東北電力酒田営業所の視察研修が、効率的電気利用モデル施設「クラゲドリーム館」だったので、私も参加させてもらった。いわゆる加茂水族館のことである。
加茂水族館の歴史は古く1930年に設立されている。1955年に現在地に移転し鶴岡市立となる。1968年に年間21万人の入館者を記録したものの、その後の入館者は低迷を続け、1971年に閉館。翌年に市民の寄付などで再開するも、25年間も低迷は続いた。1997年に偶然水槽内にクラゲを見つけ、2000年にはクラゲ展示種類日本一になり、5年後は世界一となる。オワンクラゲでノーベル化学賞受賞の下村脩さんが来館するなど話題が広がり、2014年6月に改築オープン。その4ヶ月後には入館者50万人を突破する快挙となった。
東北電力で視察するには訳がある。新しい水族館はオール電化方式が採用されている。和食レストランは調理のための火は一切使っておらず、大きなラーメン釜も、「煮物」「焼き物」全て電気である。厨房特有のむんむんする熱気と湯気、コンロから上がる炎とは無縁となった。厨房内温度が上がらない利点がある。クラゲレストランはクラゲメニュウーで大盛況である。
クラゲ飼育は種類によって温度管理はすべて違う。小型熱源機を6台連携し、きめ細かな制御。ヒートポンプにより給湯、空調設備を安定的に運用している。
私は新築後、初めてである。越前クラゲに代表されるように、クラゲの印象は余り良くないのだが、クラゲドリームのクラゲは優雅で幻想的なものだった。ちょっとのきっかけで、世界一の誕生も夢ではないことを知った。