ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

6TRAP

2013年05月19日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 本日2本目のDVD鑑賞は、米国製のホラー映画、「6 TRAP」です。

 もう30年くらい経つでしょうか、米国ホラーの大スター、ジェイソンを生んだ13金シリーズの昔から、米国の学園ホラーと言えば、マリファナを吸って大酒を喰らい、セックスに溺れるのが定番となっています。
 わが国の学園ホラーにはあり得ない、やりたい放題ぶりです。

 いったい米国の高校生は、本当にマリファナや酒やセックスに溺れているのでしょうか。
 にわかには信じがたいですねぇ。

 わが国は近年、ヲタク文化という新たなカウンター・カルチャーを生み出し、それはもはや世界を席巻しています。
 私の知り合いにいわゆるヲタク然とした人はいませんが、漫画が好きだとか、アニメが好きだとか、ゲームが好きだとか言う人はわずかではありますが存在しています。
 それらと同様の人々は、世界中にいるやに聞き及びます。

 あくまで一般論ですが、ヲタクと言われる人々は、外見がよろしくなく、コミュニケーション能力に欠け、異性にもてないとされているようです。
 しかし私は、そういう人を実際に目の当たりにしたことがありません。
 そういう人々が世界中にいるとすると、マリファナや酒やセックスに溺れる高校生ばかりが米国に存在するとは、想像しにくいものがあります。

 そういえば、かつてTVなどでヲタクの広告塔となった宅八郎さんは、もう50代だそうです。
 もはやヲタク文化は若者のものとは言えなくなりましたね。
 でもそれは当たり前というか、永遠の繰り返しです。
 かつて新人類と言われた若者も50代に達し、それより前、ヒッピーとか言われた人々はもう60台も後半。
 気色の悪い平和賛美の歌を歌っていた人々も、もはや老人です。
 平和を維持するためには、何よりも強い軍事力を維持することが必要だということは、日本人も含め、世界の常識です。
 やられたくなければやられたらやり返す力が必要なことは、猿の子孫たる人類の悲しい宿命です。

 思えば、昔の社会党などが、非武装中立などという非人間的なことを唱えて、一定の支持を得ていた理由は、米ソが激しく対立する冷戦構造の下、わが国がぬくぬくと平和を享受し、永遠の冷戦が続くことを望んだからでした。

 まぁ、時代に甘えていたのですねぇ。

 閑話休題。

 この映画、7人の高校生が親が親戚の結婚式で留守にしているという子の家で、一夜、それこそマリファナと酒とセックスのパーティーを繰り広げます。
 みな酔って眠ってしまうわけですが、目が覚めてみると、6人が棺桶のような木製の箱に閉じ込められています。
 全員がスマート・フォンを持っており、それによって互いの状況を知ります。
 ただ一人、箱に閉じ込められなかった女子高生が、ネットなどを駆使して残る6人を救おうと活躍します。

 犯人からは、気味の悪い動画メールが。
 それによると、ルールは二つ。
 親に知らせてはいけないことと、警察に知らせてはいけないこと。

 6人は、それぞれ日頃の生活に即した方法で死の恐怖に見舞われます。
 唯一の喫煙者の女子高生はガソリンを浴びせられ、焼死の危機。
 水泳部の男子高校生は箱に水が溜まっていき、水死の危機。
 ぜんそく持ちの女子高生は、土中に箱が埋められ、窒息死の危機。
 などなどです。

 結果、片足を失って生き残った女子高生を含め、助かったのは3人。
 ちょうど50%というわけです。

 なかなかスリリングな展開ですが、犯人像が全く見えないのが不満でした。
 それがラスト数分で、犯人とその動機が示唆されます。

 そのラスト数分に、私は震え上がりました。
 人間が如何ともなしがたく持たざるを得ない、憎しみがその理由であり、しかもそれは近親憎悪であるのです。

 私は、ある意味冷たい家庭で育ちました。
 それは別段両親に愛されなかったという意味ではありません。
 他人行儀な、親が子供を小さな大人として尊重するがゆえに、寅さんの家庭に見られるような暑苦しい愛情は無かったという意味で、そのことを知ったのは同居人と暮らし始めてからです。

 同居人の両親は、誠に馬鹿馬鹿しい理由でじゃれあいのような喧嘩を繰り返し、私たちがともに暮らし始めて15年、一度も喧嘩していないと知るや、それが離婚の原因になるのではないかと心配するような、奇妙な心性を持った夫婦です。

