一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

歳末

2020-12-27 17:49:05 | 雑記


2020年 いよいよ押し詰まってきました。
        本来なら東京オリンピックの年、
        コロナの出現で生活は一変、
        「新しい生活様式」なんていわれ、
        私たちの生活も大きく変わらざるを得ませんでした。

        来春にはワクチンが接種できるのでは、
        という期待のなか、気になるのは
        コロナの変異種が日本にも入ってきたこと。

        だんだん詳細が分かってきたが、
        男性は職業(パイロット)がら英国に渡航歴があり、
        奥さんが家庭内感染した模様。

        しかし、敵はウィルスであり、
        感染した人がワルイわけではない。

        英国のみならず 韓国でも変異種が発見され、
        いずれ日本でも普通になるのではないか、
        という恐怖。

        一方で この年末年始は 
        日本海側で大雪のおそれが出てきた。
  
        例年、雪下ろし中に骨折したり
        落雪で命をおとすこともある 大雪の被害である。

        関東はカラカラッの天気で 風邪もひきやすい。
        思うようにならない天候だが、
        どちら様も 注意 注意!

        かつて経験したことのない 一年であったが、
        無事これまで生きてこられたことに感謝して、
        今年の締めくくりと致しましょう。

        みなさん 有難うございました。
        おだやかな歳末と 佳き新年をお迎えくださいますよう
        心から。

        
        

「にもかかわらず」

2020-12-18 14:31:24 | 読書
       
      ご存じ、諏訪中央病院の医師・鎌田實氏の
      本 『「にもかかわらず」という生き方』
      の紹介です。

      今年も暮れようとしているのに、
      コロナは収まるどころか、
      歳を越すこと 間違いなし。

      著者のなかには 一つの答えがある。
      「にもかかわらず」という生き方。

      これは逆境や 困難をプラスに転換して
      今の時代にぴったりだというのだ。

      氏は 実の父母が育てられなくなって
      養父に引きとられた。
      養父は小学校しか出ておらず、仕事にもめぐまれない。

      養母も心臓病をわずらい 生活は貧窮。
      「にもかかわらず」實少年を育ててくれた。

      小学校のとき 少年は頭がわるく、
      それでも人の2倍勉強すれば 何とかなるだろうと
      思って、中学 高校時代を過ごした。

      氏が作りあげた地方医療も 一筋縄ではいかなかった。
      アルコール依存症、ガン患者、高齢者医療……
      氏は長年 診療をやって 気がついた。

      高齢になっても 若々しい人は
      「よく動く「よく食べる」「好奇心を失わない」
      「自分流」を大切にする、ということ。

      何歳になっても 人は変わることができる。
      超高齢化になって 経済状況もきびしく
      さらに追いうちをかけるような コロナ禍。

      そんな時代だからこそ 
      「にもかかわらず」の生き方をヒントに
      今を生きよう、と呼びかけている。



キッチンオーケストラ(coverd by うたスタ)/NHK Eテレ おかあさんといっしょ 【坂田おさむ】

2020-12-10 08:56:10 | Weblog
キッチンオーケストラ(coverd by うたスタ)/NHK Eテレ おかあさんといっしょ 【坂田おさむ】

師走 その2

2020-12-01 16:22:53 | 雑記

       絵本というと 子供の本と思いがちですが、
       そんなことはありません。

       字がすくなくても 大人が充分楽しめる
       示唆を含んだものが た~くさんあります。

       クリスマスの月だから
       今日は『ぐりとぐらの おきゃくさま』を。

       野ねずみの ぐりとぐらは 雪の原っぱで
       大きな足跡を見つけます。

       「クマかな」「ちがう」
       「落とし穴?」「ちがう」

       二匹の野ねずみは 追跡することにしました。
       どんどんいくと、
       とある家の前に。

       「なんだか見たことのある家だな」
       「なんだ 僕たちの家じゃないか!」

       でも、お客様は どこにもいません。
       ベッドにも お風呂場にもいない。
       大きな赤いマントと マフラー 長靴があるだけ。

       「おかしいな おきゃくさまは どこだろう」

       すると キッチンのほうから いい匂い!!

