とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

コメ農家の厳しい懐具合

2014年12月06日 | 日記

  大幅下落の米が出荷されて3ヶ月。県内3万戸と見られる米販売農家の懐具合に影を落とし始めた。農協の営農口座で決済している大多数の農家が頭を抱えている。
 先ず、コメ代金が振り込まれると、最初の決済は圃場整備費返済金を含めた土地改良区費である。次は農地購入や農機具購入などで借り入れた制度資金の返済日が来る。あとは、カントリーエレベーターの乾燥調製料や農薬、防除費用やその他生産資材が引き落とされる。ギリギリの綱渡りで口座は動く。コメ代金収入は年一度きりで、直接支払交付金や転作奨励金など多少の政府交付金ははいるものの焼石に水程度である。しかしこの口座は来年の再生産の資金でもあり、生活費でもある。
 農協の営農口座は貸し越し特約があり、限度額までは資金として手続きなしで口座は動かせる仕組みになっている。入金のあてがあれば一時的には助かるものの、借用金である事に変わりはなく、常態化すれば、金利の高い借入金となり、経営を圧迫する。
 農家は、他目的の預金を取り崩したり、共済積立金を解約して営農口座に入金し急場をしのぎ、自身で乗り越えようとしている。そのことは、農協の統計を見れば明らかである。先の見えない米作農家の状態がいつまで続くのか厳しいものがある。
 山形県はいち早く、500万円を限度に無利子融資をきめたものの生産資材に限るとか、決済の終わったものはダメとかで機能は果たさず借り手がいないのだ。絵に描いた餅である。
 選挙用に自民党が出した「米農家の皆様へ」のチラシは、20万トンのコメを民間と一緒に隔離する。減反を強めて来年から放出するという急場しのぎ対策で、なるほどとは思えないのだ。
 農家不況はボデーブローのように県経済に影響を与える。
  

 

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