goo blog サービス終了のお知らせ 

蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

陽だまりの彼女

2014年06月25日 | 本の感想
陽だまりの彼女(越谷オサム 新潮文庫)

幼なじみの女の子と営業先で再会した主人公は、かつて成績が悪くていじめられていたその子が美人でやり手のOLに成長していることに驚く。やがて二人はつきあい始めるが、女の子は幼少時の記憶をなくてしていたことがわかり・・・という話。

私が持っている文庫本の奥付を見ると、なんと41刷。
本屋の店先でも特徴的な表紙のイラストをよく見かけるような気がするし、幅広く人気がある作品のようです。

幼少時の記憶を喪失した原因をさぐるのが、本書のテーマで、その提示の仕方はミステリ風になっているので、極甘の恋愛小説部分から一転、意外な結末が・・・というサスペンスフルな展開を予想しつつ読んだのですが、その、謎の解決というのか、オチが(私にとっては)「こんなのアリ?」と言いたくなるような内容だったので、ちょっとがっかりしました。(少なくとも、ミステリ的な解決ではありませんでした)

でも、世間ではこういのがウケているんですよねえ・・・トシのせいでしょうか、ギャップを感じます。

ぼくたちの家族(映画)

2014年06月24日 | 映画の感想
ぼくたちの家族(映画)

サラリーマンの主人公の母親は物忘れがひどくなり、近くの病院で検査したら、脳に大きな腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状態だと告げられる。
父母は大きな借金を抱えていることも判明し、頼りにならない父と弟にいらつきながらも、主人公は母親の診断のセカンドオピニオンを求めて病院めぐりを始める・・・という話。

家族を束ねる要だった母が生命の危機に瀕し、父親からは(母の)入院代をせがまれ、金銭的負担を告げたとたんに(主人公の)カミさんは超不機嫌になり、弟は他人事のような態度・・・この辺は、多少似たような場面に遭遇した経験がある(カミさんの不機嫌は茶飯事だが)ので、主人公のやるせなさにはとても共感できた。妻夫木さんには似合わない役柄ではあるが、リアリティが感じられた。

こうした“八方塞がりの苦境に立たされて憔悴の極みにある人”が、開き直って困難に立ち向かう、というのは同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と同じような筋。
「川の底からこんにちは」の主人公役の満島さんの絶望は、カラッとしていて、開き直った時のハジけ方も爽やか(というかヤケクソ気味)で、見ている方も元気が出てくる感じだった。

一方、本作の主人公役の妻夫木さんが悩み苦しむ様は、内向的でウジウジしていて、開き直った後もそれを引きずっているというか、なんともカタルシスみたいなのがなかったのが残念。
もっとも、「川の底からこんにちは」みたいな展開にすると、しんみりした「いい話」にはならないので、そこらへんは、まあ、あえて予定調和的展開にしたのだろうか。
「舟を編む」もそうだけど、メジャーな映画となるとあまり常識的ワクをはみだすようなことはやりにくいのだろう。

代打、オレ

2014年06月03日 | 野球
代打、オレ(2014年6月1日 西武―中日2回戦)

我が家の豚児は、西武(ライオンズ)ファン。
ライオンズのファンクラブのサービスは12球団一とも言われていますが、シーズン中も(観戦誘致の)DMを何度か送ってきます。
最近来たのは、交流戦中に西武ドームに来ると選手ごとに作ったクリアファイルをプレゼント、というもの。

「選手のクリアファイルなんていっぱい持ってるし、欲しくもなかろう」と(ロッテファンの私は思うのですが、部活の練習とかで交流戦中に西武ドームにいけそうにない彼は
「オレの代わりに取りに行ってくれ」と。

あまりに暑くてマリンには行く気がしないこともあって、一昨日(6月1日)西武ドームの中日戦に行きました。

クリアファイルをもらおうと列に並んでいたら、前の人が2枚もらっていたので、一人2枚なのかと思って、「どの選手にしますか?」と訊かれて「中村と浅村」と言ったら「引換券1枚につき一つです」と言われて赤っ恥。前の人は引換券2枚持っていたんでしょうね。

西武ドーム入場時の手荷物検査は、以前はおざなりだったのに、やけに念入りになっていました。
まあ、ビン・缶の持込禁止は(危険防止の観点で)わからんでもないですけど、「クーラーバック禁止」は商売至上としか思えませんなあ。

交流戦で思うのは、セリーグの球団ってビジター(しかもホーム地域から遠隔地)でもファンが多いなあ、ということ。巨人・阪神は当然として、広島も相当なビジター客を連れて来てくれるし、一昨日の中日戦だって外野(応援)席の人口密度は西武側とそう変わらない感じでした。(応援の仕方はちょっとレトロなムードでしたが)
こればもっとビビットにわかるのが(通常のリーグ戦の)神宮球場で、たいていビジター側のファンの数の方が多そうなんですよね。

一昨日の試合の(個人的)ハイライトは、7回表一死一塁で、谷繁監督が「代打、オレ」で登場した時。
なんと送りバントでしかも失敗という結果だったのですが、場内は結構盛り上がりました。
「代打、オレ」で送りバントに失敗すると、バツが悪いのではないかと思いますが、その後(体調が悪くて普通に打てなくても登録ワクを無駄遣いしないという?)監督の意気に感じたのか、中日が逆転。
西武はあいかわらず中継ぎが・・・
やっと勢いに乗ってきたところなんだから、無理しても勝ちパターンの投手を出せばいいのに(と台所事情を全く知らない他球団のファンは思いました)、けっこう藤原投手を引っ張りました。

逆転してから岩瀬投手がウォーミングアップを始めたので、登板を期待したのですが、点差が開いて引っ込んでしまいました。
西武ドームは客席とブルペンが網一枚だけなので、岩瀬投手が出てくると、早速写真を撮りに来る人がいっぱいいました(係員に追い払われるのですが)。
ブルペンがあることろにも客席を増設すれば、単価の高い席がけっこうな数できそうではありますが、ブルペンを見せるというのもファンサービスの一環ということでしょうか。

西武ドームではイニング間も、ちょっとしたイベントをたくさん開催していて(特に5回終了後だったかに外野でファンに大玉ころがしの競争をさせたのはすごいと思いました)
駅から球場までの間もお祭りムードが感じられる設定になっており、ファンクラブの勧誘?も積極的で、確かにサービスの充実が(他球団との比較論ですが)感じられました。

ただ、スコアボードの大画面で(打席終了直後の)リプレイをやらないのは、いつも残念だなあ、と思うのです。(今年は決定的な場面のリプレイはやるようです)
何かポリシーとかシバリとかがあるのでしょうか?

あ、あとマスコットはもうちょっと考えた方がいいかも。ドアラに完敗という感じだったので。。。(ま、今、ドアラに勝てるマスコットはいないか)