ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

【朝カルおさんぽ講座】柴又編

2020年09月12日 | おさんぽ講座・介護レクの記録
朝日カルチャー「おさんぽ案内人と歩く柴又」講座は12名の参加で、駅から帝釈天、山本亭、寅さん記念館と、定番の見どころをめぐった。スタート後は帝釈天参道から北側の古道「国分道」沿いへ。かつて江戸から下総を結ぶ街道で、古墳の上に建ち柴又のルーツである柴又八幡神社、大日如来と分身の仏が並ぶ五智如来が参道に並ぶ真勝院など、柴又を深く知る史跡も盛り込んでみた。

寅さんが産湯を使い、が枕詞の帝釈天は、彫刻の素晴らしさに脱帽。法華経の世界観が彫られた帝釈堂の壁面は、仏様や霊獣が立体的で見る者を捉える。立体的な庭園は回廊から観覧する仕組みで、雨の中に助かる造作だった。和洋折衷の山本亭でも座敷でくつろぎながら庭を見て、寅さん記念館で映画の世界に浸り終了。寅さんの名言集は、世相を問わずどの時代でも心に刺さる。

5年にわたりやってきたこの講座だが、朝日カルチャーが以後野外講座を開催しない見込みのため、思わぬタイミングでこれで最終回となってしまった。常連さんも多く名残惜しく、またこのメンバーで都内さんぽができる日が来ることを願い、お疲れ様でした。

【朝カルおさんぽ講座】学んで歩く江戸の町 新橋〜銀座編

2020年07月04日 | おさんぽ講座・介護レクの記録
朝日カルチャー「おさんぽ案内人と歩く・学んで歩く江戸の町」新橋〜銀座編は、総勢9名で開催。かつて設けられていた水路の跡をたどりながら、江戸の街づくりを学びながら散策した。

前半はスタートの新橋から、東京高速道路がある汐留川跡、そこに架かる新橋跡を経て、カレッタ汐留の46階展望室から水路跡を俯瞰。いま川として残るのは、浜離宮のまわりの築地川と汐留川の河口部数百mのみで、ほかは戦後の瓦礫処理と東京オリンピック時の都市交通整備の名目で、埋められてしまった。上から街を見下ろすと、いくらか今も残っていたら東京も魅力ある「水都」だったのではと、ちょっと残念に思う。

中盤の築地場外市場と築地本願寺は、四方を築地川の本流と支川が流れ、かつては堀に囲まれたような場所だった。卸売市場跡と場外市場の境界に東支川、築地本願寺の東寄りに南支川の跡が見られ、小田原橋や海幸橋などのゆかりの地名が残る。また場外市場はかつては築地本願寺門前の寺町で、気にして歩くと市場の中に寺がちらほら残っている。買い物目線だと気づかない、街の成り立ちの痕跡である。

首都高環状線になっている築地川本流、三原橋付近の区画に流れを彷彿させる三十間川跡を渡り、数寄屋橋交差点を渡りながら外堀の跡を想像したら、有楽町駅前の「南町奉行所跡」へ。待ち合わせスポットの一角に碑と石垣跡がひっそりとあり、ここに大岡忠相が裁きをしていた白洲があったとは。同じく「銀座発祥の地」碑も、中央通りのティファニー前にひっそりと立っている。銀貨の製造役場が置かれ地名の所以だった地だが、ここも気付く人は少ないよう。

最後は江戸の物流で重要だった京橋川跡と、明治期と大正期の親柱が残る京橋跡を見て、この日はここまで。

【朝カルおさんぽ講座】白金台編

2020年02月29日 | おさんぽ講座・介護レクの記録
主催社は実施を判断、人混みに行かない野外が対象、参加が少人数ということで、朝日カルチャー「編集長と東京さんぽ」白金台編は8名で開催。目黒駅から目黒通り沿いに、横道に入りながら白金台駅までを歩いた。観覧施設の東京都庭園美術館、自然教育園、八芳園はやめにし(前の二つは開園を自粛していた)、ルートは寺社と町並みと路地や坂を中心に変更。それはそれで、さんぽらしさがかえって出て好評だった。

