ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

親子丼?孫丼?

2013年05月16日 | 社会・政治

 英国で37歳の男が12歳の少女を暴行の末殺害した罪で終身刑をくらった、との一報が飛び込んできました。
 これだけならそう珍しい事件ではありません。

 驚くべきは、この男、少女の祖母と恋愛関係にあったとのこと。
 ニュースでは祖母の年齢を明らかにしていませんが、常識的に考えて、50歳は超えていたものと思われます。

 さらに驚くべきは、この男、少女の母親と恋愛関係にあったこともあるそうです。

 母、祖母と恋愛関係にあり、最後は12歳の少女を殺害するとは、まさしく事実は小説より奇なりと言う他ありません。

 また、犯人には児童ポルノを好んでいたということで、そうなると祖母や母と恋愛関係にあったというのも、12歳の少女に近づくための方便であった可能性を否定できません。

 世の中には様々な人間関係があり、私独りの狭い常識でそれを推し量ってはいけないとは分かっているつもりですが、それにしても不可解な人間関係です。

 母と祖母が犯人をめぐって恋敵であり、しかし犯人の真の目的は12歳の孫だったとすれば、母娘のありえない恋敵の関係は、いかにも虚しいものだと言わざるを得ません。
 最初から男は、母も祖母も眼中に無かったというわけですから。

 この母と祖母、それぞれに恋情を抱いていた男が、可愛い12歳の娘、孫を殺害したことをどう思い、どう心に決着を付けるのでしょうか。

 このような複雑な人間関係を経験したことのない私には、全く理解不能です。

 しかし、ここからは私の妄想ですが、娘または孫を殺されてなお、母娘がそれぞれに犯人に恋情を抱き続けてほしいという、無茶な考えを捨て去ることができません。

 
 憎くて仕方ないはずの犯人。
 しかし、恋しくて仕方ない男。

 その倒錯した思いが独りの女に共存するとき、この事件は単なる凄惨な出来事に留まらず、人間精神の激しい運動を示す象徴的な事件となるでしょう。

 12歳という、あまりに幼い死を悼み、冥福を祈りつつ、これからも生きていかなければならない母と祖母の心中に思いを馳せずにはいられません。
 
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獣性

2013年05月16日 | 社会・政治

 橋下大阪市長が戦中の従軍慰安婦について、当時の社会情勢に照らせばやむを得なかった、といった意味の発言をして、国内外から集中砲火を浴びて火だるまになっていますね。

 軍隊と性の問題は洋の東西を問わず、また、時代を問わない古くて新しい問題です。

 屈強な若い兵士が死を賭して戦う戦場においては、しばしば強姦事件が発生し、これをコントロールするために国家は密かに慰安所などを設けてきました。

 一説には、死の危険を感じると、本能的に子孫を残そうとして性欲が高まるのだとか。

 橋下大阪市長の発言は、素朴な思いを素直に述べてしまったということで、内容に間違いはありません。

 ただし、世の中には、思っていても言ってはならないこと、言わないほうが良いことがあります。
 まして、飲み屋でおっさんがしゃべっているのと違って、国内外から注目を集める政治家は、おのれの発言がどういう影響を及ぼすかを考えて、発言は慎重にしなければなりません。
 そういう意味で、このたびの橋下大阪市長の発言は、迂闊というより幼稚だったと思います。
 頑固に言い訳するより、発言を撤回して謝罪した方が良いでしょう。

 何も心から反省する必要はありません。
 形だけ、反省しているふりをすれば良いのです。
 人の内心なんて誰にもわかりませんから。

 数年前、「キャタピラー」という映画がありました。
 戦時中、中国大陸で戦っていた兵士が両手両足を失い、言葉をも失いながら、異常に強い性欲を隠そうともせず、毎夜、寺島しのぶ演じる妻を求めるのです。


 食欲と性欲だけで生きているような、獣性の塊のような男になっていました。

 男の性欲というもの、なかなか厄介なもので、在日米軍の兵士による強姦事件は後を絶ちません。

 単に女性と性交したいというだけでなく、女性を傷めつけたいとか、逆にいじめられたいとか、小学校に上がる前の幼女にしか欲情しないとか、殺人にまで至る加虐でなければ絶頂に達しないとか、同性にしか性欲を感じないとか、性欲の対象はじつに様々で、人間というもの、性欲が崩壊しているかのごとくです。

