京都の北白川から大津市の山中町へ抜ける県道30号線は、通称「山中越え」「志賀越え」と呼ばれる峠道。かつては京都から北陸道方面へ抜ける道で、北白川の起点には子安地蔵、中間の山中町西教寺には、一里塚とも称される阿弥陀如来、大津側の入口である志賀には大仏(おおぼとけ)と呼ばれる阿弥陀如来像がある。峠越えの道中はまるで、石仏を詣でる行程で、素掘りの素朴な仏様に道中の安全を念じられていると思うと、何だか癒される。
志賀町からさらに、坂本の日吉神社を経た先には、八講堂千体地蔵と呼ばれる地蔵群がある。もとは延暦寺の八講堂があった場所に、近所の人が周辺の田畑から出土した石仏や地蔵を安置した場所で、化野念仏寺を思わせるように整然と並ぶ野仏は、庶民信仰の素朴さを感じさせる。琵琶湖を遠望する高台でもあり、湖面を見下ろす素彫りの地蔵たちは、何を念じているのやら。
志賀町からさらに、坂本の日吉神社を経た先には、八講堂千体地蔵と呼ばれる地蔵群がある。もとは延暦寺の八講堂があった場所に、近所の人が周辺の田畑から出土した石仏や地蔵を安置した場所で、化野念仏寺を思わせるように整然と並ぶ野仏は、庶民信仰の素朴さを感じさせる。琵琶湖を遠望する高台でもあり、湖面を見下ろす素彫りの地蔵たちは、何を念じているのやら。