銘酒に希少な焼酎と、目移りする酒揃えから「生」の潤しさにひかれ、ジョッキの一杯に。琥珀色一色の輝きから麦のまろやかな甘さがほとばしり、シュワシュワと喉へと滑りポッと熱さが胃に灯る。小鍋の土鍋でクツクツ、煮えたてホカホカの煮込みをつまむと、熱さがさらに二重三重。塩味ネギだくのさっぱりさに、トロトロフルフルのモツの柔らかさが、スカッと爽やかに抜ける酒をまた呼び込む。どっちも大衆酒場の定番ながら、どこか洗練された組み合わせな一期一会。
せんべろテイストないつもの店も落ち着くが、たまには名店でうまいものを攻めるのも、互いの英気を養うのにもってこい。酔うほどに飲むほどに仕事談義も盛り上がり、次々浮かぶネタが身を結べば、こっち持ちの勘定の元は楽にとれるというもの? 一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。