 酒鬼薔薇聖斗は、殺害した小学生の男の子の生首を見ながらオナニーに耽ったと言うから怖ろしいと言おうか、悪趣味と言おうか。

 私は日々ホラー映画に親しみながら、虫がでたら飛んで逃げ、殺害することもできません。
 また、魚の死体に触れるのが気持ち悪いため、魚を調理することもできません。
 頭でっかちの軟弱者で、よく同居人にからかわれます。
 彼女、魚の死体から内臓を取り出して調理し、平気な顔をして「おいしい」なんて言うのですよねぇ。
 頼もしいかぎりです。

 犯罪行為を犯さなければ性欲が満たされないというのは、じつに哀れというべきで、そういう性癖に生まれなくて本当に良かったと思います。

キャタピラー [DVD]
寺島しのぶ,大西信満,吉澤健,粕谷佳五,増田恵美
ジェネオン・ユニバーサル


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ジュブナイル

2013年05月16日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜はなんだかノスタルジックというか、切ないホラーDVDを鑑賞しました。
 ホラー的要素はありますが、怖くは無く、ホラーと言うよりジュブナイルという感じでした。

 「ザ・ホール」です。

 都会から郊外の一軒家に引っ越した家族。
 シングルマザーと高校生と小学生の男の子の3人家族です。
 兄弟は隣に住む女子高生と仲良くなり、3人でよく遊びます。
 小さな冒険を重ねるうち、家の地下に不思議な扉があり、鍵で施錠されているのを発見。
 好奇心に駆られて扉をあけると、そこには深い穴。
 そこから、3人の少年少女に不可解な現象が現れます。
 その穴は、自分が恐怖に感じていることを現象化させる力を持っていたのです。

 兄弟二人は、父親の暴力を受けて育ったため、父親に恐怖を感じています。
 父親は子どもを虐待した罪で服役中。
 しかし、実際の父親よりも一回り巨大な父親が現れて、兄弟を脅かします。
 少女は、幼い頃親友とジェットコースターに乗っていて事故にあい、親友を喪ったことが心に棘のように突き刺さっています。
 どうしようもない事故だったとはいえ、なんとか助けられたのではないかと、自責の念に捕らわれているのです。
 そのため、亡くなった少女の霊に苦しめられます。

 3人はこの困難に立ち向かい、おのれの精神力を強靭にすることによって、克服していきます。

 母親には、その穴が単なる水道とそのメーターが付いてるようにしか見えません。

 この穴は、子どもや思春期の者だけに見える、言わば青春の幻影だったというわけです。

 昔、私が小学校から中学校にかけて、NHK少年ドラマシリーズというのが放送されていました。
 光瀬龍「夕映え作戦」萩尾望都「11いる!」筒井康隆「七瀬ふたたび」などのSF物を夢中になって観た記憶があります。
 純文学作品を映像化したものも多かったのですが、私はもっぱらSFを好みました。

 「ザ・ホール」には、NHK少年ドラマシリーズに流れていたような、切ない青春の幻影が感じられて、ホラーとしてではなく、少年少女の成長の物語として鑑賞しました。

 童心に帰って、この嘘くさくてちっとも怖くないジュブナイルのようなホラー映画を純粋に楽しめたことは、私の喜びとするところです。

ザ・ホール [DVD]
クリス・マッソグリア,ヘイリー・ベネット,ネイサン・ギャンブル,テリー・ポロ,クイン・ロード
アメイジングD.C.



NHK少年ドラマ・アンソロジーI [DVD]
筒井康隆,光瀬龍
アミューズ・ビデオ



NHK少年ドラマシリーズ アンソロジーII [DVD]
眉村卓,小松左京
アミューズ・ビデオ



NHK少年ドラマシリーズ 少年ドラマアンソロジーIII [DVD]
宮澤賢治,別役実,田波靖男
NHKエンタープライズ



夕ばえ作戦 (ハルキ文庫)
光瀬 龍
角川春樹事務所
11人いる! (小学館文庫)
萩尾 望都
小学館

 

七瀬ふたたび (新潮文庫)
筒井 康隆
新潮社


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