蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ホノカアボーイ

2020年11月29日 | 本の感想
ホノカアボーイ(𠮷田 玲雄 幻冬舎文庫)

アメリカの大学を卒業した玲雄は、父と訪れたハワイ島に惚れ込んでホノカアという小さな町で映画館の映写技師の手伝いを半年間やることにする。下宿先の近所にするビーさんというお婆さんに食事の面を見てもらうことになるが、ビーさんが作るハワイ風和食?はとても美味しくて・・・という話。

大学を卒業して(多分)プー太郎の玲雄は、特段何の悩みや心配事もないみたいで、ホノカアはこの世の天国を示現した場所のように描かれる。主人公(あるいは主要登場人物)の葛藤みたいなのが全く出てこないのがこの小説のよい所なのかもしれない。

ビーさんの作る料理は料理名が書かれているだけで、その外観とか味わいに関する描写はほとんどないが、並べられている料理名だけで妙にうまそうに思えた。
コメント
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