ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@日吉

2013年06月30日 | ◆一献一品出合い酒

慶応普通部通りからちょっと入ったところにある「遊ZENたつ吉」にて、一番搾り中ジョッキ×ホッケ一夜干しの焼きもの。日曜日、娘の模試付添の後の昼ごはん兼昼酒なら、昼御膳のおかずで一杯やれるこのコンビが似合う。

昼時でどこも行列必至の中、滑り込んだのは勝手知ったる路地にある店。マグロカツにひじきに茶碗蒸しにざる豆腐と、どれを酒の肴にどれを飯のおかずにするか、迷う品数のランチがうれしい。ジョッキにじっとり汗をかいたビールをぐっといけば、付添の役割が無事、終了の安心感。切り身のホッケは骨離れがよく、ホロリの身とおろしを頂き、中骨についたパリパリの身もしゃぶり、と忙し楽しい。6月末の高い日の午後、庶民派居酒屋気分にどっぷりな一期一会。

試験の塩梅を聞いたところ笑みを浮かべて答えない娘は、6点盛りの豪華刺身定食にご満悦。好成績の前祝いになるのか、結果はともかくの気晴らしになるかは、神のみぞ知る平穏な午後のひととき。一献一品の小さな酒宴、父娘で天下泰平なり。(130630)


ローカル魚でとれたてごはん…清水・河岸の市まぐろ館『ととすけ』の、まぐろトロ三昧丼

2013年06月29日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん

市場食堂を巡っていて、マグロを食べることがあまりない。地魚云々に関わりなく、観光客向けに供している印象のせいもあるが、一部の近海生ものを除き「地魚」と位置づけづらいのも、理由のひとつである。漁場ははるか太平洋やインド洋で、上物の取引は築地経由。極上の部位は都内の高級寿司屋の守備範囲となり、近海朝とれを市場食堂で味わうローカル魚とは、一線を画す魚種に思えてならない。

それゆえマグロ水揚げ港を標榜するところは、全国のマグロ船団による水揚げおよび集積・流通拠点となるため、取扱の専門性が高い。漁港でマグロを味わうならこういった場所がおすすめで、このたび訪れた清水も、冷凍マグロの水揚げが全国1位を誇るマグロ処。清水魚市場に隣接する「河岸の市」の飲食店街・まぐろ館を訪れると、店頭の品書に本マグロをはじめ、ビンチョウやメバチマグロなど種別が表示してあるのがさすがである。

まぐろトロ三昧丼の文字に惹かれ、2階の「ととすけ」の港を見下ろすテーブル席へ。オーダーするとまず、カマの一品料理が登場した。店の先代から続く漁師料理「ととすけ揚げ」で、ほじるたびに出てくる弾力のある身を、甘めのタレにからめていただく。パリパリの皮としっとりジューシーな身が対象的な味わい、最初にアラを食わすところが水揚げ地のマグロ料理屋らしい、余裕と自信を感じる。

そして主役のトロ三昧丼は、各種刺身がまるで大輪の椿のような鮮やかさとボリュームだ。本マグロの大トロにバチマグロの中トロ、さらにビントロと、マグロ3種のトロ共演というのが圧巻である。圧倒的に分厚い甘さの本マグロ大トロは、文句無しの横綱級。普段食べ慣れないのとあまりの生の強さに、バチマグロの程よい脂甘さ、ビントロの瑞々しさが、かえってちょうど良いような。丼ダネながら、地ビールの静岡ビールのつまみにどんどん進み、残ったすき身と炙りビントロがご飯のおかずにありがたい。

三種のトロ食べ比べ丼も、マグロを知る当地ならではの食べさせ方だろう。そう考えると、マグロは立派な清水のローカル魚。食うならやっぱり水揚げ地で、と結論づけるには、東京の高級寿司店のマグロもちゃんと味わった上で、比較してみなければ?(130629)


一献一品出合い酒@清水

2013年06月29日 | ◆一献一品出合い酒

 駅前シティホテルの部屋にて、アサヒスーパードライロング缶×清水が本社の缶詰たち。三保の松原で歩き回りくたびれ果てた晩、ちょっといいホテルに泊まるなら、部屋でのんびりでき御当地水産会社に敬意を表する、この組み合わせが似合う。

先陣は昼見た羽衣の松にちなみ、はごろもフーズのエース,シーチキン。小振りサイズの水煮はほぐし身があっさりと、王道の安定感が嬉しい。続いても馴染みはホテイの焼き鳥、定番タレ味の甘ったるいジュレが久々ながら新鮮で、口直しのスーパードライがバッサリ潔い。 そして真打は新進ながら定着中の、いなばのツナとタイカレー。コブミカンの葉入り本格派が、一気に場をエスニック化。すくうごとのビリビリの辛味に、ここからスーパードライが加速する。ある意味清水の聖地巡礼、いつもの缶が特別うまい気もする一期一会。

世界遺産かつ魚どころの地にて、インドアな酒宴はちょっとおとなしめか。魚市場は清水駅のまん前、明日の朝酒のアテには、シーチキンになる前の魚で行きたいところか。一献三缶の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。(130629)


三島清水てくてくさんぽ2

2013年06月28日 | てくてくさんぽ・取材紀行

意外に行ったことがなかった、世界遺産になりたてホヤホヤの三保の松原。バス停から普通の市街地の路地を歩いていくと、ドーンと一直線に延びる松並木の街道に出くわした。その名も「神の道」は御穂神社の参道で、まっすぐ松原へ続く様はまるで、鎌倉鶴岡八幡宮の段葛を思わせる。

松原から富士山の景観は写真の通りで、登録時に各論があったことが理解できる部分もある。が、絶景のポイントと紹介されていた場所からさらに先に行ったら、浜の侵食具合に思わず絶句。保全のため人工の手が加わるのも、また理解できる思いがした。

世界遺産は登録されてからが大変、とは各所で聞く話である。今日のところはとりあえず、おめでとうとエールを贈るまで。観光資源としての評価は、長い目で見ていきたい。


三島清水てくてくさんぽ1

2013年06月28日 | てくてくさんぽ・取材紀行

清流に沿って遊歩道を設ける水の里は数あれど、清流の中の遊歩道は三島以外で見たことがない。源兵衛川の流れの中に配された飛び石を歩けば、気分はまさに水上散歩。

沿道には、汚れていた80年代の同川の写真が掲示されていた。浄化の苦労は並大抵ではなかったろうが、環境破壊や汚染が横行する中で、未来は失われていないことを体現しているように感じられる。(130628)