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てらまち・ねっと



 ここのところ、学校のPTA会費の使い道が問題になっている。
 ”公”の学校の経費や、備品、修繕などに使われている、という問題だ。

 10年ほど前、ここのまちで、学校のPTAが資源回収(いわゆる廃品回収)で得た収益がたくさんあるところ、
 その使い道が学校の備品などだった、ということで議会で交通整理したことがある。
 しかも、この収益は、表の会計に記載されない別の会計、二重会計のような処理。

 今回は、全国的な話題になっている。
 それで、現況など、関連情報を記録しておく。
 
 今回の発端は、ことし3月の参院決算委員会で、沖縄の県立高校で早朝講座を担った教員にPTA会費の一部が支払われていたことが問題になったことらしい(この経緯や地元の報道はブログ末に、まとめて記録)。
 読売新聞は、自社調査として
  「茨城、愛知、大阪、大分など少なくとも14府県の府県立学校約200校で過去5年間に、
   本来公費で賄うべき校舎修繕費や教員の手当などにPTA会費といった保護者徴収金を支出していた」
 としている。

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●PTA会費、学校経費に流用…14府県200校
           4月 5th, 2012 by 読売ニュースランキング/(2012年4月6日08時46分 読売新聞)
 茨城、愛知、大阪、大分など少なくとも14府県の府県立学校約200校で過去5年間に、本来公費で賄うべき校舎修繕費や教員の手当などにPTA会費といった保護者徴収金を支出していたことが読売新聞社の調べでわかった。

 今も支出が続くケースがあり、「学校設置者が学校経費を負担する」と定めた学校教育法などに違反する可能性がある。文部科学省は「学校は法の趣旨に沿い、公費と(PTA会計などの)私費を区別すべきだ」としている。

 PTA会費などの「校舎修繕費」への流用は茨城、愛知、和歌山、岡山、大分の5県であった。茨城県では2009年度の包括外部監査で県立高2校で判明し、県教委は10年6月、適正な処理を県内各校に通知した。

 「教員ら関係者への手当、研修・出張・交通費など」には群馬、滋賀、和歌山、岡山、徳島、香川、愛媛、大分、沖縄の9県で保護者徴収金が使われていた。沖縄県の5県立高では始業前補習の担当教員にPTA会費から手当が支給されていた。

●PTA費、学校運営に流用 12府県市の監査で改善要求監査で指摘された使途例
           朝陽 2012年5月10日
 大阪府や名古屋市など12の府県・政令指定市の一部の公立高校が、保護者らから集めた金を公費の代わりに学校経費に充てたとして、2007~11年度の県や市の監査で改善を求められていたことが朝日新聞の調べで分かった。PTA会費や後援会費といった学校徴収金を校舎修繕費や教職員手当などに充てていた。こうした実態を問題視し、文部科学省も9日、全国調査に乗り出した。

 学校の経費は、学校教育法で「設置者(府県や市)の負担」とされる。負担の範囲について、文科省の担当者は「給与や施設の建設・修繕など学校本来の役割に必要な経費」と説明する。

 朝日新聞は、市立高校のない相模原市を除く全66の都道府県・政令指定市の教育委員会に07~11年度の公立高校の学校徴収金について尋ねた。その結果、12府県・市の監査で、使途を示して「公費負担すべきだ」などと指摘されていた。

●市立中でPTA会費流用…保護者が返還請求
        2012年5月9日 読売新聞
 大阪府岸和田市北部にある市立中学校で2009~11年度、保護者から集めたPTA会費がグラウンド整備費や教員出張費に流用されていたことが、同市教委の調べでわかった。
私費の学校経費への流用は学校教育法などに違反する恐れがあり、市教委は「不適切な支出で、対応を検討する」としている。流用額は少なくとも約82万円に上るという。PTAはこのうち確認の取れた約40万円の返還を当時の校長に請求している。

 PTA会費などの保護者徴収金の不適切支出は、これまで和歌山、大阪など14府県の府県立高校で発覚しているが、義務教育の場である公立中学校でも行われていた。

 PTAによると、今年2月、使途をチェックするため、役員らが領収書などを調べていて流用が判明。グラウンドの砂や土の購入費が3年間で約34万円、部活動の教員旅費は11年度分だけで約17万円あった。ほかに研修会の講師謝金に1万円、校舎の窓ガラス修繕代に約8000円など、確認できた費目だけで約82万円になったという。

