ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

金正日死去

2011年12月19日 | 社会・政治

 北の将軍様、亡くなったそうですね。



 これで金日成、金正日と、2代続けて世襲の独裁者が天寿を全うしました。
 次は三代目の金正恩に代替わりというわけですね。

 しかし北朝鮮と言う国、不思議ですねぇ。

 自由がなくても民主主義がなくても人は耐えられるものですが、食う物がなく、餓死するしかない状況に立ち至れば、力ずくでも食糧を得ようとするものです。
 米騒動然り、打ちこわし然り、逃散然り。
 フランス革命もロシア革命もその根本は食い物を寄こせ、ということ。
 中国共産党があの広い国土を掌握したのも、貧しい農民の支持を受けたからに他なりません。

 しかし北朝鮮の人々は90年代以降たびたび大飢饉に苦しみながら、金王朝を倒そうとしません。

 冷戦終結から二十年、この国の時計は止まっているかのごとくです。

 金正日、多くの疑惑と秘密を抱えたまま、棺桶の人になってしまいました。

 大韓航空機爆破事件、日本人等の拉致事件、ラングーン事件などなど。

 これがきっかけとなって国内に動乱が起こるのか、静かに三代目に権力が移行するのか、今の段階ではわかりませんが、どちらにしてもわが国と地理的に近いだけに不安です。

 動乱ということになれば韓国や日本に難民が押し寄せるでしょうし、権力移譲が成れば核開発の問題が続きます。
 わが国にとってよりマシなのはどういうシナリオでしょうね。

 しばらく北朝鮮から目が離せません。

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文学上の虐待

2011年12月19日 | 文学

 わが国の文学作品中に子どもへの虐待が登場するのは、明治43年の長塚節作、「土」が初めてです。

 
怒鳴りながら彼は突然おつぎを殴った。おつぎは麦の幹とともに倒れた。おつぎは倒れたまましくしくと泣いた。

 
それまではわが国文学中に子どもを殴るという行為は見られません。

 戦国時代の宣教師ルイス・フロイスや明治のお雇い外国人は、日本では子どもへの体罰が見られないことに驚嘆の意を表明していますが、文学上もそれらの指摘と一致しています。

 明治末期になって子どもへの体罰が見られるようになったのはなぜでしょうね。

 欧化政策が当たって、教育にも欧米流の体罰で躾ける流儀が定着したのでしょうか。
 それとも新興帝国主義国家として列強の一角に名を連ねるにあたり、兵士でもある国民を軍隊流の鉄拳制裁でしつけようという風潮が興ったのでしょうか。

 今となってはわかりません。

 しかし子どもへの体罰・虐待は法がこれを禁止しているにも関わらず、一部教師などは愛の鞭だなどと倒錯したセリフを吐いて、これを正当化しています。
 
  大きな間違いです。
 体罰は法律違反なのです。
 許されるのは、生徒が明らかな害意をもって襲ってきた場合に正当防衛としてこれに対する時だけ。

 学級崩壊などで現場の教師たちが疲弊していることには同情を禁じ得ませんが、法律は法律です。

 体罰はさらに虐待にまで進み、精神を病む子どもや、ひどい場合には親に虐待の末殺されてしまう子どもまでいます。

 ここまでいくと躾けとかいう問題ではなく、殺人事件であり、傷害事件です。

 明治末期、わが国の親や教師は時代の要請に従ってパンドラの函を開けてしまったかのごとくです。

 それが平成の御代も24年目になろうとして、怖ろしいほどの勢いで悪化し、日本社会に暗雲を垂れこめさせています。

 明治初期のような、子どもに手を上げるなんてとんでもない、という風潮にまで戻すことは難しいでしょう。

 しかし少なくとも、傷害事件や傷害致死、殺人にまでいたるような極端な虐待については、怖ろしくてできないような社会の目というか常識が必要だと感じます。

 文学作品から子どもへの体罰や虐待の記述が再び消える日が訪れることを期待しています。

土 (新潮文庫)
長塚 節
新潮社

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刑罰

2011年12月19日 | 社会・政治

 先日中国で日本人男性が麻薬取締法違反の罪で死刑判決をうけましたね。
 数年前には同じ罪で日本人への死刑が執行されています。
 おそらくいくら日本政府が抗議しても、死刑は執行されるでしょう。
 中国はアヘン戦争以来、違法薬物には厳罰をもって対処する方針を崩していません。

 なんでも窃盗・売春・贈収賄なども死刑だとか。

 世界の常識では考えられませんねぇ。
 おそらく刑罰に更生の意味はなく、罰だけがあると考えているのでしょうね。

 中国で犯罪を犯す者は命を捨てる覚悟がなければできませんねぇ。
 
 嗤えるのは、偽の薬を製造した者も死刑だとか。
 偽の薬など中国国内にはたくさん出回っているのではないでしょうか。

 なんでも日本に観光旅行に訪れた中国人に対し、ガイドは日本の薬屋には偽物はありません、すべて本物です、と説明すると、歓声が上がるそうです。

 怖ろしい国ですねぇ。

 それだけ厳罰を科す国でも、犯罪が少ないということはありません。
 死刑制度が置かれていることによって凶悪犯罪の発生率が低いということは、少なくとも統計上は認められていません。
 個別具体的な事件では、もしかしたら死刑を怖れて犯罪の実行を断念することがあるのかもしれませんが、それは当のご本人にしかわかりません。

 そういう意味では、中国の異常とも言うべき死刑の乱用は、犯罪防止には役立っていないと言えるでしょう。

 過剰な人口を抱えるがゆえに人の命が軽いのかもしれませんが、中国が世界の大国としてのし上がった以上、刑罰についても世界標準を取り入れる必要があるでしょう。

 翻ってわが国でも、日本弁護士会がつい先日、初めて統一見解として死刑制度の廃止を求める声明を発表しました。

 2007年12月には、国連で初めて全加盟国に死刑執行を一時停止するよう求める決議が可決されました。
 この時、先進国では日米の2カ国のみが反対し、他に中国、北朝鮮、中東諸国などが反対にまわりました。

 死刑廃止は世界の趨勢。
 わが国も四の五の言っていないで世界標準を取り入れたほうが得策だと思うのですがねぇ。

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