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てらまち・ねっと



 三重県議会は、議会改革を活発に進めている。
 最近では、「議会に有識者による付属機関を設置する」と発表。
 おもしろいと見ている。
 他方で、総務省は「地方自治法に設置の根拠となる規定がない」などと否定的な見解を示すなど、話題を呼んでいる。

 ところで、フェロシルト問題のキッカケになった三重県リサイクル条例、これは議員提案で作っていたものだけど、それを今回改正するという。

 今度の2月議会で、これまで規則で定められていた特別管理廃棄物や空間放射線量率が0.14μGy/hを超えるものを再生資源等から除外する規定を、条例自体に明記する改正案を議員提出するという。
 一見、よさそうに受け取れる。
 でも、トリックがある。

 特別管理廃棄物」を利用したものを「リサイクル製品から除く」と条例本文に明記しながら、『運用』において『中間処理した特別管理廃棄物はリサイクルできる』とする。
 議決し公表する条例の裏で何でも出来てしまう。
 フェロシルト事件の反省 無し。

 そして、パブリックコメントの募集は、昨年末から今年1月に実施、県議会のホームページ上だけで周知し、寄せられた意見はゼロ。

 次のトリック。
 パプリックコメント時には「案」として記されず、寄せられた意見として取り入れたものでもないのに、改正案検討の最終日である2009年1月30日の検証検討会で初めて改正案に盛り込まれたのが、「空間放射線量率が0.14μGy/hを超えるもの」とする基準。
 誰かが裏で糸を引かなければこんなことはできないし、そもそも「しない」。

 新聞報道で、条例改正を知って県議会に申し入れ(兼松さんの段取り)。

 しかし、議会は、もう、原案を決めたからこのまま行くという突っ走り。

 そのあたりの経過を下記にデータ整理する。
 おりしも、今日13日の10時から議会全員協議会で説明されるらしい。
 インターネットでライブ中継される。

 ともかく、三重県の行政もそうだけど、議会も含めて、石原産業を初めとする企業にとても甘い。
 公害を容認、受任してきた歴史が、制度としてまた更新される雰囲気。

 なお、昨日、三重県の産廃問題に関して、石原産業がらみで、「みみより」な情報が伝わってきた。

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今日2月13日(金) 10時から 
三重県議会の全員協議会 ライブ中継

  ⇒  平成21年度当初予算に係る説明について 外1件

● 三重県議会改革検証へ 「付属機関設置を」 議長が意向 「規定がない」総務省否定的  2009年2月3日 読売新聞

● 三重大学の児玉克哉さんは 2009年02月04日 改革の三重県議会  で、両論を述べている。
「 最近の三重県は『改革派』のイメージはすっかり消え、ほとんど動きのない状態になっています。三重県政を『負の遺産からの目立たないが地道な修正』と見るか『10年前への後戻り』とみるかは、分かれるところでしょう。まあいずれにしても県政が面白さを失い、県民も、県職員もしらけてきたのは確かです。
 しかし、三重県議会は、いろいろな改革を打ち出しています。・・・
 しかし、それでも三重県議会が初めて外部からなる付属機関を設置しようというのは大いに評価したい・・・(略)・・」

三重県リサイクル製品利用推進条例改正についての要望書

   提出版
                      2009年2月9日
三重県議会議長 萩野 虔一 様
議員提出条例に係る検証検討会座長 西塚 宗郎 様
議 員 各 位        
                  四日市再生「公害市民塾」
                  RDFを考える会
                  「瀬戸市にこれ以上産廃はいらない」会
                瀬戸市の問題を考える市民ネットワーク
             くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク
               放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜
 来る2月議会において、三重県リサイクル製品利用推進条例につき、これまで規則で定められていた特別管理廃棄物や空間放射線量率が0.14μGy/hを超えるものを再生資源等から除外する規定を、条例自体に明記する改正案を議員提出予定と報道にて知りました。

 報道では、フェロシルト問題で議会の議決責任を認める文言を提案説明に盛り込むとも伝えられています。

 議決責任を重く受け止めて、議員提出条例の検証を行う取り組みに期待します。

 報道の様子からは、今回の改正はあたかも望ましいことのように見えます。しかし、私たちは「フェロシルト」と同じく体内被ばく等が配慮されないままチタン廃棄物のリサイクル・不法投棄の推進の役割を果たすのではないかと強く危惧します。
 2006年3月14日付、市民団体提出の抗議文・要望書を添付します(別添-1)。

