ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@家飲み

2014年03月31日 | ◆一献一品出合い酒
呉、大和ミュージアム駐車場にある物産館「瀬戸内特産品プラザ呉マリン」で購入した、千福艦娘大和×牛肉の大和煮。艦これゆかりのグッズの地酒を飲むなら、艦内食のひとつだった大和つながりの缶詰をアテにしての、このコンビが似合う。

大和、武蔵、赤城の三人艦娘酒をまとめ買いして、今宵頂くは旗艦娘のこの一本。弩級戦艦がモチーフらしく、ラベルのイラストも某所が46センチ砲だ。キャップをペキッ、トクトクと杯へようそろ、缶詰のタブもパカンと用意よし。撃ち方ならぬ飲み方始め! で喉をグイグイ通すれば、押し攻めていく重厚辛口な味わいが圧巻、圧巻。荒っぽい飲みには缶からそのままの肴が似合わしく、甘いタレ染みホロリの煮込み肉が、泣く子も黙らす追い打ちとなる。瓶の娘画も肴のうち、艦缶往来で海軍流な一期一会。

艦船を擬人というか擬娘化したゲームは、娘と艦のプロフの合致さが人気の一因という。思えば酒も艶やか淡麗しっとりなど、女性の気質に見えなくも。鎮守府が満員で順番待ちの人気ゲームへの参戦より、こちらは利き酒での提督を目指したいところか。一献一品の小さな酒宴、錨上げ天下泰平なり。

一献一品出合い酒@新橋

2014年03月26日 | ◆一献一品出合い酒
岡山の食材と酒を揃える郷土料理店「恭恭」にて、炭屋彌兵衛×黄ニラ卵とじ。祭りで燃えた仲間で回想しながら再会の飲みなら、県産酒米の地酒に黄色つなぎの大使でお馴染みのローカル野菜の、このコンビが似合う。

酒の肴は祭の武勇伝とばかり、熱く威勢よくあの夜を語り、ジョッキを杯を煽っていく。当地の優れた酒米・雄町米の酒を迎え受けるは、当地の豊かな水と温暖さが育む野菜の逸品。祭の余韻で勇んでググッと杯をいくと、カッと猛る荒々しさに気が揺さぶられる。応じて黄ニラをザクザクやると、やわ甘さの後に広がる鮮烈な香気にハッと覚醒。精気沸き立つ組み合わせに、来年の練りへの押し込みを早くも号令の一期一会。

同志のひとりの岡山帰郷が決まり、宴は半ばから送別のモードへ。なんの、離れても皆の気持ちは吉備国。祭のみならずの訪問の楽しみが増えたと思えば、かの酒もこの食も一層近しさを増したかのような。一献一品の小さな酒宴、晴れ晴れ大空天下泰平なり。

用のない街・板橋さんぽ2

2014年03月25日 | 用のない街にあえて泊まり旅気分に浸る
プチバングラデシュ探訪後、中央駅(?)から電車で帰国できる時間だが、そこは「旅」なので見知らぬ土地に来たら泊まりたいもの。てな訳で、アパホテルバングラデシュ東口、ではなくて東京板橋で一泊。

この旅、ネタばらしすると、明日朝早くに埼京線沿線で仕事があり、このところ寝不足もあるため近くに前泊してしまえ、という訳。ある意味、取材などで訪れたどんな土地よりも、また泊まる可能性が低い旅かも(笑)。

町で見つけたオモシロごはん…板橋 『ルチ』の、バングラデシュ料理

2014年03月25日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
ひとしきり夜のバングラデシュ商店街を歩き、ひとかどの雰囲気を味わったところで、当国の料理でディナー。細い路地にひっそりある「ルチ」で、本場バングラデシュの味に舌鼓を打った。

前菜での一杯は、インドビール・インディアンボスに、豆サラダのチャナマサラを合わせてみた。暑い国らしい軽く甘めのビールと、適度にスパイシーなひよこ豆が、なかなかヘルシーな組み合わせ。インド料理ほどスパイスがとんがってなく、穏やかな辛味がどこかホッとさせる。

メインのカレーは、バングラデシュの魚を使ったとあるカスキカレーをセレクト。やや大きめのシラスのような小魚を塩漬けにしたもので、野菜はプチトマトにタマネギ、そして青唐辛子が数本。なのでサラリと澄んだ見た目からスープをズッとやると、鮮烈な辛味にむせること。「きつければ、唐辛子を抜いてくださいね」と店主のジャヒドさんが気を遣ってくれる。

辛さに慣れると、その味わいにどっぷりハマってしまい、スプーンが止まらない。味の基本が小魚の塩辛だから、まさに魚食文化の日本人に刷り込まれた旨味。すするたびに炸裂するアミノ酸の濃厚さは、もう感涙ものの魚旨さである。インドのよりも素材の味を立てた、日本人好みのカレーのように思え、ナンよりジャスミンライスに合うのもまた、日本風。

バングラデシュはデルタ地帯に位置し、川が錯綜する立地から米や野菜、川魚が食文化の中心となっている。前菜とメイン料理ともにその真髄を味わったようで、おかげでプチバングラ探訪のテンション盛り上がりもひとしおである。