ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはんbyFB…横浜・某所の麺系ファミレスの、マグロ中落ち竜田揚げ

2012年03月28日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 地元びいきもあるが、横浜界隈で食べるマグロ料理は、やはりうま
い気がする。冷凍マグロの水揚げ港・三崎が近接し、市の中央卸売市場経由で「ローカル魚」として流通しているのかも。横浜の中心部は首都高経由で、世界一のマグロ集積市場の築地も近い。

 で、マグロ中落ち竜田揚げを肴に昼酒。骨についた部位やアラの深い味が、熱せられて強調。私的には三崎漁港のまかないテイストだ娘が作った折り紙箸置きを添えると、いっそう味わい深く酒が進む…と言いたいが、最近は飲み過ぎや昼酒に意見されるようになり、オールフリーにて。しかも魚系の酒肴好きが私似らしく、竜田揚げも半分いかれてしまったが。

 まあ10数年後は、マグロ料理をアテに横浜のどこぞの飲み屋にて、たまには差し飲みに付き合ってもらえれば、かな。

町で見つけたオモシロごはん…銀座 『中園亭』の、麻婆丼

2012年03月28日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
惜別の銀座めし「中園亭」は、有楽町駅銀座口そばにある中華料理屋で、出口を出てすぐの、細長い逆三角形をした店舗密集地区にある。あたりは露店の靴磨きが並んでいたり、店頭にバナナやみかんを並べて売る果物屋が。戦後の混乱期に形成された一角のため地権者が錯綜していて再開発が難しく、目の前のイトシアに隣接して昭和レトロの町並みが残る、不思議な空間となっている。

『中国料理中園亭』と大書された看板に、店名を「ちゅうごくてい」と読んでしまいそうだが、正しくは「ちゅうえんてい」。ガラス扉を押して中に入ると、白い木のテーブルにパイプ足の赤ビニールイスが数卓並び、レジ横のおばちゃんはいらっしゃいませ、もなくそっけない。壁一面には、赤い台紙に料理の写真を貼り付けたメニューがびっしり掲げられ、飯物は10種異常、麺類だけでなんと40種。愛想はないけれど、料理の方は本場仕込みの品ぞろえだ。

中華丼、五目あんかけ丼、什景湯麺(五目そば)、蝦仁湯麺(えびそば)、麻婆湯麺(マーボーめん)など、これまで頼んだ各種メニューを思い出しながら、惜別の一品は麻婆丼に。豆板醤がしっかり効いた、辛さがとがった系の麻婆豆腐が、水分多めのご飯を包み込んであんかけ系の濃厚な味わいが楽しめる。豆腐とひき肉が多めなのも、食べ応えがある。

ここは新しい仕事場からは歩くと15分はかかるので、おそらく普段使いとしては今日が食べ納め。でも明け方4時までやっているから、銀座で飲んだ後の「締めご飯」をいただいたり、餃子などをつまみに始発まで飲み明かすことはあるかも。

ローカル魚でとれたてごはん…長崎・五島 三井楽水産の、天然鬼鯖寿司

2012年03月24日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん

 長崎県の離島、五島列島の食材ファンが、まわりに多い。ある人は
アゴダシの五島うどんを地元から取り寄せるほどだったり、ある人は水揚げしたてのミズイカに魅せられて足しげく通ったり。温暖な西の海で対馬海流が近くを流れる好漁場を擁するため、魚のうまい島とは聞いていたが、五島牛や盆地米など陸の味もあれこれ挙がり、その豊かさは脱帽ものだ。

 五島の近海は潮の流れが激しく、身の締まったマサバも人気のローカル魚介である。それをタネにした鯖寿司が絶品、との知人に頼まれ、地元の藤沢で買ってくることに。小田急百貨店で開催の、「有名すし・弁当と全国うまいものまつり」でその「鬼鯖寿司」を見つけ、ついでに自分も試すことに。鬼鯖とは仰々しいネーミングだが、福江島にある信仰の山・鬼岳が由縁というから、なかなか神秘的なイメージの鯖寿司である。

 自宅で包みを開いて驚いたのが、切り身のほぼ半分がタネのサバというボリューム。薄ピンクの瑞々しい切り身が、見るからに食べごたえがありそうだ。そして口にして驚いたことに、酸味はほとんどないかわりに、つくりのような青魚のコクがある。自家製の旨酢で浅く漬けて仕上げてあるとのことで、生鯖の旨みを引き出すのに工夫しているとか。〆めてある鯖寿司というより、刺身をタネにした握り寿司のようで、まるで島でとれとれの魚を食べているような気持ちになる。

 通販までして買って食べたいとの、知人の推薦もよく分かる一品で、これからデパートで行われるうまいもの大会は要チェックかも。新宿とか銀座とか、都心で開催される時は、今度は知人に買ってきてもらおうかな?

