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てらまち・ねっと



 政権交代の影響の典型の一つ。
 沖縄の八重山地域での教科書問題のトラブルに対して、昨日、文科省の介入が行われた。
 右傾的な「育鵬社」の教科書を採用する自治体に対して、その教科書を採用しないで「自費で別の教科書」を配布する自治体への政府の圧力。

 この教科書問題が発生した時の民主党政権は、別の教科書の採択を「無効とはできない」。
 政権交代して、安倍政権は違法状態だとして「竹富町に採択のやり直しを要求」。

 以前にもブログでとりあげた。
 まず、前提の理解のために、一部を再掲。
   
 以前のブログは2011年12月19日 ⇒ ◆育鵬社版の教科書押しつけで八重山住民が反発/教科書検定/採択制度
 ● 育鵬社 
        「新しい歴史教科書をつくる会から袂を別った『教科書改善の会』が新たに出版する教科書の版元として、
         2007年8月1日に設立した。扶桑社の100パーセント出資の子会社」(ウィキペディア

 ● 東京書籍 
        「日本における教科書出版の最大手として有名だが、ほかにも学習参考書やそれ以外の一般書籍も多く出版するなど、
         事業領域は幅広い。凸版印刷グループの連結決算対象企業。」(ウィキペディア


 そこで、今日は最近の状況を観ておく。
 地元の沖縄タイムスは、
  ★ 「竹富町教委の採択には何の瑕疵(かし)もない。文科省は地方教育行政にこれ以上の混乱を引き起こしてはならない。」とし、
 琉球新報は、
  ★ 「(沖縄県教委は)23日に開かれる教育委員会の会議で県の対応を協議する。
   諸見里明県教育長は18日、『文科相からの是正要求の指示は残念な思いだが、重く受け止める』とのコメントを発表。」

 とりあえずは、県教委の判断待ち。
 なお、最近のことを簡潔にまとめた THE PAGE(ザ・ページ)への「沖縄・八重山の教科書問題って何?/いきさつと論点はが」がわかりやすいので最初に記録。
 以下、報道などを記録。

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 ●沖縄・八重山の教科書問題って何?/いきさつと論点は
        THE PAGE(ザ・ページ)2013.10.9
[図表] 沖縄・八重山の教科書問題

 沖縄県の石垣市と八重山郡(竹富町、与那国町)の3市町で構成される八重山地区では、3市町の間で中学公民教科書の採択結果が割れ、竹富町のみ国の無償給付でない教科書が使われています。文部科学省は竹富町に対し、地方自治法に基づく是正要求を出す方針を固めました。何が、どういう経緯で問題になっているのでしょうか。

 問題の発端は、2011年夏にさかのぼります。八重山地区では、使用教科書を検討する採択地区協議会が育鵬社版の採択を答申し、石垣市と与那国町はこれに従いました。
しかし竹富町は「手順がおかしく、答申にも法的拘束力はない」として東京書籍版の教科書を独自に採択。無償給付されないため、教科書を寄付金で購入し、使用しているのです。

 保守色が強いとされる育鵬社の教科書をめぐっては、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどとして、同県内で反発の声が上がった経緯もありました。

背景に法律の矛盾も
 こうした問題が起こる背景には、法律の矛盾もあります。教科書無償措置法は近隣市区町村でつくる「採択地区」内では同じ教科書を使うと定めていますが、地方教育行政法は各市町村に採択権限を与えているからです。竹富町の教育委員会も地方教育行政法を根拠に東京書籍版を選択しました。

 国の是正要求は教育行政としては初めての措置で、地方の教科書選定をめぐって国が法的措置に踏み切るという異例の事態になると報道されています。竹富町が是正要求に従わない場合は、文科省が違法確認訴訟の提起も検討するとも言われており、地元紙などでは「教育に対するあからさまな政治介入というほかなく、文科省は是正要求の方針を直ちに撤回すべきだ」(10/3付、沖縄タイムス社説)などと批判されています。

 この教科書問題が発生した時の民主党政権は、「竹富町の採択を無効とはできない」という考えを示していました。しかし、自民党の安倍政権は違法状態を認めず、竹富町に採択のやり直しを求めてきました。

 愛国心を育む教育などで「美しい国」づくりを目指す安倍政権にとって、竹富町が採択を拒否した保守色の強い「育鵬社」と、すでに同町が配布した「東京書籍」の教科書のどちらが望ましいかについて、記者からの質問を受けた下村文科相は、「コメントする立場にない」と述べ、言及を避けたと伝えられています。



