「土佐の一本釣り」の青柳裕介先生の作品で、「まぐろ土佐船」という、室戸のマグロ船団をモデルにした漫画がある。主人公は「炊(かしき)」つまり料理人で、長い航海かつ限られた食材で四苦八苦する様が時折描かれている。
長期操業の漁船の食事は、どうしても獲物や外道が食材になるが、漁が長引けば長引くほどこれらのおかずが続き、船員の不評の元となる。毎日マグロやカツオなんてうらやましい、とは言ってられない状況で、重労働かつ閉鎖的な環境下で、三度の食事は唯一ともいえる楽しみだから大変だ。この作品でも、マグロを使うにしても陸の居酒屋の雰囲気をまねてみたり、魚から離れてカレーにしたらみんなの里心に訴えたりと、氏の工夫が垣間見られる。
また漁師のまかないといえば、別の食マンガ「美味しんぼ」で、カツオの刺身にマヨネーズをつけて食べるくだりが有名だ。これも毎日刺身がオカズなのに飽きた漁師がはじめたもの、と作品にはあり、血のにおいをマヨネーズが抑えるとかそれらしい蘊蓄も語られていた。 自分もやってみたら軽くハマってしまい、マヨネーズ醤油にアレンジしてよく頂いている。
ところでこの蘊蓄だが、裏をとろうとして調べてもなかなか「そうやって食べている」との情報にあたらない。Fb友達の高知県関係者、漁業関係者、食関係者の皆さん、もしご存知なら教えてください。(130512)