ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはんbyFb…東京ディズニーシー『ケープコッド』の、フィッシュバーガー

2012年09月30日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 熊というのはリアルとフィクションで、極端に違ったイメージとなる不思議な動物である。リアルでは里に降り警戒されたりクマ牧場での事件など、獰猛に人を襲う恐怖の対象なのに、キャラクターになるとハチミツ大好きの子グマや、最近大人気のほっぺが赤い黒クマなど、どこかほのぼのキャラになってしまう。

 最たるものがテディベアで、ネズミの国のお隣の海のテーマパークでは、女子がクマのぬいぐるみを抱っこして歩くのがデフォらしい。思い思いの服を着せ、自分と同じコーディネイトを決めている人もいたりと、まるで姉妹のよう。この国でクマといえば、件のハチミツ子グマのイメージだが、最近はネズミ君の彼女がつくったとの設定の、このテディベアが大人気だそうだ。

 そこで昼食は、このクマのショーが売りのファーストフードレストラン『ケープコッド』へ。アメリカンスタイルのハンバーガーが売りらしく、自分は魚つながりでフィッシュバーガーセットとシーフードチャウダーを選んだ。ショーを見ながらいただくと、ニューイングランド風とあるチャウダーがおいしいこと。濃厚なクリームに分厚くゴロゴロのベーコン、そして丸々したアサリがいっぱいで、まさに食べるスープだ。

 フィッシュバーガーは普通の白身魚バーガーで、町のファーストフードのよりもずんぐりと丸く、ボリューム感がある。パテの材料はかつてはスケトウダラが主流だったが、数が減ったため最近はホキという深海魚がメインという。実はそのホキも減ってるそうで、ファーストフードながら貴重な味になる日も近いかも。

 近頃一部のチェーンで扱っている、サーモンバーガーでも供していれば「熊つながり」になるのに、などと思いながら、ネズミとアヒルとぬいぐるみ熊ののどかな掛け合いを観覧。まあ、おとぎの国のキャラ熊では、一撃必殺で大物キングサーモンを仕留める絵柄は、ちと想像できないか?


真夏のおひとり昼酒@地鶏や byFB

2012年09月27日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 横浜駅の駅ビルや地下街の飲食店は、平日休日問わずいつ訪れても混んでいるイメージがある。穴場を探すなら、地下街を奥へ奥へと深入り。オフィス街近くの出口付近にある地下飲み屋街は、サラリーマンのオアシスな一方、平日午後はエアポケットのような空間だ。

 この日は東口地下街ポルタの奥にある「地鶏や」で、地鶏モツ煮に湯葉刺でエビスのジョッキを傾けた。親子丼に串焼きが自慢の店だけに、鶏モツの味の染み方が程よく、ややトロリとした湯葉が甘くさっぱり。

 鶏モツ煮は甲府、湯葉刺は京都と、奇しくも猛暑地のローカル肴がアテとなった。対象的に店内は冷房が効いていて、キンキンに冷えたビールに背筋がブルっとくる。夜営業の準備中のようなガランとした雰囲気もあり、ちょっと寒々しいおひとり昼酒である。


真夏のおひとり昼酒@ジョナサン byFb

2012年09月26日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 少々立て込んでいた8月が過ぎ、気がつくと9月。思い返せば猛暑やら何やらで、土・日の午後はひとり昼酒していた時が多かった気がする。

 自宅酒で愛飲しているウイスキーの「トリス」は、ポケ瓶を汽車旅やバス旅の伴にしているので、いわば身に合った安酒(失礼!)。先日、ファミレスのジョナサンでの昼酒でトリスハイボールがあったので、気温35度の猛暑日の下、冷房が効いた店内で爽やかに味わった。

 ちなみにジョナサンでは「50品から好きに選べる、2品で500円」メニューというのがあって、ドリンクとフードそれぞれ好きなものをチョイスできる仕組み。トリハイのアテに選んだのがキャベツオムレツで、見た目はなかなかのボリュームだが中はひたすら千切りキャベツ(笑)。リーズナブル&ヘルシーに楽しめる、500円昼酒である。