       なんと お客様はサンタクロースで ケーキを
       焼いているのでした。

       その晩、 野ねずみは 森じゅうの動物を招いて
       ケーキを食べました。

       おなじみ 中川李枝子と山脇百合子姉妹の本。
       クリスマスにふさわしい 絵本です。

師走

2020-12-01 15:46:20 | 雑記

       唐突ですが、みなさん 幸せですか。

       この ご時勢に「幸せか」と聞かれてもねえ、
       という感じ。

       というのも 先日ラジオで ある大学の先生が
       話しているのを聞いたからです。

       幸せとは「happines」ではなく、「well-being」。
       つまり「happines」は 感覚的なもので、
       「well-being」は 精神的 社会的に良好な状態に
       あることをいうのだそうです。

       「何でもやってみよう」精神で挑戦し、 
       不本意なことでも「なんとかなる」と思い、
       「ありがとう」の感謝の気持ち。

       今日から師走と聞くと、
       なんとなく忙しく 落ち着かない私ですが、
       好きな絵本をひらいて 一息入れよう。

       『はらぺこ あおむし』は こんな一節ではじまる。
       「おや、葉っぱの上に 小さな卵が一つ。
        お月さまが 空からみていいました」

       その小さな卵から ポンとあおむしが生まれて
       はらぺこなので 次から次へと食べていく。

       リンゴ→ナシ→スモモ→イチゴ→オレンジ……
       チーズ、ソーセージ、ぺろぺろキャンディ、スイカ
       と続いて もう腹いっぱい。

       あおむしは さいごに おいしい緑の葉っぱを食べて
       サナギになり、何日も眠りに入ります。

       そして あたたかい日曜の朝、
       なんと、すてきな 蝶に生まれ変わったのです。

       この回転というか 変化は あっと驚き、
       そして美しい蝶の姿に 目を見張らずにはいられません。

       なんど読んでも 感動をおぼえる絵本です。

 
       
       
       

永井荷風 その4

2020-11-23 15:15:46 | 読書
       永井荷風を続けて書いて
       まだ しっくりいかない、というか、
       胃の腑に落ちない感じがしてならないのだ。

       荷風は高級官吏の父、良家の出の母のもとで
       生まれ、一族はエリートコースを歩む人ばかり。

       そんな環境で、
       なぜ、荷風は あえて芸妓や 私娼と交わり、
       私娼窟に出入りするのか。

       そのあたりを探るべく、「その4」を書いてみよう。

       荷風の唯一の のぞみは戯作者(げさくしゃ)になること。
       戯作とは 江戸後期の通俗作家のこと。

       世の中の気風に従わず、江戸趣味へと赴いていったのは、
       ほんとうの自由人を 目指していたのか。
 
       たしかに、戦中・戦後をとおして、
       政治とは一線を画し、政治的発言も一切していない。

       そして『花火』(大正8)には こう書いている。

       「その頃から 私は煙草入れをさげ、浮世絵を集め、
        三味線を弾きはじめた。
        私は江戸末期の戯作者や 浮世絵師が 浦賀へ
        黒船が来ようが、桜田門外で 大老が暗殺されようが
        そんなことは 下民の与り知ったことではない……
        否、とやかく申すのは 却って 畏れ多いことだと
        すまして 春本や 春画を 描いていた その瞬間の
        胸中をば 呆れるよりは 尊敬しようと思いいたった」

        ここからは 非政治的構えを あえて貫いた 荷風の
        覚悟というか 居直りみたいなものを 感じとること
        ができる。

永井荷風 その3

2020-11-22 10:07:07 | 読書

       戦中、戦後をへて より偏屈になったが、
       73歳で 文化勲章受章。
       「外国文学を紹介し 日本文学界に独自の
        巨歩を 印した」との評価で。

