津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

細川齊護公「道の記」-4

2009-12-01 22:06:44 | 歴史
 十七日
 あかつきに枚方を舟出して、ひるごろ、大坂につきぬ。

 十八日
 大坂にあり、よべより雨ふりつゞきて、難波わたりの月も見えざり
 ければ、

  いとゞなほ旅のやどりのさびしきにあはれをそふる夕暮の雨
  ながめんと思ひし夜半のかひもなく難波の月は雲にへだてゝ

 十九日
 きのふの雨をやみなくふる、明方に大坂のやどりたちいでゝ、西の
 宮のむまやに、志ばしやすみて、二里あまりゆきしに、そらよく晴れ
 ぬ、このわたり、岸和田といふ處なりと、人々のいひければ

  音もせで志ら波よするきしの和田いり日も遠くうかぶ夕なぎ

 ほどなく、兵庫のむまやにつきぬ。

 廿日
 そらくもりぬ、卯の刻ばかりに兵庫のやどりをたちいづ、一の谷を
 通りすぎて、舞子の濱といふ處は、あまたの松枝をたれて、ひろき眞
 砂ちりなうして、けしき又たぐひなければ、この處の志ばしやすら
 ひて

  眞砂路によせくる波のはまきよみみるめにあかぬ松の村だち

 すこし行きしに、道の側に日向大名神とて社あり、たるみの神とな
 ん申すよし聞へければ

  あふげなほをさまる御代はつきせじと跡をたるみの神の玉垣

 ほどなく、明石のむまやに来りぬるに、そらはれぬ、淡路島をうちな
 がめて、

  あかしがたきりも波路にきえはてゝながめぞあかぬ淡路島山

 行き/\て申の刻ばかりに、加古川のむまやにつきぬ。

 廿一日
 けふも、そらくもりぬ、あかつきに加古川をたちて、姫路のむまやに
 て、ひるのかれいひつかふうちに、そらよく晴れぬれば、道のほども、
 いとあつくなりぬ、志ばし松の木陰にやすらひて、

  たび衣いざ立ちよらんあつさをもわするばかりの松風mのこゑ

 ほどなく、鵤のむまやもうちすぎて、室山をこゆれば、申の刻にもな
 りぬ、室の津には、むかひの船とも、あまた来つとひて待つめいr、この
 處は、室の明神の宮居たふとく、むかし、わがこのやしろにまうでし
 こと思ひいでゝ、なほ船路をいのるとて、

  こよひはもさこしの浦に船よせて波のうきねに夢もむすばず

 二十二日
 卯過ぎるころに、さこしのみなと船出せしに、そらよくはれて、海づら
 のけしきもよければ

  志ら鷺のゆくへもみえて海ばらや志ほ路はるけき沖のしま山
  こぎいでゝとまりはいずこ白波のしづけき浦に船やつながむ

 風もなく、終日おし船にて、申過るころに、備前の国出崎といへる湊
 に船つなぎぬ
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細川家家臣・道家氏(重三郎氏系)

2009-12-01 09:26:15 | 歴史
道家帯刀一成---+--左近右衛門-------太夫 (断絶)
           |
           +--七郎右衛門---+--次右衛門-------次右衛門 ・・・・・・・・・・→ 素雄家
                        |
                        +--角左衛門---+--平蔵 ・・・・・・・・・・・・・→ 重三郎家
                                   |
                                   +--甚右衛門 

 昨日は都甲太兵衛について、私のお粗末な話をブログで書いた。
実は宮本武蔵に係わる「武公傳」を読むと、いろんな作家が都甲太兵衛を取り上げた元にあるものが、ここにあるのではないかと考えたからだ。例えば武蔵の直弟子・道家角左衛門の言葉が次のようにある。

武公直弟道家角左衛門曰、或トキ武公ノ打話ニ、俺大勢ノ人ヲシルニ、都甲太兵衛ホド鋭氣アル人ヲ見ズ。莅事氣ヲ奪ハルマジキ人也トアリ。

弟子でもない太兵衛のことを、武蔵の直弟子である道家角左衛門が、師の言葉として語っていることが面白く、その人物像が想像できる。小説の面白可笑しい逸話は余り真実味がなく、作為が感じられる。

さてここで登場した道家氏についても、破門されたとかいろいろ異説があるようだが、角左衛門→平蔵と二天一流の継承者として知られる処である。平蔵の養嗣子・同名平蔵は、赤穂浪士・堀部弥兵衛の介錯役を勤めた米良惣右衛門の男である。赤穂浪士の介錯役を勤めた夫々の人は、特に剣技に勝れた御小姓組の人物が選ばれたとされる。養嗣子・平蔵も又、道家家の跡継ぎとしてふさわしい剣技の持ち主であったのだろう。(米良家からは次々代養子が入っている)
                                   
コメント (2)
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熊本史学会の秋季研究発表大会

2009-12-01 07:31:59 | 熊本
 熊本史学会の秋季研究発表大会が下記の如く開催されます。

    日 時 2009年12月12日(土)13:00~17:00
※通常と違い、第二土曜日の開催です。
    場 所 熊本県立図書館 会議室(2階)
        (熊本市出水2丁目5番1号  ℡ 096-381-5000)

      <<研究発表>> (13:00~17:00)
    ◇ 幕藩制成立期における一国一城令と破城 
        - 肥後国を中心に -  白菊静子氏
    ◇ 堅土田城の発掘をめぐって        水上 仁 氏
     ◇ 人吉藩士西昌寿『諸国修業中日記』について 井上道代氏
以上
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