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てらまち・ねっと



 岐阜県知事選挙は1月8日告示でした。
 15日に立候補者2人に公開質問書を発送しました。
 県政にはいろんな課題があるけど、今回は忙しくて・・・

 そんな中の質問。  目的は、
 「今後4年間は、高レベル放射性廃棄物処分の文献調査地区確保のためにNUMO、国、電気事業者などが必死になる時期です。超深地層研究所を抱えた岐阜県知事候補者が高レベル放射性廃棄物処分場にどのような考えを持っているのか知るため」(まとめてくれた兼松さんの記)
  
 回答は、21日まで、指定でお願いしました。
 回答が出たので、22日に報道機関に配布、インターネットにも載せます。

 なお、別の観点。
 自治体の長や議員、国会議員らの選挙のときに『候補者アンケート』『公開質問』などしたいけど、と思うことは少なくありません。
 こういうとき、選管に相談して「やめた方がいいですよ」とか「できません」とかいわれて、自粛してしまう人たちが少なくありません。

 一般的に、いろいろなことの変革は、「自粛」でなく「それでもやる」という行動によって進んできました。

 ともかく、選挙の告示前でも、告示後の選挙期間中であっても、質問はでき、かつ回答は公開することもできます。インターネットに出しても、マスコミに出しても、街頭で配ってもかまいません。

 もちろん、特定候補者を応援する目的ではないこと、これは前提となる絶対条件です。その質問をする人たちの活動の目的や意図、メンバーなどが特定候補を応援しているととられないこと、ここには注意が要ります。
 公表の際のコメントも、特定の人を応援するように誤解されるような表現はしないように気をつけることは必要です。

 そのあたりのことの整理。

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●まず、選挙前や期間中の質問と公表について
 たとえば、次のような記事、つまり、選管や住民、学者の考えがまかり通っている。

●【統一地方選2007】 町議選出馬予定者アンケート ネット掲載に公選法の壁 愛知・長久手 中日 2007年4月21日  
 愛知県長久手町の市民団体「長久手まちづくり研究会」が、町議選立候補予定者へのアンケートの結果をネット上に掲載し、町選挙管理委員会に可否を問い合わせたところ、選管が1960(昭和35)年の旧自治省通知をもとに「差し控えた方が適当」と回答。結局、公表を中断したことが分かった。会では「多くの人に投票の参考にしてほしかったが、選管の指摘は重い」と会のメーリングリスト(約100人)で紹介するにとどめた。識者からは公職選挙法自体の問題点を指摘する声もあがっている。

 同会は昨年初め、愛知万博のボランティアや学識者、芸術家や退職者など地元の有志ら約30人で「町の活性化を図ろう」と発足した。

 アンケートは「候補者について有権者が得られる情報が少ない」と企画し、「(イメージする)『良い町』とは」「現時点で町の問題は」など5項目について質問。会独自に立候補予定者の連絡先を調べ、判明した約15人(出馬予定の現職全12人を含む)に2月下旬、用紙を郵送し6人から回答があった。一方、17日の告示には定数20に26人が届け出た。

 回答は順次、ネット上の会員制サイト「ミクシィ」内で公表するとともに、町選管に問題が無いか問い合わせた。選管は3月8日、「内容によっては利害誘導にあたる恐れがあり、差し控えた方が適当」と文書で回答。これを受け公表を中止した。

 町選管は取材に対し「具体的な行為が違法か適法かを(選管が)判断する立場にはないが、自治省選挙部編集の実例判例集に基づいて回答した」としている。総務省も「具体的な事例については答えられない」と話す。

 研究会を主宰する男性(61)は「利害誘導の意図などあるわけがない。4年間の町政を託す人を、たった数日で、選挙公報とポスターの情報だけで決めろというのは無理な話。市民の側から開かれた選挙を目指しても、違反の恐れがあると言われれば自粛せざるを得ない」と話している。

◆法整備への論議を
 <総務省の「IT時代の選挙運動に関する研究会」の座長を務めた東大法学部の蒲島郁夫教授(政治学)の話> 地方選では立候補者の情報がとりわけ少ないのでインターネットによる情報発信は積極的にするべきだが、法律が整備されていないのが現状。ネットと選挙運動について政治が真剣に議論する必要がある。

◆根本的見直し必要
 <名古屋大大学院の後房雄教授(行政学)の話> 違法かどうかは本来、司法の判断だが、現実的には選管に頼らざるを得ない。公選法は半世紀以上前にできた法律で、本来自由でいいはずのことを禁止するなど時代錯誤の法律。公選法の根本的な見直しが必要になっているという好例だ。

