ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

2011年12月21日 | 文学

 昨日も今朝も路上に停めた車のガラスは、真っ白に凍っていました。

 私はこれを、車屋で買った霜取りのための三角定規のような板で削り落しました。
 削る傍から氷が手に降りかかり、冷たいことこの上ありません。
 車通勤でも手袋が必要ですねぇ。

 雪が降らなくても、公園や畑は霜がおりて真っ白です。
 田んぼがあれば水が凍るんですかねぇ。
 でも公園の池はかろうじて凍っていませんでした。

  葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き夕は 大和し思ほゆ

 「万葉集」
所収の志貴皇子の和歌です。

 葦の生えた水辺を行く鴨の羽に霜が降って、こんな寒い夕暮れには大和のことを思います、といったほどの意かと思います。

 私は冬の鴨を観察したことがありませんが、鴨の羽にも霜が降るんですねぇ。
 鴨にしてみたらたまったものではありません。

 そういえば、極寒の地の映像を見ると、人間の眉毛やひげにもつららが下がっていますもんねぇ。

 寒々した風景を見て想うのは、故郷なのか、都会なのか。

 歌が詠まれた当時は大和が都会だったわけで、志貴皇子にとっては、おそらく都会でもあり故郷でもあり、愛しい我が家が在る暖かい場所なのでしょうねぇ。

 今となっては、寒い景色を見て私が想うのは、東京ではありませんねぇ。
 骨の髄まで千葉県民になったような気がします。

万葉集 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店
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新訂 新訓・万葉集〈上〉 (岩波文庫)
佐佐木 信綱
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新訂 新訓・万葉集〈下〉 (岩波文庫)
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冬の日

2011年12月21日 | 文学
   凍てつくような曇り空が広がっています。

 冬の訪れは急激で、私の精神を冒すためのようにも思われます。
 それでも私は、私のたましいを守らなければなりません。
 長い精神障害の末に、どんな病気であれ、家族も医者もあてにはならぬ、あてになるのはおのれ一人だと知ったからです。

 西脇順三郎「近代の寓話」という詩集があります。
 現代詩を好まない私ですが、この詩集に収められた「冬の日」という詩は、私のたましいの琴線にふれるようです。

或る荒れはてた季節
果てしない心の地平を
さまよい歩いて
さんざしの生垣をめぐらす村へ
迷いこんだ
乞食が犬を煮る焚火から
夏の終わりに薔薇の歌を歌った
男が心の破綻をなげいている
実をとるひよどりは語らない
この村でラムプをつけて勉強するのだ
「ミルトンのように勉強するのだ」と
大学総長らしい天使がささやく
だが梨のような花が藪に咲く頃まで
猟人や釣り人と将棋をさしてしまった
すべてを失った今宵こそ
ささげたい
生垣をめぐり蝶と戯れる人のため
迷って来る魚狗(かわせみ)と人間のため
はてしない女のため
この冬の日のために
高楼のような柄の長いコップに
さんざしの実と涙を入れて           
 

 心が弱ってしまったとき、すべてを失った今宵こそ ささげたい、というフレーズは魅惑的でありながら、暗い欲求を刺激します。

 しかし精神障害発症から、数え切れぬ夜と昼を超えた私は、もはや柔な精神とは無縁です。

 鋼のような精神を身に付けた私は、その鋼に少々の傷がつこうと、びくともするものではありません。

 例え病んだ芸術が私を病者の世界にひきずりこもうとしても。

西脇順三郎詩集 (岩波文庫)
那珂 太郎
岩波書店

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ワイパックス

2011年12月21日 | 精神障害

 頓服で出ている抗不安薬、ワイパックスを飲んで、ゆる~く効いている感じで、落ち着いてきました。
 12月26日の月曜日、都内で会議があり、翌日12月27日(火)にも社内で会議があり、鋭意資料作成中です。

 メンタルの不調を理由に休むわけにはいきません。

 頓服のワイパックス、最近はあんまり飲んでいなかったんですけどねぇ。
 でもこういう時のために出ているのだから、気にせずじゃんじゃん飲みましょう。

 12月が忙しいというのは、別に農繁期のように実際に忙しいというよりも、あらゆる組織、あらゆる個人が、年内に決着をつけたい、と言って頑張っちゃうからなんでしょうねぇ。

 でも人間というもの、年末にせよ年度末にせよ、何か区切りがなければきちんと仕事を済ませられないようにできているのかもしれません。
 
 私たちの職場では年末よりも年度末が正念場。
 これからじわじわ忙しくなっていくんでしょう。
 怖ろしいですねぇ。

 若い頃は年度末決算をお祭り、と呼んでやけくそのようにハイテンションで仕事をしたものですがねぇ。

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おかしい

2011年12月21日 | 精神障害

 今朝起きてから、なにかがおかしいようです。
 心臓はばくばく言い、気持ちは沈み、頭が重いのです。
 ちょうどうつ病を発症したばかりの時のような感じ。
 なぜかはわかりません。
 昨夜も今朝も薬は飲んだし、睡眠もとれています。

 冬季うつというやつでしょうか。
 近頃日が短く、寒い日が続いていますから。

 今日は頓服のワイパックスを飲んで、なんとか一日を、仕事を乗り切りましょう


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