ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ふるいちのぶっかけうどん@倉敷

2021年02月24日 | 旅で出会った食メモ
倉敷の郷土麺料理、ぶっかけうどんの老舗。ぶっかけうどん発祥とされる店。倉敷市を中心に展開。麺に直接、濃いつけダシをかけるスタイル。タネも種類豊富です。

ぶっかけうどんは温と冷が選べ、豪快に混ぜて食べるのが流儀。肉ぶっかけは、甘辛く煮た牛肉がたっぷりのった人気の品。店のルーツは製粉業。うどんは口当たりがしなやかで、味付けが濃いめの牛肉と、相性がピッタリ。味の秘訣はしっかり混ぜること。具材と薬味のショウガに、濃口のつゆが混ざり、渾然一体となったうまさが。

店は昔のままの佇まい。ぶっかけうどんの聖地として親しまれてます。

大原美術館ミュージアムショップ@倉敷

2021年02月24日 | てくてくさんぽ・取材紀行
大原美術館所蔵の作品をモチーフにした雑貨を販売。文具やアクセサリーなどのほか、美術関連書も充実してます。

文具はクリアファイルに一筆箋、ペン、しおりなど。モネの『睡蓮』に、エル・グレコの『受胎告知』、児島虎次郎の『睡れる幼きモデル』など。作品と品物がフィットしてます。

倉敷てくてくさんぽ7

2021年02月24日 | てくてくさんぽ・取材紀行
倉敷川沿いを戻り、美観地区の北寄りから倉敷中央通りへ。阿知南交差点を入ると、旧街道沿いに商家の町家が続いてます。1796(寛政8)年築の大橋家住宅は、倉敷の代表的な町家建築。江戸時代に塩田や新田開発と金融業で財を成した大橋家は、倉敷では大原家と並ぶ豪商でした。大橋家住宅は主屋・長屋門・米蔵・内蔵の4棟からなり、倉敷窓や倉敷格子など当地独特の建築様式も見られます。通りに面した長屋門を抜け、庭の奥に主屋が。長屋門寄りの大座敷ほか、奥の新座敷は内蔵に繋がってました

たい焼き屋とカジュアル衣料の店など、一般の商店の向かいは、日用品を扱う商家の店舗。昔からの生活感が漂います。木枠に木の格子の「倉敷窓」や、漆喰の虫籠窓も。小河原呉服店の、奥行きある商家建築に沿って歩くと、倉敷用水の手前に、倉敷一番街のアーチがかかってます。幅はわずか3mほど、かつてはアーケードの飲食店街で、路地に入ると、ビルが丸ごとスナックの建物が。駅に近い飲み屋街。一番街はかつては川西遊廓へ至ってました。

間口の狭い酒場が並ぶ中を進んでいくと、倉敷駅前のロータリーに到着。美観地区からの帰りは、ちょっとディープなさんぽで締めくくりです。

倉敷てくてくさんぽ6

2021年02月24日 | てくてくさんぽ・取材紀行
倉敷川沿いからひと筋東の通りは、どこか庶民的な雰囲気。中ほどにある西門から、倉敷アイビースクエアへと入ります。昭和48年に整備された、ホテルを核とした複合施設の倉敷アイビースクエア。江戸期には倉敷代官所、明治期は倉敷紡績所の本社工場があった場所で、蔦の絡まるレンガの建物をはじめ当時の外観と構造が残されています。

西門のそばの赤レンガの建物は、明治29年築の製品倉庫。レンガは長辺と短辺が交互のイギリス積み。入口の上には社章が。隣は創業時の原綿倉庫を用いた、倉紡記念館。もと製品倉庫と原綿倉庫の間の内堀は、倉敷代官所の遺構です。敷地内の大樹が名の所以の洋館「メタセコイア」の先、蔦の絡まるレンガ造りの建物は、アイビー学館。倉敷紡績所の発祥の工場で、勾配があるノコギリ屋根が特徴。窓ガラスは、当時の手吹きガラスが使われています。蔦は夏は日除け、冬は葉が落ち日差しを入れる、空調の役割でした

施設のシンボルの中庭広場。モネの庭の睡蓮を株分けした池が。蔦がからまる壁面は、夜間にライトアップされます。ホテル棟のあたりまでくると、人通りが少なく静か。正門から施設を後に、白壁通り沿いにもレンガ塀が続きます。道中のおもちゃと骨董の博物館。屋根のオブジェが圧巻。このあたりから旧工場の壁面。レンガがイギリス積みに。ノコギリ屋根に合わせた箇所も見られます。通りを挟んだ向かいの家屋にも、壁面に立派な蔦が。入口のスロープ越しに、アイビー学館とメタセコイアを眺めたら、先ほどの西門に至る通りへ。レンガ造の工場から町家の風景へ戻ります。

倉敷てくてくさんぽ5

2021年02月24日 | てくてくさんぽ・取材紀行

大原美術館本館前の今橋から、倉敷川沿いに美観地区を歩いてみましょう。江戸期に天領となり繁栄した倉敷は、古くから中四国の物流の拠点でした。周辺の干拓地で生産された米や綿やイグサを、倉敷川から児島湾を経て積み出しており、周辺は問屋や商家が集まる川湊として賑わいました。倉敷川沿いの美観地区には、豪商らによって建てられた屋敷や蔵が集中。2階の天井が低い厨子2階、庇屋根の上が瓦貼りの塗屋造、水切庇付きなまこ壁の土蔵、高い瓦塀など、伝統的な建築様式が随所に見られます。

川沿いには柳並木が施され、建物とともに川面に映ります。蔵を改装した食事処カモ井と、江戸期の商家を用いた料理旅館鶴形。船を通すため中央が反った石橋・中橋からは常夜灯や船着場、荷を運んだ川舟など、往時のような眺めが。大正6年に倉敷町役場として建てられた、観光案内所の倉敷館。江戸期の米蔵を用いた、倉敷考古館。付近には貼瓦やなまこ壁の蔵が、密集する一角です。

中ほどで折れる倉敷川沿いを、さらに先へ。沿道には、川舟の高さに合わせた荷揚げ場や荷物の積み下ろしに使った階段「雁木」など、川湊の名残が。倉敷民藝館は古民家を利用した最初の施設。美観地区の先駆です。高砂橋にかけては飲食物販店が集中。喫茶やうどんの店、倉敷ガラスや倉敷デニムなどの、郷土工芸品の店も見られます。物流で賑わった頃の町並みが、時を越えて広がっています