このあたりは地形的には、渋谷川と目黒川に挟まれた「白金台地」という高台で、目黒通りはその尾根道にあたる。邸宅街なのはかつて藩邸など屋敷が多かったこと、学校が集まる文教地区だったことに所以があるという。庭園美術館と自然教育園は、かつての讃岐松平家藩邸。シロガネーゼが闊歩するプラチナ通りの並木から東大医科研の敷地に入ると、ゴシック調の重厚な本館も見られる。聖心女子学院沿いに巡らされた赤煉瓦塀が美しく、アップダウンしながら邸宅街の路地へ。斜面に位置し行き止まりの細い道が多いため、侵入者が少なく治安がいいことも、邸宅街がつくられた理由のようだ。

八芳園を回避した代わりの締めは、江戸最初の黄檗宗寺院である瑞聖禅寺とした。近代的なフォルムの水庭は、なんと隈研吾の設計。木の格子に差し込む光がやわらかく、本堂「大雄宝殿」とともに周囲の風景を写し込む様子は、一枚のアート作品のようでもある。白金に散策に来たことがあっても、ここははじめての方がほとんどで、インパクトある締めとなり何よりだった。

今回は初参加の方がいらっしゃったが、路地さんぽとか寄り道的なコンテンツながら、結構喜んでもらえた。まだまだこの路線のさんぽで、頑張ってみましょう。

【朝カルおさんぽ講座】日本橋編

2020年01月25日 | おさんぽ講座・介護レクの記録
朝日カルチャー「編集長と東京さんぽ」日本橋編は、総勢17名で開催。コレド日本橋を起点に、日本橋を細かく観察、三越と三井と日銀の豪壮な建築を見て、むろまち小路の老舗街からコレド室町へ。変わりゆくが昔の面影を残す街の表情を追いかけ歩いた。

日本橋は造作を見る機会が割となく、獅子や麒麟の彫刻、橋の中央に配された道路元標、北詰の魚河岸の跡など、史跡としての価値を再認識。三越本店と三井本館も、ルネサンス様式の建築としてかなり貴重なものである。日銀側の裏の方から眺めた方が迫力があったのは、路地さんぽならではの目線かも。

またこのたびは、ご縁があるアンテナショップ・セレクトショップにもお世話になった。日本橋とやま館、日本橋ふくしま館 MIDETTEでは買い物のほか試飲も人気で、ほろ酔いさんぽの様相も。室町テラスの日本百貨店では手仕事のスグレモノに注目するなど、買い物も満足できるプランとなった。

次回は2月の白金台、老舗街から一転して、ハイソなさんぽになりそうだ。

【朝カルおさんぽ講座】学んで歩く江戸の街・江戸城編

2019年11月30日 | おさんぽ講座・介護レクの記録
朝日カルチャーの新しい講座「学んで歩く江戸の街」第1回目は皇居。東京観光財団主催の東京シティガイド検定の実地講座も兼ねて開催、坂下門から本丸、二の丸と皇居を巡り歩いた。この日は大嘗祭の舞台となった「大嘗宮」の公開日にもなっており、滅多に見られない大嘗宮の建物見物も合わせてルートを組んだ。

桜の通り抜けの時期以外は非公開の、坂下門から皇居宮殿、宮内庁舎から富士見櫓を至近に眺めてから、大嘗宮のある本丸へ。11/14-15に行われた大嘗祭の舞台、大嘗宮の建物が、遠くに見えてくる。南北を結ぶ神門を結ぶ御廊下を挟み、悠紀殿と主基殿が左右に並ぶ様を眺め、あとは天守台から二の丸庭園とめぐり、大手門で締めくくりとなった。

いつものさんぽ講座に比べ、江戸期の政務の場である本丸御殿、調略と陰謀の舞台だった大奥、日本屈指の大城廓にもかかわらず諸般の理由で再現ならなかった天守など、江戸城ネタを濃いめに組んだのが、なかなかよかった様子。資料の地図も古地図を使ったのが、興味を引いたようで手応えありだった。従来の「おさんぽマップで街歩き」と合わせ、今後展開していきましょう。