 同校のPTA会費は1世帯当たり年間1万円。1年で約600万円が集まり、慣例で校長と教頭が管理している。

 PTAは4月、流用が確認できた砂や土の購入費などの計約40万円の返還を求める文書を前校長(3月に退職)に送った。前校長はこれまで返還に応じていないという。PTAは、残る約42万円についても請求するかどうかを検討する。

 PTA役員の男性は「学校側を信用して会計を任せていたが、領収書を見たら知らない支出ばかりだった」と話している。

 返還請求などを受け、市教委は8日、4月に着任した現在の校長らから事情を聞いたところ、校長らはPTA会費から支出があったと認めた。市教委は、学校側から、部活の教員旅費はPTAの理解を得ているとの説明を受けたが、「いずれの支出も問題があると考えている。市の予算で賄っていると思っていた」としている。

 前校長は取材に対し、家族を通じて「何も話すことはない」としている。現在の校長は「支出した経緯について引き継ぎはなく、わからない」と話している。



●PTA会費で出張旅費立て替え/07年度、善通寺西高
         四国 2012/05/11 09:36
 2009年3月に閉校になった善通寺西高が07年度、PTA会費3 件で教員5人分の県外出張旅費約10万円を立て替えていたことが10日、分かった。

 県教委によると、立て替えた金額は07年度末までに、県費でPTA会費3 件を補てんしたという。09年の県の監査で指摘を受けたもので、県教委では翌年、旅費や需用費などにかかる公費とPTA会費3 件などの私費の支出基準について区分表を作成し、各高校に指導した。

 県高校教育課では「これからも各高校に支出基準の区分表に基づき会計処理するよう、徹底を図っていく」としている。

●中国地方でもPTA会費充当
         中国 2012.5.11
 学校が保護者から集めたPTA会費を早朝授業の謝礼に充てていたことが沖縄県で分かり、文部科学省が全国調査に乗り出している。中国地方でも、山口県立高などの保護者から集めた金が樹木の手入れなどの費用に回り、県監査委員は改善を求めている。岡山、島根両県でもエアコン購入などに充てられていた。線引きが難しいPTA会費の使い道が問い直されそうだ。

 山口県監査委員が2011年度の報告で改善を促したのは、県立高などがPTA会費と一緒に毎月徴収する教育後援会費。24校が、樹木の手入れ▽防球ネットの補修整備費▽学校案内の印刷費―などに計615万円を使ったのに対し、「県費を充てるのが適当。適正な保護者の負担に努める必要がある」とした。

 県教委によると、同窓会が校内に記念植樹したものもあるという。教育政策課は「保護者の了解も得ており問題はない」と話す。

 中国地方5県と2政令指定都市の教育委員会は、文科省の要請を受け調査を進める。

 各教委への取材によると、岡山県で教室のエアコン購入費や休日の部活動の引率教員への交通費に充てたケースがあった。島根県でも10、11年度にエアコン購入費や防球ネットの修繕費に回した例が3校あった。両県教委は保護者の了承を得たことなどを理由に「適切だった」とする。

 広島、鳥取両県と広島、岡山両市の各教委はPTA会費で学校の経費を肩代わりした例はないと答えた。
 学校教育法によると、学校の経費は県や市などの設置者が負担するとされるが、学校の経費の具体的な内容を示す規定はない。

●PTA会費の使途などを県教委一斉調査へ
         2012年 5月10日
PTA会費などの流用問題で、県教委が実態調査へ。大分県では今年3月、行政監査でPTA会費が教職員の名刺作成代に充てられるなど、適正に処理されていないことが指摘されました。
こうした問題が全国的にも相次いでいることから、国は全国に調査を依頼。県教委は来週早々にも県立学校の65校すべてを対象に、一斉調査に乗りだすことにしました。

今回の調査は、過去5年間を対象に、学校の管理運営費や教員が行う「補習」への報酬としてPTA会費が不適正に充てられていなかったかなどの実態が調べられます。
県の監査では、校長室のカーテン購入費や卒業証書の氏名書きの報酬などに、PTA会費が充てらていたことが明らかになり、県教委は今年4月に検討委員会を立ち上げ、見直しを進めています。