町で見つけたオモシロごはんbyFB…竹芝桟橋 『東京愛らんど』の、島の味覚つきモーニング

2012年03月20日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 自分が一年ほど前に小笠原へ行った時は、定員1000人ほどのおがさわら丸に300名ほどの乗船で、ゆったり船旅を楽しんだものだ。春休みに入る前だったせいもあるが、世界自然遺産に登録されて最初の春休みを迎えるこの春は、入り込み数がすごいらしい。
 現地のガイドの方によると、3月に入ってから「怒涛」だそうで、おが丸は連便700〜800人の乗船。島内もガイドツアーもかなり混雑しているらしく、まさに世界遺産景気といった感じだ。
 
 たまたま昨日の便で、知人が小笠原に渡ることになり、見送りと懐かしさと混み具合見たさで竹芝桟橋に足を向けた。おが丸は10時出港で、9時半前に到着したが混雑対策なのか、すでに乗船は始まったターミナルは慌ただしい様子。知人はすでに乗っており、桟橋の見送りデッキで待つことしばし。甲板は出港を見届ける乗船客で鈴なりだが、思っていたほどでもない。今日は700人台とやや少ないようで、時期的に若者より熟年の姿が目立つような気も。
 ドラの音とともに舫か解かれ、甲板に出てきた知人を見つけ無事、手を振って見送り完了。船がレインボーブリッジをくぐる頃には、さっきの賑わいはどこへやらの閑散としたたたずまいとなってしまった。

 仕事に向かう前にもう少し島旅気分に浸ろうと、1階のカフェ「東京愛らんど」でソトアサといくことに。トーストにゆで卵、サラダ、コーヒーと普通にモーニングだが、ジャムは島フルーツで酸味が爽快、ゆで卵の塩がザラリと粗い島塩なのも芸が細かい。
 これだけではやや島テイスト不足なので、パッションジュースを別注して、南の島の太陽からビタミン補給をしてごちそうさま。帰り際にもう一度デッキに出ると、桟橋からスカイツリーが大きく見えるのに気づく。世界遺産景気の小笠原に続く、次期全国区観光スポットのオープンも、もう間近だ。

街で見つけたオモシロごはんbyFB…上大岡 『くじら家』の、スタミナラーメン

2012年03月19日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

「ご当地ラーメン」という食ジャンルが、最近鳴りをひそめつつある。かつては各地に百花繚乱で、みそ塩醤油とんこつと、全国にならではのラーメンが点在。それを食べにいくのが旅の目的にもなり、古くは札幌に始まり喜多方や旭川、最近だと徳島や尾道、富山など、ご当地ラーメンは旅行ガイドブックには欠かせない情報のひとつだった。

 ラーメンマニアの視点はご当地から「ご当人」となり、ご当地グルメの座がB-1グルメに徐々にとって変わり、取材先でも以前ほど「おらが町のラーメン」なる意気込みを感じなくなった気がする。自分のご当地、横浜の家系ラーメンも、あまり食べなくなって久しい。チャーシューなど具だくさんで濃いめのトンコツ醤油は、最近は少々重い。日高屋とか 幸楽苑とか、軽い中華そば系のチェーンを愛用してしまうのは、軽さに加え安いのがありがたいのもあるけれど。

 昨日のお昼に訪れた「くじら軒」も、さっぱり中華そば系のラーメンが売りだ。今や各地に展開しているが、ルーツは横浜の人気「ご当人ラーメン」。トンコツベースの家系に対し、こちらは鶏ガラベースのあっさり醤油スープで、麺も平打ちの家系に対して細麺。スープはかつお節や煮干しも使っているから、グルタミンの旨味が濃厚。空腹だったのでつい、パーコーに揚げニンニク載せのスタミナラーメンにしたが、シンプルなラーメンでも十分満足できる味の深さだ。

 そういえば最近話題となるラーメンは、爆食ワイルド系よりも塩とか醤油とかさっぱりヘルシー系にシフトしている気がする。当地の常食でもありマニアのアイテムでもあり、旅行者の楽しみでもあるラーメン。ご当地ラーメンご当人ラーメンとも、変化する嗜好に対してまだまだ進化していってほしいものだ。