最後の紙面(トム・ラックマン 日経文芸文庫)
アメリカ人富豪のオット家がローマに設立した新聞社は、国際紙を発刊してそれなりの地位を築いてきた。しかし創業者の息子、孫とオーナーが移るにつれてしだいに新聞社経営の熱意は薄れていく。記者、訃報欄の担当者、校正係、報道部長、編集主幹などを主人公にして、傾いていく新聞社の行方を描く短編集。
それぞれの短編にオチがついていて、主人公にとって暖かくやさしい結末となるものもいくつかあるのだが、大半が苦い結末になっていて、時には残酷すぎるというか、「それはないだろう」といいたくなるようなラストのものが多い。
私にとって特に厳しく思えたのは報道部長メンジーズが主人公のもの。若く才能豊かな妻が浮気する話なのだが、最後の1行で見事に甘い結末を期待していた読者をたたきのめしてくれる。
新聞社の最後のオーナー:オリバー・オットを描いた最後の短編も救いがない結末だった。
まあ、メンジーズの話もオリバーの話も予想通りといえばその通りの筋。しかし、読者の機嫌をとるような?甘いエンディングに慣れてしまった私のような読み手にはなんともビターな物語だった。
アメリカ人富豪のオット家がローマに設立した新聞社は、国際紙を発刊してそれなりの地位を築いてきた。しかし創業者の息子、孫とオーナーが移るにつれてしだいに新聞社経営の熱意は薄れていく。記者、訃報欄の担当者、校正係、報道部長、編集主幹などを主人公にして、傾いていく新聞社の行方を描く短編集。
それぞれの短編にオチがついていて、主人公にとって暖かくやさしい結末となるものもいくつかあるのだが、大半が苦い結末になっていて、時には残酷すぎるというか、「それはないだろう」といいたくなるようなラストのものが多い。
私にとって特に厳しく思えたのは報道部長メンジーズが主人公のもの。若く才能豊かな妻が浮気する話なのだが、最後の1行で見事に甘い結末を期待していた読者をたたきのめしてくれる。
新聞社の最後のオーナー:オリバー・オットを描いた最後の短編も救いがない結末だった。
まあ、メンジーズの話もオリバーの話も予想通りといえばその通りの筋。しかし、読者の機嫌をとるような?甘いエンディングに慣れてしまった私のような読み手にはなんともビターな物語だった。