国立歴史民俗博物館の名誉教授・高橋敏先生から御著「国定忠治の時代」をお贈りいただいた。
実は過日お電話をいただき、ある件についてのお尋ねがあった。なかなか骨の折れそうな案件であるが、熊本の歴史の一端に目をつけていただいたことはうれしい限りであり、ご協力をしなければならないと思っている。
Amazonで先生の御著をいろいろ拝見し購入を考えていた矢先、この著をお送りいただいた。厚く御礼を申し上げる。
上州の博徒・国定忠治が生きた時代は、社会の大きな転換期でもあった。養蚕業の発展によりもたらされた富の蓄積が、文人結社・手習塾などの興隆や、女性たちの自立を促し、やがては世の中を動かす原動力ともなっていったのである。本書はそうした時代の庶民の息遣いを、豊富な古文書と丹念なフィールドワークをもとに描き出した意欲作といえる。
1 国定忠治の周辺(桐生周辺の無宿・博奕打忠治の武器感覚忠治の読み書き能力―無宿忠次郎と師僧貞然 ほか)
2 民衆の読み書き(筆子・筆子中とは民衆の読み書きと村落文化落文・火札・張札 ほか)
3 もうひとつの近世社会(上州の女たち子育て絵馬と間引き絵馬商家の年中行事 ほか)