本日2本目のDVD鑑賞は、米国製のホラー映画、「6 TRAP」です。
もう30年くらい経つでしょうか、米国ホラーの大スター、ジェイソンを生んだ13金シリーズの昔から、米国の学園ホラーと言えば、マリファナを吸って大酒を喰らい、セックスに溺れるのが定番となっています。
わが国の学園ホラーにはあり得ない、やりたい放題ぶりです。
いったい米国の高校生は、本当にマリファナや酒やセックスに溺れているのでしょうか。
にわかには信じがたいですねぇ。
わが国は近年、ヲタク文化という新たなカウンター・カルチャーを生み出し、それはもはや世界を席巻しています。
私の知り合いにいわゆるヲタク然とした人はいませんが、漫画が好きだとか、アニメが好きだとか、ゲームが好きだとか言う人はわずかではありますが存在しています。
それらと同様の人々は、世界中にいるやに聞き及びます。
あくまで一般論ですが、ヲタクと言われる人々は、外見がよろしくなく、コミュニケーション能力に欠け、異性にもてないとされているようです。
しかし私は、そういう人を実際に目の当たりにしたことがありません。
そういう人々が世界中にいるとすると、マリファナや酒やセックスに溺れる高校生ばかりが米国に存在するとは、想像しにくいものがあります。
そういえば、かつてTVなどでヲタクの広告塔となった宅八郎さんは、もう50代だそうです。
もはやヲタク文化は若者のものとは言えなくなりましたね。
でもそれは当たり前というか、永遠の繰り返しです。
かつて新人類と言われた若者も50代に達し、それより前、ヒッピーとか言われた人々はもう60台も後半。
気色の悪い平和賛美の歌を歌っていた人々も、もはや老人です。
平和を維持するためには、何よりも強い軍事力を維持することが必要だということは、日本人も含め、世界の常識です。
やられたくなければやられたらやり返す力が必要なことは、猿の子孫たる人類の悲しい宿命です。
思えば、昔の社会党などが、非武装中立などという非人間的なことを唱えて、一定の支持を得ていた理由は、米ソが激しく対立する冷戦構造の下、わが国がぬくぬくと平和を享受し、永遠の冷戦が続くことを望んだからでした。
まぁ、時代に甘えていたのですねぇ。
閑話休題。
この映画、7人の高校生が親が親戚の結婚式で留守にしているという子の家で、一夜、それこそマリファナと酒とセックスのパーティーを繰り広げます。
みな酔って眠ってしまうわけですが、目が覚めてみると、6人が棺桶のような木製の箱に閉じ込められています。
全員がスマート・フォンを持っており、それによって互いの状況を知ります。
ただ一人、箱に閉じ込められなかった女子高生が、ネットなどを駆使して残る6人を救おうと活躍します。
犯人からは、気味の悪い動画メールが。
それによると、ルールは二つ。
親に知らせてはいけないことと、警察に知らせてはいけないこと。
6人は、それぞれ日頃の生活に即した方法で死の恐怖に見舞われます。
唯一の喫煙者の女子高生はガソリンを浴びせられ、焼死の危機。
水泳部の男子高校生は箱に水が溜まっていき、水死の危機。
ぜんそく持ちの女子高生は、土中に箱が埋められ、窒息死の危機。
などなどです。
結果、片足を失って生き残った女子高生を含め、助かったのは3人。
ちょうど50%というわけです。
なかなかスリリングな展開ですが、犯人像が全く見えないのが不満でした。
それがラスト数分で、犯人とその動機が示唆されます。
そのラスト数分に、私は震え上がりました。
人間が如何ともなしがたく持たざるを得ない、憎しみがその理由であり、しかもそれは近親憎悪であるのです。
私は、ある意味冷たい家庭で育ちました。
それは別段両親に愛されなかったという意味ではありません。
他人行儀な、親が子供を小さな大人として尊重するがゆえに、寅さんの家庭に見られるような暑苦しい愛情は無かったという意味で、そのことを知ったのは同居人と暮らし始めてからです。
同居人の両親は、誠に馬鹿馬鹿しい理由でじゃれあいのような喧嘩を繰り返し、私たちがともに暮らし始めて15年、一度も喧嘩していないと知るや、それが離婚の原因になるのではないかと心配するような、奇妙な心性を持った夫婦です。
人が多様であるように、夫婦の在り方も多様。
喧嘩するほど仲が良い夫婦もいれば、喧嘩する理由が無いために喧嘩しない私と同居人のような関係性もありましょう。
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