【メモ】
 <1960(昭和35)年の旧自治省通知> 旧自治省選挙局長から各都道府県選管にあてた通知。「(圧力団体等が)たとえ全候補者に公平にアンケートを求めたとしても、選挙人または団体の会員との特殊な直接利害関係を利用する利害誘導の周旋または勧誘にあたるおそれが多いので、さしひかえるようご指導いただきたい」としている。

 <公選法の利害誘導罪> (3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金)  221条第2号 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対しその者(略)に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の直接利害関係を利用して誘導をしたとき。


 くれぐれも、上記の新聞記事にある内容を真に受けないように。

 次のように静止されたという話も聞きます。

「 理由は、候補者間で公平を欠く(元議員でない候補者は届出が遅く、選管の審査も遅れるので、当然当方による氏名・住所の把握が遅れて候補へはアンケート発出時が遅れる、あるいは欠ける)、また、候補者個人名をHPに掲載するのは、これも公平の点また選挙管理上の問題があり 」 というのです。

 また、次のような話もありました。

 「当地の選管は、特に、候補者個人名をHP上に出すことについてこだわっている様子」

 「数年前にある監査請求をした時、選挙の時期が迫っているので、早く(3ケ月前頃に)請求を出して欲しいと言われた(関連する候補者への影響を心配してか?)」・・・・

 とても、信じられません。
 それらはいずれも、道義的なことの評価の観点の問題であって、公職選挙法上の問題ではありません。

 分かりやすい例で言うと、7.8年程前だったか岐阜県内の首長選挙のときに、ある市の選管が「できない」と止めたことがありました。それを受けた岐阜県選管は、次の主旨のことを明らかにしました。

 →  各種のアンケートや質問状の公表について、
   選挙の告示後であっても、当該選挙のいずれの候補者とも特定の関係がない人たちや団体が行うものである限りは、印刷物を配布することやインターネット上に掲載すること、報道機関に提供することなどは公職選挙法に抵触しない
 ←

 もちろん、結果公表の時の公平さは不可欠なことです。
 やはり、「選挙」のことですから。
 しかし、法を逸脱して過剰に規制しようとする行政は飛び越えて行きたいですね。

●次に、具体的に今、選挙期間中の岐阜県知事選に関して

 (参考 公開質問書は  ◆知事選/岐阜は公開質問出した/秋田・現職と新人女性の一騎打ち/千葉・民主は推薦取消・自民は自主投票 )

 話をまとめてくれた兼松さんの報告は、
    HP ⇒ 高レベル処分に関わる 2009年 岐阜市民団体の動き
    ブログ ⇒ 1月23日 「知事候補者の回答とコメント 」

回答と私たちのコメント、対照表には以下からどうぞ
  ◆  木下候補の回答そのまま PDF版    回答とコメント 木下候補 ワード版

  ◆ 古田候補の回答そのまま PDF版    回答とコメント 古田候補 ワード版

  ◆ 比較対照表 PDF版    比較対照表 ワード版

岐阜県知事候補者の回答と理由・意見(回答受付順)
 1月15日発送 21日締め切り
 2009年1月8日告示、1月25日投票
 岐阜県知事選立候補者アンケート
 高レベル放射性廃棄物処分地関連
 木下一彦候補(新人・共産推薦) 古田肇候補(現職・1期)


 ◆ 木下氏  2009年1月20日 回答
1.高レベル放射性廃棄物処分地の県条例制定について・・・制定すべきだ
理由・意見 「岐阜県に高レベル放射性廃棄物を持ち込むことを禁止する条例を制定します」という公約を私は掲げています。高レベル放射性廃棄物の処分地を公募しても、調査地域さえ確保できない状況下で、核のゴミを「地層処分」する政府の方針を実現しようとすれば、電源三法交付金を受け取り、地層処分「研究」のための施設を持っている地域を処分地にすればよいという世論を広げ、その圧力で地層処分の「研究施設」を受け入れている自治体に「処分地」を受け入れさせていくほかに実現の道はないでしょう。この点で、地層処分「研究施設」を持っている県と市の首長は、 県民・市民のいのちと健康、安全、環境を守ろうとするならば. 「わが自治体が、地層処分場を受け入れる可能性は1 0 0%ない」ことを、政府と全国の自治体に公然と明確に表明する責任があると考えます。