●教科書:「竹富教委に是正要求を」文科相、県教委に指示
            毎日新聞 2013年10月18日
 中学の公民教科書を巡り、沖縄県竹富町教育委員会が八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)の決定に反して別の教科書を使用している問題で、下村博文文部科学相は18日、地方自治法に基づき、沖縄県教委に対して、竹富町教委に是正要求を出すよう指示した。
 同法に基づく是正要求は、過去に住民基本台帳ネットワークシステムに参加しなかった東京都国立市と福島県矢祭町に出された2009年の2例だけで、教育行政に関しては初めて。

 八重山地区協は11年8月、教科書無償措置法に基づき、保守色の強い育鵬(いくほう)社の公民教科書を採択し、1市2町の中学校で使うことを決めた。
しかし、竹富町は地方教育行政法が教科書の採択権限を地元教委に与えていることを根拠に「沖縄の米軍基地問題の記述が少ない」などとして同意せず、国の無償措置の対象から外れたため、同町の中学校は12、13年度、寄付金で購入した東京書籍の教科書を使用している。

こうした状況について、下村文科相は「違法状態にある」とし、今年3月には当時の義家弘介政務官を同町に派遣したほか、沖縄県教委を通じて繰り返し「育鵬社版教科書を使うよう」指導してきたが、同町は応じていなかった。

 文科省が今年9月中旬、来年度に使用する教科書の需要数を集約したところ、竹富町が来年度も同様の対応を取ることが判明し、是正要求の指示に踏み切った。

 下村文科相は18日の閣議後記者会見で「来年は(採択ルールが)より明確に(なるよう、法律の)改正も考えたい」と述べた。【福田隆】

 ◇解説 二つの法律に隙間
 竹富町教委の教科書問題では、教科書の採択権を定めた「地方教育行政法」と、無償配布の根拠となる「教科書無償措置法」の二つの法律間に「隙間(すきま)」があることが、事態を泥沼化させた。

 地教行法は、教委の職務権限として「教科書の取り扱い」を定め、採択権があることを定義している。
ところが、教科書無償措置法は、採択地区が八重山のように複数の市町村で構成される場合、協議して同一の教科書を採択するよう求めている。地域の教員が共同研究をしやすいことや子供が地区内で転校しても教科書が変わらないことなどが理由とされる。
だが、教委の意見が食い違った場合の解決ルールはない。
二つの法律は一体的に運用されることが前提で、今回の竹富町のような対応は想定外だった。

地方自治法上の是正要求に罰則規定はない。応じない場合、手続き上は違法確認訴訟を起こすことができるが「国による地方教育への過度な介入」との批判が出る可能性もある。今後も文科省、沖縄県教委、竹富町教委の協議が続くとみられるが、法律のちぐはぐさを解決しない限り同じ問題が起きる可能性がある。【福田隆】


●竹富町の教科書で是正要求を指示 文科相、教育行政で初
          2013/10/18 14:25 【共同通信】
 下村博文文部科学相は18日、沖縄県竹富町教育委員会が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう沖縄県教委に指示した。竹富町は採択地区協議会が選んだ育鵬社版中学公民教科書の使用を拒んでいる。

 地方自治法に基づいて国が教育行政に是正要求を発動するのは初めて。教科書無償措置法は採択地区内で同じ教科書を使うよう定めており、文科省は竹富町が違法状態にあると判断した。
県教委は23日に会議を開いて是正要求について協議する。

●文科省、教科書採択で初の是正要求 沖縄・竹富町に
          朝日 2013年10月18日
 【岡雄一郎】沖縄県八重山地区の3市町で異なる中学公民教科書が使われている問題で、文部科学省は18日、2市町と別の教科書を使う竹富町に対し、地方自治法に基づく是正要求をするよう県教育委員会に指示した。教育行政では初の措置。教科書選定をめぐり国が法的措置をとる異例の事態になった。

 下村博文文科相は同日午前、記者会見で「教科書採択は教科書無償措置法に基づく必要がある。再三の指導でも改まらないため、是正要求の指示が必要と判断した」と述べた。

 地方自治法によると、文科省の指示を受けた沖縄県教委は、竹富町に他の2市町と同じ教科書の採択を要求することとされている。
しかし、従わなくても罰則はなく、国の指示に不服があれば、30日以内に国の「国地方係争処理委員会」に審査を申し出られる。
県教委がどちらの措置もとらなかった場合、文科省が直接、是正要求をしたり、県教委に対して違法確認訴訟を起こしたりする可能性もある。

●社説[教科書是正要求]教育に政治介入するな
     沖縄タイムス  2013年10月3日
 八重山地区の3市町で中学公民教科書が一本化されていないことについて、文部科学省が竹富町教委に、地方自治法に基づく是正要求をする方針であることが分かった。
 教育に対するあからさまな政治介入というほかなく、文科省は是正要求の方針を直ちに撤回すべきだ。

