一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

百日紅

2012-10-06 18:19:27 | 自然



     10月も1週間が過ぎたというのに、まだ暑い。
     通学の女子高生は9月になったとたん紺色のセーター
     を着ていたけど、あれはおしゃれだろうか。
     
     こちらはまだ夏の暑さが体中に残って抜けない。
     TVで今日の最高気温は26℃というが、体感的には
     28~30℃くらいあって、とてもおしゃれどころで
     はないのだ。

     かくして、夏中着ていた(着くたびれた)Tシャツが
     手離せない。
     いい加減歳をくっているのだから、たまにはシックな
     装いをと思うのだが、着やすさが先にきてしまう。

     暑いせいか、真夏の花の百日紅がまだ咲いている。
     子どもの頃はサルスベリと呼んでいた。
     サルが登っても滑るというが、猿が聞いたら
     ナメンナヨというだろうか。

     百日紅は耐病性があって扱いやすいせいか、最近は
     公園や近所のお庭などにもよくある。
     でも私は車で走っていて、ふと通りすがりのお寺などで
     見かけると何ともいえない気持ちになる。

     庭木や街路樹だと、どうしてもちまちまとカットしてし
     まいがちだが、お寺などにあるのはよく茂って伸び伸び
     しているのが好もしい。
     そういえば、こんな句があった。

       無住寺と人はいふなり百日紅  
                     正岡子規

     子規は旅をしていて、こんな寺を見つけたのであろうか。
     最近の人の句ではこんなのも。

     
       百日紅 きのうのことは存じませぬ

     (俳誌「里」に載っていた新田美智子さんという人の句)
     

     「昨日のことは存じませぬ」
     ずいぶんシレッとした物言いである。
     この暑い夏、百日も咲きつづけるにはこれくらいの図太い
     神経がなければやってらんない。
     昨日のことにうじうじ拘泥していたら、身がもたないし、
     目の前にはやることがいっぱいだ、
     な~んていうのだろうか。

     「昨日のことは存じませぬ」
     ああ、一遍いって涼しい顔をしてみたい。