暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

だいすき

2008-06-25 | -2008
鮮やかな虫が飛び交っていて
向こうに見える星よりも綺麗で
土には虫の死骸と幼虫がいて
みんな別の死骸を食べていて
分解されたものを微生物が食べて
水と土になれば木々が喜んで
鮮やかな虫は葉っぱを食べて
連鎖に介入する隙なんてなくて
それでも生きていくために虫をつまんで食べて
鮮やかな虫が弾けて散って
かしゃりと音をたてて潰れて
赤い血だまりと灰色の内臓に鮮やかな臓物が垂れて
進化もしないなら生きる必要さえなくて
鮮やかな虫が体の肉をえぐって
結局は連鎖のなかに取り込まれて
きっとさっき死骸になったあの子も悟って
土の上にわざと倒れ込んでみて
耳鼻口瞼肛門性器にまで入り込む虫を黙って見守って
内側と外側から食い破られるのが楽しくて
幼虫が湧いて温床になればいとしくて
木々は遠縁の私の孫だとおもった

2 コメント

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Unknown (891)
2008-06-26 14:53:23
あの遠くに見える星屑さえも
あなたと繋がっていると信じ
悶え苦しむ火蜥蜴さえも
今は流れるあなたの奇跡
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Unknown (鶏卵)
2008-06-26 17:54:30
大気を共有するのならば
何より近しい他人家族
鶏卵より生まれたならば
ただの蜥蜴も火蜥蜴となろう
ひたすらに食い破られ
孫が増えることを望むだけ
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