 石垣、竹富、与那国の3市町で構成する八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)は2011年8月、「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社版を選定し、3市町教委に答申した。協議会の答申に強制力はない。竹富町教委は東京書籍版を採択した。

 下村博文文部科学相は記者会見で「違法状態が継続している」と竹富町教委に地方自治法に基づく是正要求も含めた措置をとる意向を示した。
 下村氏は、竹富町教委と県教委に対し、地区協議会の選定結果に基づいて教科書を採択するよう「指導」してきたと説明したが、そもそも地区協議会の選定手続きには正当性が認められない。

 役員会を経ずに教科書調査員を委嘱したり、教科書の順位付けを廃止したりするなどした。地区協議会は調査員の推薦がなかったにもかかわらず育鵬社版を選定した。玉津氏主導の不透明で強引な手法をみると、最初から育鵬社版の選定に向けて手続きを進めていたことが明らかだ。

 9月末まで文科政務官だった義家弘介参院議員は3月、竹富町教委を訪ね、育鵬社版に改めるよう強く迫った。慶田盛安三教育長はきっぱり拒否した。竹富町の教科書は寄付金で賄われ、来年度も東京書籍版を使用する意向である。玉津氏の指南役だったのが義家氏である。

    ■    ■
 混乱を招いた源は教科書採択をめぐる二つの法律の矛盾にある。地方教育行政法は、教科書の採択権限は各教委にあると規定する一方で、教科書無償措置法は、同一採択地区内では同じ教科書を使うよう定めているからである。
 二つの法律は、今回の八重山地区のケースのように異なる結果を想定していない。

 文科省が法律の矛盾の解消に努めることなく放置する自身の怠慢を棚に上げながら、竹富町教委に育鵬社版の採択を迫るのは、全く筋が通らない。
 地方自治法に基づく是正要求に罰則はないが、ことし3月施行の改正地方自治法で、従わない自治体に対し、国が違法確認訴訟を起こすことが可能になった。

 文科省がこの手法を選択するのであれば、離島の小さな町の教育行政に露骨に圧力をかけることになる。暴挙と言わざるを得ない。

    ■    ■
 教育への政治介入はあってはならないことはいうまでもない。圧力や押し付けは、民主的な教育現場からは最もかけ離れた行為だ。
 政治介入によって被害を受けるのは竹富町の生徒たちであり、教師である。文科省には生徒たちのことが念頭にあるのだろうか。
 竹富町教委の採択には何の瑕疵(かし)もない。文科省は地方教育行政にこれ以上の混乱を引き起こしてはならない。

●下村文科相「ルール守るべき」 県教委に是正要求指示
        【琉球新報電子版】 2013年10月18日
 【東京】下村博文文部科学相は18日、八重山採択地区協議会が答申した中学公民教科書と別の教科書を採択した竹富町教育委員会の決定が教科書無償措置法に違反しているとして、是正を要求するよう県教育委員会に指示した。政府が地方自治法に基づいて教育行政に是正要求を発動するのは初めて。下村氏は「再三にわたって指導、助言をしてきた。法治国家としてのルールを守ってほしい」と述べた。

 是正要求をした場合、自治体側に対応を見直す義務が生じるが、従わなくても罰則はない。

 竹富町が拒否した教科書は保守色が強い育鵬社版。育鵬社版の教科書は沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどの批判がある。

 下村氏は「来年度以降、同じ問題が起こらないように法律の明確化を併せて検討したい」と述べ、無償措置法を改定する考えを示した。

 一方、県義務教育課は文科省教科書課から同日午前、メールで是正要求の文書を発送したとの報告を受けた。
23日に開かれる教育委員会の会議で県の対応を協議する。諸見里明県教育長は18日、「文科相からの是正要求の指示は残念な思いだが、重く受け止める」とのコメントを発表した。

  それなりに状況をまとめているページ
 ● 軍隊のいない「八重山」とアジアとの共生を
     自衛隊の八重山・宮古への配備に反対します。軍隊のいない平和な島に自衛隊・米軍はいらない!

●教科書問題:都教育委6人に住民監査請求 市民団体
          毎日新聞 2013年10月17日
 東京都教育委員会が特定の日本史教科書を選定しないよう各都立高校に通知した問題で、琉球大の高嶋伸欣(のぶよし)名誉教授(教育学)ら市民団体のメンバー327人が17日、教育委員6人に報酬の一部返還を求める住民監査請求を起こした。

 都教委は6月27日の定例委員会で、実教出版の日本史教科書に国旗国家法を巡り不適切な記述があるとの見解をまとめ、各校に通知した。請求ではこうした行為が憲法の規定する学問の自由や教育を受ける権利を侵害したとしている。【和田浩幸】


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