 私たちの危惧する点は以下です。

1.再生資源等の除外規定における、空間放射線量率の基準「0.14μGy/hを超えるもの」との記述はそれ以下の数値の放射性廃棄物のリサイクル推進の根拠となるが、この基準はリサイクルを可能とする基準ではない。

(1) 本条例が根拠としているのは、「チタン鉱石問題に係る検討の結果と今後の対応について」(1991年5月30日科学技術庁原子力安全局チタン鉱石問題検討会報告)及び、「チタン鉱石問題検討会報告」です。この報告をもとに1991年6月6日に、科学技術庁、厚生省、通商産業省、労働省が関係府県に要請した「チタン鉱石問題に関する対応方針」(以下「対応方針」)も、ウランやトリウムを含むチタン廃棄物に起因する空間放射線量率が0.14μGy/hを超えないものに限って例外として管理型処分場に処分できるとしているのみです(別添-2「対応方針」)。リサイクルを想定した値ではありません。
 当然、廃棄物処理法では現在も放射性物質及びこれによって汚染された物を除くことが明記され、国の「資源の有効な利用の促進に関する法律」でも第2条に「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。」と明記しています。

(2) その上、対応方針の数値は法律で定めたものではありません。それを利用して石原産業が数値を超えたアイアンクレーを産廃処分場に搬入しても、罰則もなく、回収指導すらできない現実を三重県と三重県議会はご承知のはずです(別添-3 ①2008年5月29日記事、②同年6月22日記事、③同年8月8日付 国四省の三重県に対する「助言」、④同年11月18日市民団体申入書、⑤同年11月19日記事)。石原産業の対応で、対応方針は既に破綻しており、かえってチタン廃棄物の不法投棄をもたらしていることが明確になりました。

(3) そもそも対応方針は、チタン廃棄物がリサイクルされ流通した先々で、人々がチタン廃棄物に密着したり吸い込んだり飲み込んだりすることまでを想定して安全性を担保したものではありません。そのため、対応方針では、廃棄物から1m離れたところでγ線のみを測定し、その数値が0.14μGy/hを超えなければよいと定めるだけです。α線やβ線、ラドンガスの影響、体内被ばくの影響については何ら考慮されていません。

(4) しかし、チタン廃棄物が再生資源として用いられ流通すれば、流通先での使用方法まで監視が行き届かないのは「フェロシルト」事件で明らかです。「フェロシルト」は認定の際に条件としてつけられた「覆土」でさえも守られることはありませんでした。三重県では不法投棄されたフェロシルトでこどもたちが泥遊びをし、愛知県では地域住民がフェロシルトの泥にはまりながらひまわりを育てる活動をするなどの被害もありました。

(5) これら危惧する点があるにもかかわらず、本改正をこのまま進めるのであれば、第二第三の「フェロシルト」を推進することになり、将来に禍根を残します。

2.「特別管理廃棄物」を利用したものを「リサイクル製品から除く」と条例本文に明記しながら、中間処理した特別管理廃棄物はリサイクルできるという運用のあり方について。

(1) 特別管理廃棄物は有害性が高く、特別な処理基準が設定され単なる産業廃棄物より厳しい規制が定められています。有害物質をコントロールできず、投棄先で更なる有害物質が発生し、環境を汚染したのが「フェロシルト」です。

(2) 「フェロシルト」の教訓から本条例の見直しを図っている議会が、運用で中間処理した特別管理廃棄物のリサイクルの推進を認めるべきではありません。

3.本条例改正案のパプリックコメントのありかたについて
 (1) 本件につきパブリックコメントの募集を2008年12月20日〜2009年1月19日の間実施され県議会のホームページ上だけで周知し、寄せられた意見はゼロだったそうですが、検証検討会はそれで良しと判断されたとも伺いました。
 議会事務局によれば、トップページの「注目情報」にパブリックコメント募集を載せて意見を募ったが、終了後は改正案も募集の案内も削除したので、議会ホームページ上に記録が残っていないとのことでした。

 (2) 後日、議会事務局に依頼してFAXを受けたパブリックコメント「三重県リサイクル製品利用推進条例の改正概要」には、「特別管理廃棄物を利用して生産又は加工されたもの等は、リサイクル製品から除くこととします。このことについて条文上整理します」とあるのみで、条例を実質的に動かす運用に係る規定が全く示されていません。

(3) ところが実態としては2で述べたように、中間処理した特別管理廃棄物はリサイクルできるという運用が認められています。運用を示さないのは恣意的です。条文と具体的な運用が併せて示されてこそ、実態に即した理解や意見が生まれます。