       また 日本藝術会員などの名誉につつまれるも、
       本人は相変わらずの 浅草通い。
       ストリップ劇場の踊り子と 親しむ。

       79歳 さいごの荷風はどうだったのか。
 
       自宅で倒れ 通いのお手伝いさんに発見される。
       常に持っていたボストンバックには、
       土地の権利書 預金通帳 文化勲章など
       全財産が入っていた。

       通帳の預金高は 2334万円 現金 31万円
       生前、吉原遊女の投げ込み寺「浄閑寺」を
       好んで訪れ、
       そこに葬られたいと 記していた。

       ※ 「墨東奇譚」
        いわるゆる 隅田川東岸の物語ではなく、
        東京の向島(現・墨田区)に存在した
        私娼窟・玉ノ井が舞台。
        一人の小説家(モデルは荷風)と娼婦・お雪
        その出会いと別れを季節の移り変わりと共に 
        美しくも 哀れふかく描いている。
        中村光夫はこう評価している。
        「荷風の白鳥の歌といってよい昨品。
         彼の資質、教養、趣味など 渾然たる表現に
         達している」
        映画化され 主人公・芥川比呂志 お雪・山本富士子
        
       

永井荷風 その2

2020-11-22 09:41:00 | 読書

        29歳 フランスから帰国。
        「あめりか物語」「ふらんす物語」で
        風俗壊乱として 発禁処分にあうも、  
        漱石の紹介で 朝日新聞に「深川の唄」連載。

        31歳 森鴎外の推薦で 慶大教授にもなった。
        当時 学生だった佐藤春夫は こう語っている。
        「講義は面白かった。それ以上に雑談は面白かった」

        この頃、両親のすすめで結婚するが、翌年 離縁。
        その後、芸妓を入籍するも、身内との折り合いが
        わるく 破綻。
        以降、女給や娼婦と付きあうも 妻帯はしていない。

        37歳で慶大を辞して、独り暮らし。
        江戸の文学を こよなく愛し、
        一方でフランス文学への造詣もふかめる。
        関係した女性を 「断腸亭日乗」に列記するなど
        独自の境地へ。

        40代後半から 創作の興味は芸者から女給や私娼へ。
        浅草の歓楽街や 玉ノ井の私娼街に 入りびたるなど
        新境地開拓というべきか。

        一方で 朝日新聞に「墨東奇譚」を連載。
        全集による印税もあり、 豪放磊落な生活。

        ※ 「断腸亭日乗」
          38~79歳の死の前日まで 42年間綴った日記。
          自らの住まいを「断腸亭」と名付けたのは、
          腸を病んでいたことと、花の秋海棠(別名・断腸花)
          が好きだったことに由来。
       
          
          
        
        
        

永井荷風

2020-11-22 09:23:34 | 読書


        永井荷風が逝って 今年で60年。
        もう? というべきか、
        まだ60年しか経っていないと思うか、
        人それぞれ。

        今日は この風変りで しかも下町を愛し、
        江戸文化やフランス文学に造詣のふかい
        人となりに迫ってみたい。

        永井荷風(明12~昭34) 79歳没
        高級官吏の父と 良家の母の下に誕生。
        自らも小・中学とエリートコースまっしぐら。
        幼少から 母に連れられ芝居に親しむ。

        15歳くらいから文学にめざめ 
        高校受験に失敗して 軟派の生活に。
        東京外語大中退。

        本人はこう 回顧している。
        「もし この事がなかったら 私は老人に
         なるまで 遊惰の身にはならず 一家の
         主人として ひと並みの生涯を送ったであろう」

        やがてフランス語を習いはじめ
        歌舞伎の座付き作者になったり、
        落語家に弟子入りしたり、
        反骨精神がめばえる。

        24歳、父の意向で 実業家になるべく 渡米。
        その後、やはり父のコネで フランスへ。
        しかし 父の希望する実業家(大使館や 銀行勤め)
        には なじめず、
        西洋文学 オペラ クラシック ざんまい。

        ※ おなじみの 飄々とした 風貌の荷風

森山直太朗 糸 live

2020-11-15 15:50:24 | Weblog
森山直太朗 糸 live