 人が多様であるように、夫婦の在り方も多様。
 喧嘩するほど仲が良い夫婦もいれば、喧嘩する理由が無いために喧嘩しない私と同居人のような関係性もありましょう。

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4 FOUR

2013年05月19日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 午後のひと時、DVD鑑賞を楽しみました。
 今日はホラーではなく、サスペンス。

 「4 FOUR」です。

 しかしこの映画、残念ながら物語として破綻しています。
 
 妻の浮気に気付いたお金持ちが、大金をはたいて探偵を雇い、浮気相手の男を拉致して郊外の廃墟で暴力ありの尋問をし、さらには探偵の独断でお金持ちの奥様も拉致して別室にとじこめてある、と言う設定です。
 で、お金持ちが妻を問い詰めるべく妻の所へ行くのですが、探偵は顔にかぶせた袋をとってはいけない、と謎めいたことを忠告します。
 しかし当然ながらお金持ちは袋を取ってしまい、すると奥様とは別人の初めて見る女が椅子に縛られており、この後だらだらと謎の女とお金持ちのやりとりがあります。

 パッケージには大どんでん返しと書いてあって期待したのですが、ネタばれになりますが、じつは謎の女は探偵の奥様で、男も探偵の奥様の浮気相手だった、と言うお話。

 しかもなぜ探偵がすぐばれるようなことをしたのか、全く分かりません。
 強いて言えば、探偵の奥様が稀代の悪女にして凶暴な女だったというのが、少し驚いたくらいでしょうか。

 ちなみにタイトルは、お金持ち、探偵、探偵の奥様、奥様の浮気相手の4人しか登場しないということからきているようです。

 たくさんの作品を観ていれば、残念な作品に当たってしまうこともままあります。
 この映画はすぐに忘れてしまいそうな予感がします。

4 FOUR [DVD]
マーティン・コムストン,クレイグ・コンウェイ,ショーン・パートウィー
アメイジングD.C.

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新型うつ

2013年05月19日 | 精神障害

 最近新型うつという病名をよく聞くようになりました。
 従来のうつ病とは似て非なるもののようです。

 従来のうつ病は中年での発病が多く、生真面目で責任感が強い人に多くみられ、しかも発症を自己の弱さと捉えて自責の念にかられ、職場にいる時はもちろん、休みの日でも、また病気休暇中でも何もやる気が起きず、悶々として時を過ごし、眠っている時以外は憂鬱感や悲哀感から逃れられないのが特徴です。

 一方新型うつは発症を社会や職場のせいにして自責の念を感じることがほとんどなく、職場ではうつ症状を呈しますが休みの日は元気で遊びまわっているのが特徴だそうです。

 また、従来のうつ病は抗うつ薬がよく効くのに対し、新型うつの患者に投与してもほとんど効かないのだとか。

 そうなると、新型うつという名称は不適切であるように感じます。

 うつ病の一種ととらえると、飲み会やレクリエーションの場では元気なことから、周囲から詐病の疑いがかけられ、新型うつの患者は不利益を被りますし、まして抗うつ薬が効かないとなると、そもそもうつ病とは違う新たな精神障害と考えるべきでしょう。

 また、新型うつにはまだ明確な診断基準が確立されておらず、2週間以上不眠気味だとか、出勤できないと言ったことから、無理やり従来のうつ病の範疇として診断したのでは、治るものも治らないのではないでしょうか。

 5年前くらいから20代前半の青年に新型うつに罹患する者が急増し、社会問題化しているようです。

 一部にはゆとり教育の弊害ではないかという意見もあるようですが、それは問題を矮小化しているとしか思えません。
 なんとなれば、教育プログラムは時代や国、地域などで大きく異なり、それによってその度に新たな精神疾患の患者が多数発生するとは考えにくいからです。

 近頃では、会社によっては職場お父さんとか職場お姉さんとかいう奇妙な制度を設け、職場の先輩の中から疑似家族を任命して新人を安心させ、五月病や新型うつの発症を抑えようとしているやに聞き及びます。

 新人といえど就職したその瞬間から一人前の社会人。
 人をあんまり甘やかしたり馬鹿にするような制度は慎むべきでしょう。

 精神障害の場合、あまり理由を考えても仕方ありません。
 ストレスの原因が明白で、それを取り除くことが治癒につながる場合もありますが、一度精神に傷を負うと、原因を取り除いても長く苦しみが続くものですから。

 今は新型うつの定義と診断基準を明確化するとともに、従来のうつ病と混同しない名称を考えることが求められるでしょう。

職場を襲う「新型うつ」
NHK取材班
文藝春秋

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