●PTA会費など180万円着服で事務員免職
           日刊スポーツ ・ 共同 [2012年5月9日21時43分]
 北海道教育委員会は9日、教材費やPTA会費の約180万円を着服したとして、苫小牧市立中学の男性事務職員(44)を懲戒免職処分とした。

 不正を知りながら市教委に報告しなかったとして、当時の校長(57)を減給10分の1(1カ月)、現在の校長(57)も戒告の懲戒処分とした。

 道教委によると、男性は2008年9月~09年12月、保護者が納めた教材費を管理する学校名義の口座から現金を引き出すなどして計約180万円を横領した。調査に「飲食費に使った」と話し、既に弁済している。

 現在の校長が10年4月に着任し、経理を調べ不正に気付いた。「市教委に報告すると男性が処分される。弁済したのでもう1度チャンスを与えたい」と、不正があった当時の校長に話し、2人は報告しなかった。



●検証 PTA 会費流用  <下>「統一基準作りたい」 西下・県教育長に聞く
      (2012年4月8日 読売新聞)
 県立高校のPTA会費の流用について、西下博通・県教育長が読売新聞のインタビューに応じた。出張旅費や修繕費などさまざまな使途に充てられた点やPTA事務を学校側が担っている点などに関して、西下教育長は「誤解を招くところはあった。実態把握をして統一的な基準を作りたい」と話した。

 ――今回の問題をどう捉えているか。

 PTA会費については、会員の善意の下で、学校との信頼関係を前提に、子どもを第一に考えて使わせていただいた経緯がある。しかし、長年の慣行で保護者の誤解を招くようなことがあった。それは適切ではない。

 ――PTA会費を学校が徴収しているのか。

 いろんな手続きの問題があり、PTAから委託されている学校もあるかもしれない。

 ――学校職員がPTAの会計を担当していることについては。

 公務に準ずるものとして、県高等学校規則に明記するなど、位置づけを明確にする方向で検討している。

 ――学校がPTA会費を自由に使えてしまわないか。

 それはない。PTAの役員会と総会には諮っている。PTAの方が使いたいと言ってくることはあっても、学校から使いたいと言うことはない。

 ――教員の出張に使っていることについては。

 公費の分と、親の意向から支出されるPTA会費の分を精査して、誤解を招かないようにしたい。

 ――説明責任があいまいになっていないか。

 公費と私費をきちんと明確にして、県として統一的な基準を示していく。県民に理解いただけるようにしたい。

 ――今後の対策は。

 PTAの組織や会費についてきっちりと説明責任を果たす。出来るだけ早く学校全体の実態を把握し、きっちりと対応していく。

 ――すぐに基準は示せるか。

 PTAと学校と一体になっているから、グレーな部分は出てくるし、それを白黒はっきり分けるのはなかなか難しい。環境を良くしたいという親の願いと学校の思いが交差している中で調査をしていく。

 ――PTAは学校にとってどういう存在か。

 保護者と先生が、子どものため、特色のある教育をしていくために力を合わせていく組織。子どもを育てることは地域を育てていくことにつながる。

 ――保護者の思いをどうくみ取っていくか。

 いろんな指摘をいただいているが、基本的なスタンスは、子ども、地域、和歌山を元気にすること。前向きに教育環境をよくするために何ができるか考えたい。

(この連載は、辻和洋が担当しました
     ◇
 西下博通(にしした・ひろみち)氏 広島大教育学部卒。県教委で学校教育課長や教育企画室長を歴任し、県立那賀高校長、私立開智中学校・高校の校長を務めた。2011年4月、県教育長に就任。

●起きるPTA会費流用、甘い使途チェック
        (2012年4月9日 読売新聞
 和歌山市内のある県立高校では2010年度、教員の出張の回数は約1500回、経費は約500万円に上った。うち約100万円分はPTA会費から流用したという。

 事務職員は「悪いと思っているが、12月には県費はなくなった。予算が足りない」と明かす。

 運営に必要な経費は、各学校に配分された県費を充てるのが原則。県教委幹部は「学校側から、予算が足りないという具体的な声はほとんどない」と説明する。

 県立高校の事務長経験者によると、PTAが学校側へ会計事務を委任しているため、校舎の修繕などにPTA会費を比較的簡単に使うことができ、予算不足を乗り切ったという。

 企業や官公庁では通常、予算が足りなければ出費を精査して節約し、なお足りなければ必死に予算を要求する。学校現場に詳しい県関係者は「PTA会計へ依存する中、学校はこうした努力を怠ってきたのではないか」と懸念する。


