軽いサケをつまんでグイッ。三種を数週巡るに連れて、甘めで軽い地酒に勢いがどんどんついていく一期一会。
鳥肉を斬切りにして食べる説、中国から入ってきた説。「釧路が元祖の料理です。ビールとも合いますよ」と店の方の薀蓄と薦めに、サッポロクラシックにまた戻ってみたい気分にも。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下太平なり。（130426）
「ご当地食材使用」と銘打つ名物は、旅心をそそるものがある。某グルメイベントの影響か、新進気鋭のものも目立ち、古くからの郷土の味覚に肩を並べる勢い。道の駅などの物産店が、旅のみやげポイントから、今や旅の主目的に立ち上がってきたのも、よく分かる充実した品揃えである。
ご当地食材を使った軽食で、お手軽かつイメージ通りの味が期待できるのが、ソフトクリームだ。当地の牧場で朝搾りたてを直送した牛乳に、もぎたてとれたての旬のフルーツ。濃厚&フレッシュのコンビネーション、これをひと口いって笑顔がこぼれない人はいないのでは。
鳥取砂丘の二十世紀梨ソフト、山梨の巨峰ソフト、南房総のビワソフト、そして那須高原のとちおとめソフト。最近食べたラインナップは、いずれも素材のフルーツのフォルムが浮かんでくる。これそぞまさに産直スイーツ、ひとなめで旅心食心が舞い踊る。(130426）
