蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

昆虫こわい

2020年11月14日 | 本の感想
昆虫こわい(丸山宗利 幻冬舎新書)

昆虫学者の著者が、研究のためにアフリカや東南アジアの国々を訪れた際の経験を記した旅行記。採集・撮影した昆虫の紹介も多数。

ベストセラー級に売れた「昆虫はすごい」はかなり真面目路線だったが、扉の著者近影のヘンテコな表情から想像できるように、本書はハメを外して思いのままに綴られており、面白く読める。
文末が「楽しい」「嬉しい」で終わっていることが多い。海外で新種や未見の昆虫を見つけるたびそういう感想が述べられている。多分、研究費を使って渡航していると思うので、ここまで本音で書いちゃって大丈夫なのだろうか?と、思えるほど。
ポケモンのようなゲームでさえ、見知らぬモンスターを発見すると嬉しくなるのだから、現実世界で似たような体験をするとゲーム内とは比べものにならないくらい感動するだろう、と想像はできるが、それにしても無邪気なまでに「楽しい」「嬉しい」を連発されると、読んでいる方もなんとなく嬉しくなってくるから不思議だ。
職業を道楽化することが人生最大の幸福だ、と喝破した人がいたが、著者こそこの言葉にぴったり当てはまっているのでは?と思えた。
本書で紹介されているツノゼミの形態は素人目にもバラエティに富んでいて興味深かった。次は(著者が同じ)ツノゼミの本を見てみようと思う。

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