ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…横浜・赤レンガ倉庫の、横浜ストロベリーフェスティバル

2019年02月13日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
横浜赤レンガ倉庫で開催の「横浜ストロベリーフェスティバル」に、家族の女子とともにお邪魔。いちごマーケットと称する屋内イベントスペースを中心に、全23店のスイーツショップが集結した、まるごとイチゴのイベントである。会場に入った途端に甘い香りに包まれるほどで、満員の場内からは近頃のイチゴ人気が伝わってくる。

屋外スペースにはイチゴの直売所が設けられ、市内でとれた朝とれイチゴを直送で販売していた。三浦半島では冬場にイチゴ狩りをやっているが、横浜近郊でもイチゴがとれるとは知らなかった。数に限りがあるようで、スイーツをいただく前にまず購入。イチゴは日によって先着で無料配布もあるそうで、この日は10時からとちおとめのパックを配布していたとか。

会場のいちごマーケットにて目指すは、情報番組で見かけた道の駅「伊豆いちごファクトリー」。ごく普通の産直店がイチゴをメインにしたところ、売り上げが数倍になり話題となった。テレビで見たいちごバーム串は、イチゴと練乳のバームクーヘンイチゴを交互に刺したもの。シンプルながら、人気洋菓子と生のイチゴがひと串で楽しめるのがいい。女子2人は平塚のフレンチ「アッシュ×エム」の、湘南イチゴのチョコフォンテーヌに、ご満悦の様子だ。

おみやげは和スイーツをと、浅草梅園の「いちご大福」をセレクトした。仲見世にある和菓子の老舗で、この日はあんみつや生菓子などイチゴ仕様の品が揃っていた。餅の中からイチゴの粒が覗く見た目も愛らしく、行列の長さも納得の品である。

イチゴ人気はインスタ映えにも大きく関係があるようで、お客の発信力を考慮してのイベント開催も、これからのスタイルになっていくようだ。あまり色合いのない自身の酒肴系SNS、これを機に展開を変えてみようかな。

町で見つけたオモシロごはん…横浜・野毛 『大黒屋』の、つくりに天ぷらなど

2019年02月08日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
日曜の「野毛呑み」、選択肢が少ないかと思ったら、気になる店は割とやっており賑わいが程よいのが、ぶらりさんぽに向いている。らしい店を求めて暖簾をくぐった「大黒屋」、行灯看板の構えから品書きズラリの内観から、これぞ酒場らしい面持ちがよい。

突き出しの味噌キュウリからして作り込んだ感があり、4点盛りはクキクキで甘いイカ、埋めながら脂モッタリのカンパチ、舌にさらりと柔らかなマグロと、役者が揃った満足度。キモが和えてある塩辛、ホッキの潮の香りが心地よい酢の物と、海鮮系のアテはビールから升受けの冷酒へと誘ってくれる。

体が温まるものに切り替えた後半は、看板にもあった天ぷらから。エビ、キスに野菜数種とバランスがよく、アツアツのを頬張ればいずれも素材のうまさがしっかり出た、絶妙な揚げ加減がいい。ひとつ100円からオーダーできる、まさに店の看板メニューとのこと。煮込みはスジ多めで、コラーゲンもバッチリと補填だ。

個性派ぞろいの野毛の呑み処の中で、スタンダードながら気軽に入れ、店内に広がるは思い描いた通りの世界観。「ザ・居酒屋」を体感したいならとりあえずな店で、日曜の野毛クルーズにありがたい一軒である。

町で見つけたオモシロごはん…秋葉原 『長崎トルコライス食堂』の、メンチカツが主役のハヤシトルコライス

2019年02月02日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

「おとなのお子様ランチ」との別称がある、長崎のローカルグルメ・トルコライス。ピラフとスパゲティの上にカツをのせた基本形は、鮮やかな色合いとととにかなり食欲を喚起、というか大人ごころをワクワクさせる。この日いただいたのはメンチカツをメインにチューニングされており、フォークをかけた途端にじわり浸み出るメンチの肉汁、ケチャップビタビタなナポリタン、目玉焼きの黄身を割り絡めたらたまらないピラフと、三者文句なしの空腹突破力である。

 