2.高レベル放射性廃棄物処分地を受け入れますか・・・受け入れない
理由・意見1の回答の「理由・意見」の通りです。

◆私たちのコメント
公約に条例制定を掲げておられることを高く評価します。木下候補が知事になったら早々に条例制定を実現されるよう望みます。
北海道は2000年に「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」で「特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する」との道条例を制定した上で、幌延深地層研究センターを受け入れました。      
 道条例があっても、道民の幌延処分場への不安は消えません。マスコミも事あるごとに幌延処分場化への懸念を強く指摘しています。
 それは研究所の「計画と処分場の計画は明確に区別」して行う(1994年原子力長計)との方針の下、超深地層研究所とその周辺地域は処分場にならないかの如く喧伝されてましたが、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」には地下研究所施設を受け入れた瑞浪市を処分場から除外するとの規定がありません。そのため瑞浪市にも応募を促すNUMOの文書が届けられています。岐阜県はこうした法律の不備を県条例で担保することが不可欠です。

3. RI・研究所等廃棄物処分地と鳥取のウラン残土レンガ焼成について
①RI・研究所等廃棄物の処分地を受け入れますか・・・受け入れない

理由・意見 県民のなかに不安がある「R I ・研究所等廃棄物処分地」は受け入れません。

②ウラン残土レンガの岐阜県内原子力機構施設への持ち込みについて・・・認めない
理由・意見 県民のなかに不安がある「ウラン残土レンガ」の岐阜県内への持ち込みは拒否します。

◆私たちのコメント
RI・研究所等廃棄物、ウラン残土レンガは共に民に不安を抱かせる施設であり、そもそも岐阜県が必要とする事情はありません。とりわけ原子力機構のウラン残土レンガの持ち込みは岐阜県内をウラン残土処分場にするための方便です。レンガにしてもウランが消えるはずもなく、持ち込みは許されません。

  ◆ 古田氏  2009年1月21日 回答
 1.高レベル放射性廃棄物処分地の県条例制定について・・・制定の必要はない
理由・意見 瑞浪超深地層研究所に関しては、「放射性廃棄物の持ち込み禁止、使用禁止、そして将来においても処分場にしない」という協定が締結されていること。
 以前から「県として処分場を県内に受け入れる考えはない」と表明していること。
 従いまして、現段階では、条例の制定を必要とする状況にはないと考えております。

◆私たちのコメント
 県内に高レベル放射性廃棄物処分場を受け入れないとする古田候補の姿勢は支持します。
 しかし私たちは瑞浪超深地層研究所が処分場になるのではないかと心配しているのではありません。その周辺地域が処分場にならない保証がないからこそ、私たちは県条例の制定を求めています。
  高知県東洋町の応募の事例から、文献調査段階では知事の意見は無視され、文献調査終了段階で意見を聴かれるだけです。応募後の県条例検討では手遅れです。
 更に古田候補が知事になった場合、知事である間は処分場を受け入れないとしても、次ぎに知事になった方が処分場を受け入れるかも知れません。
私たちはどなたが知事になった場合も岐阜県内には処分場にならないことを条例で担保したいと強く願っています。
 また、瑞浪超深地層研究所は調査や実験のためボーリング等で無数のミズミチ(水の通り道)をつくってしまい、処分場としての封じ込めの機能を持たないにもかかわらず、処分場化を推進する考えの人たちに不安を持ちます。

2.高レベル放射性廃棄物処分地を受け入れますか・・・受け入れない
理由・意見 県民の安全・安心を第一に考えて、県内に高レベル放射性廃棄物処分場を受け入れる考えはありません。

◆私たちのコメント
 処分場を受け入れる考えがないことを、評価します。
この考えを将来も担保するためにこそ、当選されたら県条例を実現していただきたいと願っています。

3. RI・研究所等廃棄物処分地と鳥取のウラン残土レンガ焼成について
①RI・研究所等廃棄物の処分地を受け入れますか・・・受け入れない

理由・意見 県民の安全・安心を第一に考え、安全性の確認ができない状況では、RI・研究所等廃棄物処分場を受け入れる考えはありません。

②ウラン残土レンガの岐阜県内原子力機構施設への持ち込みについて・・・認めない
理由・意見 県民の安全・安心を第一に考え、安全性の確認ができない状況では、れんがの県内への搬入を受け入れる考えはありません。 

◆私たちのコメント
 「安全性の確認ができない状況では」と限定されると、国の基準で安全性が確認されたと強弁された場合、受け入れざるを得なくなるのではないかと危惧します。
そもそも岐阜県が必要とする事情はないのですから、「安全性の評価に県民の意見が分かれる可能性がある限りは受け入れない」との姿勢をとっていただきたいと願っています。
ともかく、「県民の安全・安心を第1に考える」姿勢がある限り、受け入れは許されません。

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