料理屋でオーダーを写メするのは、今や普通に近い行為なのだろう。一方で、店や料理人や周辺の客的にはどうなんだろう、と気になることがある。客の目線で端から見るとあまり行儀はよくないし、料理はサーブされた時が美味い時だから、グズグズ撮っているうちに冷めたり溶けたりしていくのを、よしとする料理人もいないだろう。
金を払ったのだから、料理をどう扱おうと客の自由かも知れない。とはいえ、店はプロデュースする側の世界観が支配する空間でもある。料理写メは果たして、その許容のうちの行為かどうか、やっている自分も答えは見つからない。せめて邪魔にならぬよう自然に手早く、も大事だろうが、自分の場合はむしろ「キレイに」「うまそうに」を重視。撮らせてもらう以上、よりよい形で発信し、良さを広めることで礼とする、とは大袈裟だろうか?
そんな中、ラーメン屋は、写メ客遭遇頻度が特に高い気がする。写メやつぶやきによる情報発信が頻繁なため、店側も割と許容しているようだ。その筋の方によると、ラーメン写メは撮り方に基本形がいくつかあり、俯瞰のほかレンゲですくった「スープリフト」、箸で持ち上げた「麺リフト」は、用語として定着しているのだとか。言われてみれば、ラーメン屋ではひとりであれこれやりながら撮ってる客が多いような。
自身もたまに麺リフトにチャレンジするが、右手で箸、左手にスマホのシャッター、さらにピン合わせに構図決めと、苦戦するうちにスープは冷め麺がのびてしまう。だから着丼(これも用語とか)直後にバッと湯気が立ってるのを、パシッと一枚が流儀。ラーメン写メは手際の良さが、マナーかつ美味く撮れる一番の秘訣ではなかろうか。(130527)