トルコライスは、もともと造船が盛んな長崎の、労働者の昼ごはんに重宝されたのが発祥といわれる。お昼のサイレンがドックに鳴り響くやいなや、作業着を着た男たちが市街へダッシュ。「トルコめし一枚!」のオーダー一声、高カロリー物件と炭水化物ツートップをワシワシとかっ込む。限られた時間に肉体労働のためのパワーチャージするのに、このワンプレートディッシュは最適だったのだろう。しゃれたレストランでなく、街場の喫茶店や定食屋を中心に供されたのも、普段使いのローカルごはんらしい。

 

こちらは秋葉原の買い物客の舌を満足させるべく、食材にもこだわりが。県産ポークのカツ、長崎和牛のメンチ、長崎ポテトのコロッケ、雲仙ハム入りピラフ、アジフライも県産の活け締めものと、ワンプレートで長崎まるかじりなのも嬉しい。まさに働く活力が湧き上がってくるような一皿、デスクワークながら明日の仕事へパワーチャージである。


町で見つけたオモシロごはん…豊洲市場 『鳥藤』の、親子丼

2019年01月28日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
豊洲市場の魚がし横丁、12時を過ぎると店による混雑度の差が如実になってくる。行列が折り返す寿司店に対し、「じゃない店」は数名待てば座れるレベル。にもかかわらず、並ぼうとして「せっかく豊洲に来て○○ではもったいない」と躊躇する客も少なくない。「鳥藤」もそんな一軒で、魚河岸に来て親子丼もどうよ、な気持ちも分からんでもない。そんな客が多くを占めるから、この超絶絶品の親子丼に、土曜昼時に大して待たずにありつけるのだから、真逆の意味でもったいない。

魚河岸に店を構える鶏専門店はここだけで、産地から直接仕入れる質と鮮度の良さが自慢とある。鳥料理専門店も御用達というだけあり、具は鶏肉と卵だけのシンプルな丼に、その実力が如何なく表れている。ベースが鶏ガラの割り下は、甘さとしょっぱさそれぞれが強く立った、攻めの濃い味。歯ごたえがプツッと心地よい鶏肉、トロトロで絶妙に絡んでくる卵の、火加減が芸術的な頃合い。ひとまとめにしてかき込み、咀嚼するごとに痺れるような幸福感に浸れるような、実に包容力あふれる一丼である。

鳥の旨味が出切った白湯スープも、これだけで白いごはんが食べられる濃厚さ。ひさびさに言葉にならない食後感で、豊洲市場の魚がし横丁で実食した中で、かなり上位に入ってきた。喫茶、軽食、洋食と、当たりが続いている以上、ここでお魚を味わうのはまだまだ先になりそうな。

町で見つけたオモシロごはん…豊洲市場 『珈琲センリ軒』の、半熟入りクリームシチュー

2019年01月27日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
朝8時の豊洲市場の食堂街は、昼時と混雑具合と客層が異なる。観光客垂涎の寿司や海鮮系の店は、まだ訪れる人もまばら。一方で中華、定食、軽食などの店では、仕事上がりの業者の方々が、 パワーチャージしたりコーヒーでくつろいだりしている。どちらの佇まいが「らしい」かは好みだが、よそ行きの賑やかさになる前の緩衝的なこの空間が、割と好きだったりする。

「センリ軒」もそんな方々の御用達で、がっつり系の食事処が集まる中、大正初期から続く喫茶店である。築地場内にあった頃の喫茶店風情から、インテリアはしゃれた感じになり、壁面にはメニューのイラストが描かれるなど、ハイカラなカフェ風になった。パラパラ空いた席のひとつに落ち着くと、こちらは仕事前の朝ごはんを。壁面の絵に誘われてのクリームシチューとホットコーヒーで、市場散策前の暖を取っておきたいところだ。

クリームシチューは半熟入りが選べ、ハーフでも十分な量がある。器にはジャガタマニンジンとともに、ポツンと卵が浮かんでいる。割ると鮮やかな黄色が流れ出し、実に彩やかな一品となる。極めてなめらかな口あたりは、しっかり煮込まれ野菜が溶け込んでいるおかげで、文字通りクリームそのもの。薄味仕上げのため、市場で働く人たちはコショウをたっぷり振って、スパイスを効かせるのが流儀だ。ブラックなんとかみたいなしゃれたのでなく、煤けた瓶入りの某社テーブルコショーなのもまた、普段使い感あること。

足りなかろうと頼んだタマゴサンドが、ゆで卵の形が残るほど具材がたっぷりで、タマゴかぶりとなった朝食はかなりの満腹に。外はが観光地的顔つきになりだしたことだし、この温もりがとどまるうちに、市場さんぽへ出かけようか。