 PTA会費の使途のチェックも、県費に比べて甘い。県中部にある県立高校のPTAで会計監査を務めた保護者の男性は、毎年1度、決算資料に目を通したが、領収書や通帳は見たことがなかった。「よく分からないが学校を信頼して印を押していた」と話す。

 こうした状況に、玉川大教職大学院の小松郁夫教授(学校経営学)は「学校がPTA会費を使いやすい環境は『事故』の温床にもなっている」と警鐘を鳴らす。

 昨年、愛知県立高校の事務職員がPTA会費など約2000万円を着服したとして業務上横領容疑で逮捕された。島根県でも2009年、県立高校の事務長がPTA会費など約2100万円を横領、実刑判決を受けるなど、全国で相次いで不祥事が発覚している。

 流用が明るみに出た後、県教委は、PTA会費について「学校側が勝手に使うことはない」としているが、使途や手続きについてのマニュアルなどは作成していないという。

 東京都教委は1981年、都立学校長に対し、法令に基づいた職務遂行を求め、「学校運営にかかる経費は議会の議決を経た予算により執行するのが当然」として、PTA会計などに依存しないよう要請。出張費について、PTA会計から支給を受けることを禁じるなど具体的に指示している。今回の流用に関して、「違法性はない」とする県教委の姿勢と対照的だ。

 「教育のために会費を使うのは仕方ない」と語る保護者もいる。だが子どもがルールを学ぶ場でもある学校現場で、保護者がやり繰りして捻出した会費を便利な財布のように使い、法令違反の可能性が指摘される状況を放置していいのか。関係者は一層の緊張感を持つことが求められている。

 ●PTA会費で教員に「裏手当」 沖縄の県立高校
         産経 2012.3.9 23:12
 沖縄県内の県立高校で、早朝や放課後などに生徒指導にあたる教員の手当として保護者からのPTA会費をあてていることが分かった。
自民党の義家弘介氏が9日の参院決算委員会で取り上げ「公益を害する裏手当だ」と追及。文部科学省は調査する考えを示した。

 義家氏は学校関係者からの情報をもとに質問した。
それによると、ある高校では昭和61年からPTA主催の「ゼロ校時」(早朝講座)として、教員が学力向上などを目的に通常の授業以外の指導を実施。早朝講座担当の教員に3000円が手当として支給されている。個別指導や夏季講座など項目ごとに額が定められ、遅刻指導や週末の模試監督にも各1000円が支払われている。

 公立学校の教員は職務の性質上、「時間外」の認定が難しく、時間外勤務手当がない。その代わり月給に4%上乗せした「教職調整額」などの手当がある。

PTA側は実態が不透明だとして2月に学校側の説明を求めたが、教員側は「生徒が深夜徘徊(はいかい)する」「大学合格者が減る」と手当廃止に反発。「無料の指導」も拒んだという。

 平野博文文部科学相は「(沖縄県)教育委員会が許可すれば可能だ。PTAが集めたお金をどう支出するかに、いかんと言うべきではない」と問題視しない考えを示した。ただ、同省の布村幸彦初等中等教育局長は「教育委員会から事情を聴きたい」と答えた。

 学校関係者は「沖縄県内の高校ではゼロ校時が多く導入され、年間億単位の金額が教職員側へと支払われていると思われる」としている。

 また、義家氏は日本教職員組合(日教組)出身の神本美恵子文科政務官の後援会事務所が日教組本部と同じ建物内にあるのは不適切だと批判した。野田佳彦首相は「本部に事務所があるのとは違う」と述べた。

●文科省通知:保護者歓迎 高教組は懸念
     沖縄タイムス 2012年5月10日 09時34分
 早朝講座(ゼロ校時)の報酬(授業料)は不適切とした文部科学省の通知。3月に国会で取り上げられて以降、県教育庁は4月に授業料の受領を止め、対応を検討しているが、今回の文科省通知については「届き次第、中身を精査したい」と慎重姿勢。今月中旬に検討委員会を発足させ、議論を進める考えだ。一方、報酬受領を問題視する保護者有志は文科省通知を歓迎、高教組側は「時期尚早」と懸念。関係者の受け止め方が割れた。(儀間多美子、新垣晃視)