 (4) いずれにしても、貴議会自らが重要な課題として本条例の改正に取り組み、議決責任も明確にしようとお考えであるならば、条例改正にあたっては、ひろく意見を募るべきであると考えます。
 
(5) また、議会事務局に確認したところ「0.14μGy/hを超えるもの」とする基準は、パプリックコメント時には記されておらず、寄せられた意見として取り入れたものでもなく、本改正案検討の最終日である2009年1月30日の検証検討会で初めて改正案に盛り込まれたとのことです。パプリックコメント時に記載されていない重要な条件が、意見を受けたわけでもなく突然追加されることは、パプリックコメントを無にする行為です。
 明らかに、議会が独自に盛り込んだ部分です。

(6) このように手続上問題のある形で追加された「0.14μGy/hを超えるもの」の規定は、この観点からも削除すべきです。
 
 以上のことから、下記の点について再度検討いただくとともに、あらためて広く周知し十分な期間をもってのパブリックコメントを募集した上で、本条例改正につき判断をされますよう要望いたします。
要望事項

1.条例改正にあたり、再生資源等の除外規定として「毎時〇・一四マイクログレイを超えるもの」とする規定を取り止め、代わりに「チタン鉱石問題に関する対応方針」で規定するチタン廃棄物の除外を明記すること。また、チタン鉱石と同様に、自然放射性物質の規制について国が検討中で法的規制のないものも再生資源等から除外することを明記すること。

2.特別管理廃棄物を再生資源等から除外する規定を条例本文に明記しながら、その運用において中間処理した特別管理廃棄物は再生資源等として認めるなど安易に特別管理廃棄物のリサイクルを認めるのであれば条文の主旨を損ないます。運用上もそれを認めないことを担保すること。

3.今回の改正案についてのパブリックコメントの手続には問題があるのでやり直すこと。
 パブリックコメントにかかわる記録が削除され検証できない状況を改善すること。
 パブリックコメントには条文だけでなく、運用も併せて示すこと。
 パブリックコメント募集時の改正案やそれに対する意見にもない重要な文言をパブリックコメント終了後に入れるのであれば、再度パブリックコメントを実施すべきである。
以上
この件についての連絡先
             放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜 
 資料
別添-1 抗議文
別添-2 対応方針
別添-3
    ① 記事
    ② 記事
    ③ 国の助言
    ④ 2008.11.18申しいれ
    ⑤  資料
  消えたパブコメ


●三重県議会 議員提出条例に係る検証検討会
「平成20年6月30日に、「社会情勢の変化等を勘案し、議員提出条例について検証を行う」ことを目的として、各会派から選出された委員11名をもって組織されました。」 
    三重県議会 議員提出条例に係る検証検討会

●第1回議員提出条例に係る検証検討会 概要版 未定稿
 日時:H20.6.30(月)15:11―15:31
      (略)
●第10 回議員提出条例に係る検証検討会 概要版  日時:H20.11.26(水)10:05―11:45
  第10回 議員提出条例に係る検証検討会 事項書
  資料3 三重県リサイクル製品利用推進条例の一部改正に対する意見募集(パブリックコメント)(案)  
      
● 石原産業 産廃排出3年で半減へ  アイアンクレー 作業工程を変更 讀賣新聞 2009年1月28日記事
化学メーカー・石原産業(大阪市)が、三重県四日市市の四日市工場から年間約10万トン排出される産業廃棄物「アイアンクレー」を、今後3年間で半減させる計画を進めていることがわかった。読売新聞の取材に、織田健造社長が明らかにした。同社は今年3月までにまとめる今後10年間の事業計画に、半減に向けた具体策を盛り込む方針だ。

 アイアンクレーは、塗料の原料などに使われる「酸化チタン」の生産過程で出る。同社は少なくとも1991年から2006年まで、空間放射線量率のデータを改ざんして不正に埋め立てるなどしたことが県の調査で判明、排出量の削減が課題になっていた。

 同社は、酸化チタン事業のあり方についてプロジェクトチームを発足させ、硫酸よりも塩酸を使う製法の方が排出量を減らせるとして、作業工程などの切り替えを進めている。

 織田社長は「内部チェックを強化し、安全性も確保する」と話している。

 一方、同工場は27日、昨年10月から始めた工場内46か所のボーリング調査で、地下水から最大で環境基準の420倍のヒ素など11種類、土壌から6種類の環境基準を超える有害物質を検出したと発表した。同工場は過去に使っていた化学原料が原因とみて調査を続けると共に、県や市などに報告し、指導を受けるとしている。

