ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…刀削麺で、つながる

2013年02月28日 | ◆日々是好食

 口当たりはペナペナ、歯ごたえはモチモチ。麺料理とは思えないこの頼りない食感こそが、刀削麺の口福の源だ。

 グラグラ湯が沸き立つ鍋の上で小麦粉玉と包丁を構え、シャッ、シャッ、シャッ…と削いでゆく。湯で上がりは麺というより、限りなく細長いワンタンのよう。これに辛めのつゆが染み込み、ピリリとヒタヒタな魅惑的うまさがいい。小麦粉玉をこねたり伸ばしたりしないから、ソフトで汁が深く染みるのも道理である。

 同様の食感の料理で、岩手県の郷土料理の「ひっつみ」が思い浮かぶ。小麦粉玉を文字通りつまんで伸ばし、具だくさんの汁と煮込んだ鍋料理。鶏ダシのつゆが染み込んだのを、たっぷりの野菜といただけば、南部地方の厳しい冬もまた、ホカホカに楽しめるというもの。

 刀削麺発祥の山西省は中国屈指の麺処だそうで、冷麺やじゃじゃ麺を擁する岩手県もまた、同様。独特な小麦粉麺料理からしても、両地の麺食文化の根底が、どこかで繋がっているのかも。昨今、国同士が云々いわれるが、こんな風にうまいものをたどり繋がりを見出すことで、相互理解のきっかけにならないだろうか。「食いしん坊外交」、検討の余地あり?


日々是好食…理想のポテトサラダとは

2013年02月26日 | ◆日々是好食

 ジャガイモはしっかりつぶし、マヨネーズ多め、具はキュウリとハムだけでキャベツにニンジンなどはなし。自身が理想とするポテトサラダ像は、母親の味がベースになっているようだ。好物かつ、おふくろの味は、好みのハードルが高く設定されるのか、意外に市販品でピッタリくるものに出会わない。

 そんな話を自宅でもしたのだろう、昨晩食卓にあがったのは、まさにドンピシャ。家内が私の話から再現したそうで、粘りがあるがさほど甘くないキタアカリに、多めのマヨネーズの酸味が効き、キュウリのスライスがシャッキリ、ハムの塩っ気が絶妙のアクセントになっている。

 厳密にはあの味の完全再現ではなく、粒が残り目のジャガイモが少しホクホク、ハムはパストラミでペッパーがピリリとくる。このほうがビールに合うようで、今の自分にはよりうれしい味だ。

 考えてみれば、おふくろの味は子供へ、妻の味は夫へ向けてと、目指す対象も基となる愛情の形も異なる。カレーやハンバーグの付け合わせから酒の肴へと、ちょっと味と形を変えた好物は、移り変わってゆく自身の「家庭の味」の象徴のようにも思えた。


定番店のスタンダード@松屋

2013年02月25日 | 町で見つけた食メモ

 年末年始を粗食で過ごし、仕事始めの昼ごはんは庶民派めしをガッチリ食べたいと、松屋へ。定番の店で食うなら、やっぱりその店のスタンダードといきたい。

 という訳で、築地の合いがけがルーツの労働食、カレギュウ。牛丼側には紅ショウガ、カレー側には福神漬が基本。皆さんの松屋の基本は?


日々是好食…肉屋のコロッケに笑み浮かぶ

2013年02月24日 | ◆日々是好食

 「コロッケはオレを裏切らない。5個も買うとこんな顔(注・満面の笑顔)になってしまう」とは、前川つかさ先生の食マンガ「大東京ビンボー生活マニュアル」の一節。肉屋の店先で、油染みの紙袋からホクホクの湯気が立ち昇る画は、眺めるだけでも「そんな顔」になってしまう。

 最寄り駅前のバス停は肉屋の真横にあり、バス待ち中に香ばしい揚げ物の匂いについ、誘惑されてしまう。嗅ぐだけで衣がカリッ、中が甘くホクホクな食感がリアルに浮かぶのは、目の前でラードで揚げている肉屋ならでは。ガラスケースに揚げたててんこ盛りも、スーパーや惣菜チェーンのパック詰めでは及ばない、魅了されるビジュアルである。

 たまらず、バス待ち列を離れてケースを覗くと、カボチャコロッケが残りひとつ。これは娘のおやつにして、晩御飯のおかずには隣で揚げたてのメンチカツを4つ、購入した。冷めないようにコートの内側に覆ったら、胸元からクリスピーな香りが挑発。我慢我慢ながらもきっと、「あんな顔」になってしまっているんだろうな。


ブッチーネの宇部食材@築地

2013年02月24日 | 町で見つけた食メモ
昨日は久しぶりに築地へ。場外にあるアンテナショップの物販イベントを覗きに行った。ショップ名はその名も、Bucch-ine(ブッチーネ)。山口の方言で「ぶち(すごく)イイネ!」というわけで、宇部市と萩市の魚介をメインに扱っている。この日は「宇部イイねフェア」と題し、宇部元気ブランドに指定された魚介などのPRも兼ねたイベントを展開していた。

宇部は昨秋に訪れており、コンビナートのイメージが強いが、沿岸や周防灘・豊予海峡などで水揚げされる魚介に恵まれた魚どころだ。この日も特産の宇部かまぼこなど加工品をはじめ、宇部市内の漁港で水揚げされた鮮魚が直販されていた。カサゴやレンコダイ、赤貝にトリガイなど、底引きの獲物が中心で、淡泊ながら旨みの濃いレンチョウ(舌ビラメ)は試食してひかれたが、あいにく完売御礼。

鮮魚のほか、地場産の野菜も併売していて、チシャのサラダも試食したら爽やかな草うまさが炸裂。これと、ローカル魚のナルトビエイの唐揚げを買ったら、おまけにお魚クッキーやこれまた名物のひと口饅頭・利休饅頭までサービスしていただいた。

この日は宇部市の職員の方もお手伝いでいらっしゃったそうで、おまけのお礼も兼ねて記念撮影とともにPR。また宇部にも食べに行きますよ。