 文科省は「教科書を使った通常授業と同様の形式」や「1時間目の前など勤務時間と区別があいまいなケース」を不適切と判断。

 県教育庁はこうした問題点についても認識し、内部で議論してきた。「内容を踏まえ、生徒への希望調査を徹底するなど保護者に誤解のないような形の枠組みをつくりたい」(同庁幹部)と実態を踏まえ、慎重に方針を決める考えだ。

 一方、県教育庁へ公開質問状を出した県立高校保護者有志の会のメンバーは「同省の通知は予想通りのもの」と評価。PTA会費から報酬が支払われていることに「正当な形とはいえず、適切な状況に戻ることを求めたい」とする。

 ただ、「ゼロ校時をやめてほしいわけではない」とも話し、教員の身分保障や生徒の学力向上の必要性を踏まえた対応を教育行政へ求めている。

 高教組の玉那覇哲委員長は教師の立場から「ゼロ校は明らかに勤務時間外の授業であり、同省の通知は不適切であり時期尚早」と指摘。「沖縄の現状や状況をしっかりと踏まえ、対応する必要があるのではないか」と拙速な議論に警戒している。

13県が保護者負担 本紙調査
 県立高校のゼロ校時など平日の時間外講座について、少なくとも沖縄を含む13県がPTA会費などから教員に報酬を出していることが本紙調べで分かった。一方で「金銭のやりとりは禁止」「時間外はボランティア」など、13都道府県が無報酬。ほか「全て公務の範囲」など時間外講座の考え方がない自治体が10県、「詳細はよく分からない」など報酬の有無を把握していない自治体もあった。

 時間外講座で報酬を出している自治体は青森や静岡、鳥取などのほか九州に集中。その際「受けたい人が受講料を払う」(愛知)、「PTA主催の時間外講座などは、地公法に基づき報酬を許可」(徳島)、「PTA内に○○高校補習会をつくり、支払う仕組み」(佐賀)と対応はまちまちだった。

 一方、報酬なしは北海道や山口、三重など。「以前に問題となり、講師料・監督料を受領しないよう通知した」(北海道)、「課外講座は無報酬。土日はPTAなどが依頼する形で報酬を出す」(長野)、「PTA会費で支払わないようマニュアルを作った」(広島)との回答があった。

 ほか「ゼロ校時はほとんどない」(岩手)、「全て公務内」(香川)、「時間内に終わることが基本」(愛媛)と時間外講座の考え方がない自治体もあった。

 調査は沖縄をのぞく46都道府県の教育委員会に電話で聞き、9日までに42都道府県から回答を得た。

●[ゼロ校時報酬]基地返還と絡めず検討を
          沖縄タイムス 2012年5月11日 09時42分
 文部科学省は、早朝講座(ゼロ校時)などで教員が報酬(授業料)を得るのは不適切との見解を全国の教育委員会に通知した。
ことし3月の県調査では、45校の県立高校で早朝講座や放課後の課外授業などで教員に報酬が支払われており、県内の学校現場に与える影響は大きい。


 文科省の通知は、ことし3月の参院決算委員会で、義家弘介氏(自民)が沖縄の県立高校で早朝講座を担った教員にPTA会費の一部が支払われていたことを問題視したことが発端だ。

 県内の県立高校で行われてきたゼロ校時の報酬問題に対応するもので、教科書を使った通常授業と同じような形式の場合や1時間目の前など勤務時間と区別があいまいなケースを不適切としている。

 ただ、全国でゼロ校時をめぐる報酬支払いの実態はばらばらだ。本紙の調べでは沖縄を含む13県がPTA会費などから報酬を出しているが、13都道府県は無報酬で、時間外講座の考え方がない自治体もある。

 全国一律の通知で解決できる問題ではなく、各自治体や学校現場が抱える課題も複雑多岐にわたる。

 通知に従って無報酬とした場合、ゼロ校時の継続には教員のボランティアに頼らざるを得なくなるが、ただでさえ厳しい勤務実態に照らせば現実的ではない。ゼロ校時の存続が難しくなれば、学校現場の混乱を招きかねない。

