ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出会い酒@神楽坂

2015年11月21日 | ◆一献一品出合い酒
毘沙門天そばの路地にたたずむ「酒ト壽」にて、明鏡止水純米山田錦垂氷×焼きアナゴ。しもたやの居酒屋でらしい空気感に浸るなら、受け皿付きのグラスでなみなみ溢れる杯に、江戸前筆頭格のローカル魚をあわせての、このコンビが似合う。

遅れて駆けつけ坂を下り、路地へ分け入ればそこは昭和な居酒屋小路。店ではなさげな宅のガラス戸をガラリひけば、そこは酒浄土な別天地が揺蕩うごとくに展開している。駆けつけのホッピーを速攻片付け、本腰の盃はキリッと抜けるキレの酒に。姉さんが傾ける一升瓶の迫力にも、押されず受け止めツイッと含む。スッパリ潔い味わいに頭が切り替わったら、アナゴの尻尾をホクリ。宴の場の江戸湾から面々ゆかりの瀬戸内へ、東西のアナゴ処詣でに舌が舞い飛ぶ一期一会。

美酒と美酒肴に気を大きくもたされ、初心な若輩相手に人の在り方、社会人気質を説く男。そんな風に気を大きく持たせる我が良き友、良き仲間に囲まれて、いずれまたこの街で盃合わせ集いし日を楽しみに。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。

一献一品出合い酒@有楽町

2015年11月16日 | ◆一献一品出合い酒
銀座インズ地下の「ハタハタ屋敷」にて、刈穂純米吟醸×いぶりがっこのマスカルポーネチーズのせ。大仕事を終えての打ち上げの宴なら、酒も肴も所以ある地の店にて地酒と郷土のアテを合わせた、このコンビが似合う。

行く店を特に決めず、ぶらりと足を向けたいつもの地下街。キャラの立った品揃えに惹かれ、秋田ナイトでの飲みで突っ走ってみようか。ハタハタに比内地鶏と進め、後半のさっぱりもので行き着くのは、薫香芳しい田舎なおつけもの。押し込みの強いスモーキーさを、マスカルポーネの純然たる発酵香がからみ、ともに鼻腔へ立ち昇る。米処雪処らしい清廉な辛味の酒は、軽い酔いに緩む背をビッと正させる鋭い切れ味。♪秋田名物八森ハタハタ、続くはおめらだ一期一会。

刊行までのドタバタも、終わってしまえば冗談交じりの酒の肴。10年寿命を延ばすなら、体にいい湯に加えていい酒に素敵な肴かな、と、飲んべなトラベラーの快楽こそが長寿の秘訣とまとめ、嘯き。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。

一献一品出合い酒@新幹線

2015年11月12日 | ◆一献一品出合い酒
こだま号車中にで、トリスクラシック×明治屋おつまみソーセージ。各駅停車で行き当たりバッタリの旅なら、窓辺にのせて揺られるのが道中楽しみでならない、このコンビが似合う。

昼下がりのガラガラ列車は、移動酒場にもってこい。品川過ぎて肴の袋を開け、新横出たらポケビンをパキッとオープンだ。缶にギチギチイメージの明治屋のソーセージは、エッジが落ちて食感がハラリ。ボソッと腰のない頼りなさに、間に合わせ的なアテ感が漂う。持参のトリスをちびり舐めた途端、家でいつもの仕事上がりの安堵。まだ旅のイントロながら、俺流・車中の酒肴ワールドな一期一会。

箱根を越えての車窓には、富士山の黒々した山腹が迫る。じわじわ近づき西日に染まる赤富士が消えると、闇となった窓に映る赤ら顔の男が、客なき車中にぽつねん。一献一品の小さな酒宴、旅愁に天下泰平なり。

一献一品出合い酒@逗子

2015年11月11日 | ◆一献一品出合い酒
逗子海岸駅手前の中華料理「チャイハナ」にて、プレミアムモルツジョッキ×モヤシ炒め。午後の散策後にとりあえず喉を潤すのなら、酒も肴もともにサッと出されるとりあえずな、このコンビが似合う。

切り通しの街から海岸沿いを、バスに揺られて日が暮れて。古都散歩の締めくくりながら、街角中華で普段着の晩酌だ。プレモルジョッキを一気に傾け、天井仰いでハァッ、と感嘆。晩飯前のライトな一皿が、ザクザクシャキシャキと歯ごたえも耳にも心地よいこと。飾りも華もイキもない、身の丈上等な一期一会。

昼飯抜きの空酒が、胃にじわじわ効いてくると、早めの酔いと遅めの空腹がたたみかけて襲来する。店内に響き渡る、地元サラリーマンの退社後酒の嬌声。馴染むような放ったらかされているような、微妙な居心地に腰が据わらぬ、行き当たりバッタリのモヤシ酒。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。

一献一品出合い酒@外苑前

2015年11月11日 | ◆一献一品出合い酒
「五丁目 千 きいろ」にて、三岳水割り×カニクリームコロッケ。久々の仕事仲間の縁をちと頑張っての店選びなら、飯もおかずも酒も美味かった勢いで、その場で予約したお店にての、このコンビが似合う。

雨の外苑前を小走りに駆け込んだ、一昨日からながら馴染みの店。個室に知った顔を見たら、ホッと嬉しさに杯が重なる。話題が南の島となれば、二杯めからは島焼酎。奄美談義を肴に傾ければ、島酒のアクとキレが増長される。アテの揚げ物は店自慢、カラリトロリのハイカラさが、場所柄なりのハイソな洋食か。飾らないけどハイクオリティ、ミスマッチがベストマッチの一期一会。

再会の宴の盛り上がりは、仕事話、地域おこしから、いつしか懐かしネタに。思い入れのスポーツ、見た見たの漫画とくだけていけば、弾け成り行き任せのとりとめなさがまた、楽しのうたかたのひと時。一献一品の小さな酒宴、今宵も天下泰平なり。