いつもの時間にいつもの店で、いつもの席にていただく、名もないサービス底値めし。仕事先での日常、当たり前の味が、この街を離れるとなると途端、尊く舌に沁み始める。以後は来ることはなかろう、と思えば、残るここでの日数を数えつつ、この2年を思い返しつつ、ずれた時間のランチタイムが少々いとおしい。橙@池尻大橋
西へ下るにも東へ帰るにも、熱海駅は座席確保のため全力移動の場で、スタンドそばなど立ち寄る余地もなかった。が、当駅が旅の最寄り駅なら話は別。ダブル揚げの「朝キツネ」をすすりながら、乗り換えダッシュの皆さんつつ眺め悠々、ご苦労様!
季刊の媒体のこの連載、3回目の取材撮影は熱海の温泉街散歩。パワスポに産業遺産にレトロアメリカンに温泉風情と、仕事ながら盛りだくさんに楽しめた。新旧の魅力が入り混じったところが、熱海をさんぽする楽しみ、とのご感想をいただいたので、読者にうまく伝える紙面をつくらないと。
左の席からは「年金受給年齢からしたら退職金の運用は…」右では「今期の営業損を見るに追加融資は…」云々。ハード&ビターな打ち合わせが、このチェーンでは茶飯事だ。ハムキュウのサンドイッチの、こんがりトーストにたっぷり塗られた辛子マヨ。涙ぐむほど刺激的なのも、お店テイストのハードさなんだろうか。
中華は炎だ、熱だ。厨房をカウンターから覗けば、中は炎熱の戦場。流行っている店ほど、バトルの激しさが席までも伝導し、待つに連れこちらも熱を帯びてくる。
揚げ麺の上に、バカっと大おたまが一閃。とろみとシャッキリ感が相備わったあんは、食べ終わるまできっちり熱も留め続けそうだ。熱暑との戦闘をいざ、開始。兆楽@渋谷