迷宮に迷い込んだかのように観る者を幻惑するスペインのホラー・サスペンス「永遠のこどもたち」を鑑賞しました。
生後すぐの赤ん坊を養子に迎えた夫婦。
男の子と夫婦は仲良く日々を暮らしますが、男の子が八歳のとき、すでに廃園となっている妻が育った小さな孤児院を買い取り、再開することにします。
再開準備を進めるなか、息子は広大な海辺の孤児院で、見えない友達とゲームに耽っていることに気づきます。
両親は幼い子どものことなので、空想上の友達と遊んでいるのだと、気にも留めません。
しかし、五人もの空想の友達を作り、彼らとの遊びに惑溺する息子を見て、薄気味悪さを感じ、そんな友達はいないのだと諭しますが、息子は頑として聞き入れません。
そんなある日、息子が行方不明になります。
半狂乱になる母親。
最初は警察を、やがて霊媒師を頼るようになります。
母親は空想の友達が実在する死霊で、彼らが息子をさらったのだと固く信じるようになります。
夫は妻のそんな姿に愛想を尽かし、出て行ってしまいます。
昔の孤児院さながらに、古いインテリア、古い服を持ち出して、五人を呼び出し、息子の行方を知ろうとする母親。
しかしひょんなことから、息子はじつに単純な事故にあって亡くなったことを知るのです。
そこには死霊も超常現象もありません。
単純な事故があるだけです。
しかし、この映画はそれだけでは終りません。
母親は、死んだ息子とその友達たちと、永遠に暮らすことを決意するのです。
永遠の子どもとは、往生できずにこの世をさまよう子どもの死霊。
ピーター・パンとは違います。
重厚な演出、美しい自然、実の息子ではないながら彼を求めて精神を病んでいく母。
よく出来た作品と見えました。
永遠のこどもたち デラックス版 [DVD] | |
ベレン・ルエダ,フェルナンド・カヨ,マベル・リベラ,ジェラルディン・チャップリン | |
ジェネオン エンタテインメント |
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