ローカル魚でとれたてごはんbyFb…TDS『S.S.コロンビア・ダイニングルーム』の、マダイのグリル

2012年09月24日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん

 その名に「海」を冠するだけあり、件のネズミのテーマパークに隣接する、ちょっと大人向けの夢の国は、海をモチーフにしたアトラクションが多い。ショーが展開されるメインのハーバーを中心に、アラビアンテイストな海岸、冒険の舞台である河口域、未来をテーマにした港など、どのゾーンも入った瞬間にその世界観の中へ飛び込めるは、さすが日本一のテーマパークである。

 そんな夢の国にいながら、海といえばお魚、お魚といえばローカル魚、と、自身の守備範囲の視点がつい、働いてしまう。サンゴ礁エリアでショーを見ていても、キャラ名より魚種名で見てしまうのが性分のよう。人魚姫が親友のキダイと執事のジャマイカ種のカニと語らい、マコンブとアカヒメジュズヒトデが踊り祝福する中、魔女のしもべのクロシビカマスとミズタコがおどろどろしくやってきて… と、何ともファンタジー感がない表記だこと。

  ミズクラゲのフードにヒオウギガイのシートの遊覧ライドに乗ったら、アーリーアメリカン調のベイエリアへ向かい、豪華客船S.S.コロンビア号でのディナーをチョイスした。客船といってもアトラクションのひとつで、半分が湾に迫り出し、半分は陸に据えられている。『S.S.コロンビア・ダイニングルーム』はBデッキにあり、ローストビーフや伊勢海老のグリルなど、いかにもアメリカンテイストのコース料理が揃う。

 「本日の魚料理」のディッシュをメインにしたコースを選び、素材を尋ねるとマダイのグリルとのこと。厚くしっとりした白身に、バルサミコとラディッシュのソースが甘さほどほどにからんだ、上品なひと皿。カリフォルニアワインのロバート・モンテヴィが爽快にフルーティーで、マダイとの相性もいい。そしてメインに肉薄する印象だったのが、クラムチャウダースープ。アサリの量が半端ではない上、スープのダシガラではない丸々とした身が滋味あふれて、実にうまい。

 クラムチャウダーはニューイングランド州が発祥だそうで、アメリカ東海岸の港町に根付いたローカル魚料理といえる。ところでアサリといえば、江戸前物も数は少ないながら頑張っていると聞く。先ほどパーク最奥の湾から堤防を隔てて、リアル東京湾が見えたような… ってなことは思い返さず、夢の国のローカルシーフード料理に素直に舌鼓を打つとするか?


街で見つけたオモシロごはんbyFb…京橋 『喜多方ラーメン小法師』の、中華風冷やしラーメン

2012年09月23日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 お盆は明けたけれど、この日の東京は34度と、高温注意報が出るほど暑い。昼ごはんも冷やしさっぱり系に向く日が、まだまだ続きそうである。

 ラーメン店に寄っても、夏季限定の冷やし中華につい、目がいく。「中華」と称するがこの料理、発祥は仙台の中華料理店という。もとは夏の売り上げ低下の対策から生まれたそうで、冷たい麺と冷たいスープの組み合わせに、具は自由にアレンジ可。いわば堅苦しい定義はない、根っからの日本ローカル麺なのだ。

 中華料理店やラーメン専門店の冷やし中華は、グランドメニューの麺やスープ、具材を流用していることが多く、限定メニューながらちゃんと店のカラーが出ているのが面白い。いつもの「」のも、喜多方ラーメンの組み立てまんまの冷やし麺。加水多めのプルプル中太ちぢれ麺が、氷でキンキンに冷やした醤油スープにからみ、チャーシューはカラシでいただくから甘い脂もさっぱり目。刻みキュウリに紅ショウガが、ラーメンにない冷やしオリジナルな具材で、涼感をキリッとかもし出している。

 品名が「中華風冷やしラーメン」と、やや回りくどいのは「和風」もあるからで、これも猛暑の山形のラーメン屋が考案した夏メニュー。暑さ寒さは食文化を形成する一大要因と思えば、東京の酷暑からも新名物が生まれないだろうか、との期待のひとつもしたくなる、盆の名残の暑さである。