 県教育委員会の対応が難しいことは理解できるが、結論を急ぐべきではない。現場の実情を踏まえ、慎重に判断すべきだろう。

 もともと、ゼロ校時は学力向上対策の一環として始まった。長年慣行的に続いており、教員の肉体的、精神的負担の大きさは想像に難くない。教員など学校関係者の熱意に支えられてきたことは紛れもない事実で、早朝から生徒と向き合う教員にPTAが報酬を支払ってきた。県内の多くの学校関係者はゼロ校時の必要性を認めており、存続を望む声も強い。

 県教委は、文科省の通知が県内の学校現場を萎縮させたり、教員の意欲を失わせないように配慮すべきだろう。学校現場の混乱を招いたり教員、保護者に悪影響を及ぼすようなことになればまさに本末転倒だ。

 むしろ、教員や学校関係者の熱意に頼ってきた県内の学力向上対策のあり方について幅広く議論するきっかけにしたい。

 ゼロ校時の報酬問題の背景の一つには、厳しい財政状況で教育予算が十分に確保できないことがある。課外授業にかかる人件費では賄えないため、PTA会費で報酬を支払わざるを得ないような事情があったからだ。

 ゼロ校時などの課外授業は沖縄だけでなく、全国で実施されている。文科省はなぜ、課外授業が恒常化しているか、学力向上との兼ね合いをどう保つべきかなど高校教育の在り方も今後議論すべきではないか。

 よりよい教育環境をつくるため、国の積極的な取り組みが問われている。

●社説 高校ゼロ校時 存続へ納得のいく結論を
        琉球新報 2012年5月11日
 「ゼロ校時」と呼ばれる早朝授業などで教員が報酬を得ることについて、文部科学省が「不適切」との見解を全国の教育委員会に通知した。県教委は保護者の要望にも応えられる改善策を早急に打ち出す必要がある。
 今回文科省が「不適切」としたのは、教科書を使った通常授業と同じような形式の場合や、1時間目の前など勤務時間との区別があいまいなケースだ。一方、PTAの依頼による土日の特別講習などは容認し、教育公務員特例法に基づく兼職の届け出が必要としている。

 通常の授業の延長線である早朝講座は兼職に当たらないとの文科省の判断は、当然といえば当然だ。県教委や学校側は、勤務体制の恒常的変更となる早朝講座を、何ら手続きを取らないまま行ってきた。保護者からの要望が強かったとの理由は、法的には通用しない。対応を批判されても仕方がないだろう。

 一方で、保護者からは早朝講座そのものを否定する意見は聞こえてこないことも見落としてはならない。
重要なのは、現在教員の報酬受け取りを停止したまま続けられている早朝講座を、今後どのような形で存続させていくかにある。

 生徒のため情熱を持って学力向上に取り組む多くの教員がいる。毎朝子どもを送り出している保護者たちも、講座の対応に追われる教員の心身の負担を理解しているはずだ。「報酬目当て」との批判はあまりに一方的だ。「使命感があれば無報酬で行え」と教員に求めることが妥当と言えるだろうか。

 文科省は今回早朝講座における教員の報酬が「不適切」と判断したが、その際の適切な教員への処遇については何ら見解を示していない。早朝講座以外の選択肢や、公教育の在り方など、もっと踏み込んだ指摘があってもよかった。
 全国に比べ立ち遅れている児童生徒の学力向上は、県の重要な課題だ。早朝講座が必要というのであれば、PTA会費からの支出でなく、公費で早出残業手当を給付するのが筋ではないか。
 今月中には、有識者や学校長、保護者代表らをメンバーに、早朝講座の在り方を話し合う検討委員会が立ち上がる。早朝講座の報酬をめぐる法律上の問題点をクリアした上で、「生徒の学力向上」を第一に、保護者や教員、県民が納得のできる結論を導き出してほしい。



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コメント
 
 
 
不正受給や闇手当 (香菜子先生)
2017-04-24 21:15:11
不正受給や闇手当、絶対に許せない。まじめに一生懸命やっている先生が報われず、ずるをして不正受給や闇手当をもらっている先生が得をする。間違っている。
 
 
 
たいへん (●てらまち)
2017-05-08 04:37:20
実質は勤務時間の峻別なしの大変な職場。とはいえ、ルール違反は別の問題。
 
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