今年の梅雨入りは例年より遅いとか聞いたが、うっとうしい話は遅れ気味の方がありがたい。
今回ご紹介するのは度支彙凾に紹介されている文章だが、軽輩その他の人たちの要望により、渋張日傘の使用が認められた旨の御達である。
それまでは、これらの身分の人たちは日傘の使用は認められておらず、笠を被っていた。
その申請の理由に「かふり笠よりハ澁張日傘之儀却て儉約ニ相成候」とある。
藩庁も何かといえば「倹約」を押し付けていたから、これは認めざるを得ない。
旧暦六月二日といえば、梅雨の真っ最中であろう。渋張傘でも差してみたいという思いが通った一瞬である。
同年(文化三年)六月御達
一輕輩幷陪臣中小姓日傘相用候儀は不相成候處、かふり笠よりハ澁張日傘之儀却て儉約ニ相成候ニ付、御免被仰付被下候様
再應願出候輩有之候處、一旦及達候儀間も無容易引戻候儀は難相成事候得共、當時専儉約相用候折柄ニ付、右之趣意を以
及僉議、諸役人段以上陪臣中小姓澁張ニ限日傘被差免候、右之趣家來/\えも可被申聞旨候條左様御心得、以下例文
六月二日 御奉行中
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