● 兼松さんの れんげ通信ブログ版 では。
 塩素法に切り替え?! 石原産業の酸化チタン製法 
讀賣新聞 中部本社 2009年1月28日の記事に、石原産業がアイアンクレー半減のために、塩素法への切り替えを検討しているとの記事が載りました。
 塩素法に切り替えることは私たちも強く希望していたので早期実現を願っています。

 塩素法に切り替えの時期は記事だけではつかみきれないので、直接確認してみます。
 石原産業のこれまでの行状、硫酸法による廃棄物のリサイクルを検討している石原産業(本ブログ2008年12月18日の 水酸化鉄を資源化の記事参照)、社長が切りは替えには費用がかかり研究段階と2008年10月に語っていたことから、簡単に製造工程を変更するとも、にわかには信じがたいものがあります。

 ともあれ、硫酸法では硫酸を中和するために炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、苛性ソーダなどを大量に入れる必要はなく、廃棄物も少なくなります。
 塩素法に切り替えても、チタン鉱石は放射線量率の低いものを選ぶことが、大前提です。

【追 記】2009年2月5日  
 石原産業は酸化チタンに特化した10年計画を今年度末までに立てる。
 その計画の中で、酸化チタンの製法あり方や廃棄物の半減などについて検討する。
  (2009年2月2日石原産業 広報グーループリーダーの方に確認。)
  ということで、塩素法への完全切り替えは、まだまだ先になりそうです。
 ・・・・・・・(略)・・・・・・・・  
  原因究明とその後の公害対策に深く関わられた研究者や、釣りを介して神岡鉱業と話し合いを継続してきた方の話しを聞くにつけ、四日市公害の原因企業の一社である石原産業の非常に遅れた対応、それを許してきた行政の甘さを痛感します。

コメント ( 4 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
Unknown (児玉克哉)
2009-02-13 12:58:32
ブログまで取り上げて下さり、有り難うございます。
三重県議会の様々な動向も、このようにいろいろなところで批評される様になったこと自体、大きな進歩です。昔のように、ほとんど誰も知らないところで大プロジェクトが決まっていた時代からは大きな発展です。情報公開の程度とそれに対する住民の参加度がこれからの行政のポイントになります。
 
 
 
住民が試される時代 (●てらまち)
2009-02-14 09:23:09
★児玉克哉さん、おはようございます。

>ブログまで取り上げて下さり、有り難うございます。

 以前にも紹介させていただいたことがありました(笑)

>三重県議会の様々な動向も、このようにいろいろなところで批評される様になったこと自体、大きな進歩です。

⇒可もなく不可もなく・・では、それ自体恥ずかしいことだということを、多くの議会に知ってほしいですね。

>昔のように、ほとんど誰も知らないところで大プロジェクトが決まっていた時代からは大きな発展です。

⇒そうですね。

>情報公開の程度とそれに対する住民の参加度がこれからの行政のポイントになります。

⇒情報公開がすすんで行くと、住民は「知らなかった」とはいえないので、まさに「住民が試されていく時代」ですね。
 
 
 
昨年の「中日」「読売」「毎日」の記事ほか (タカマサ)
2010-01-05 12:10:42
てらまちさん

ごぶさたしております。
先日、石原産業関連で検索をかけておりましたら、
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20091222/CK2009122202000016.html
http://mainichi.jp/area/mie/news/20091222ddlk24040199000c.html
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_kan/kan091222_13.htm
などの記事にきづきました。

四日市工場周辺だけの環境評価などをやっても、それでおわりとはとてもおもえません。
おもいたって石原産業のページにあたっていましたら、http://www.iskweb.co.jp/feroshilt/index.html
というページでは、42箇所で撤去完了とうたっています。こんなことが原理的にありえるでしょうか?
 
 
 
現実 (●てらまち)
2010-01-06 08:48:05
★タカマサさん、おはようございます。
お久しぶりです。

>四日市工場周辺だけの環境評価などをやっても

⇒あの工場の敷地内は、調べればいっぱい、いろんなものが出てくるのではないでしょうか。
 規制があっても、平気で勝手にやっていたから、自社地内では治外法権の認識だったでしょう。

>原理的にありえるでしょうか

⇒形式的に、不法投棄地から相当程度は除いた、それは一応いえるのでは。
 厳密に見れば、流れ出しているでしょうけど。
 まさか第三のところに内緒で投棄はしていないと思うので、敷地内に積んでいるのではないでしょうか。
 
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