蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

千葉ロッテマリーンズ 2015年シーズンを振り返って

2015年11月14日 | 野球
千葉ロッテマリーンズ 2015年シーズンを振り返って

さほど強いとは言えず、カネに糸目をつけないような補強をしているともいえないチームのファンとしては、
「優勝なんて恐れ多い。なんとか5割をキープして3位くらいに滑り込んでくれれば」
くらいがせいいっぱいの望み(あと、大型連敗されると日常生活にも支障?がでるので避けてもらいたい)なので、今年の成績には満足です。
CSファイナルだって第一戦が取れていれば、あわやという局面があったはず、と思っています。(以下、選手名は敬称略)

①投手◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
成瀬が抜けて先発投手不足がさらに露わになってしまいました(いても同じだったかも、ですが)。
淡い期待を抱いていた藤岡、唐川も予想通り?早々に2軍落ちで古谷も出遅れ。一方、大嶺は予想外の活躍で、秋までローテーションを守ってくれたのは出来すぎでしょう。

しかし、何と言ってもAクラスに残れた原動力は全く期待できそうになかったイとチェンだと思います。ずっと3Aだった投手と戦力外選手を合わせて14勝できるとは全く予想できませんでした。チェンはもしかしたら来シーズン大化けかも・・・なんて夢想してしまいます。

涌井はスタイルを変えた、といえるのでしょうか? 来シーズンこそが正念場のように思えます。(もっとも往年のような勝率を残すようになったら、さっさと他のチームに行っちゃいそうですけど)

石川は中6日以上あけないとダメなことは明らかなので、そういう風に使ってもらいたいです。「疲れてきてるな~」と見えたら思い切って抹消して半月くらい休ませる、が理想でしょうが、ソフトバンクじゃあるまいし、そんな贅沢なことできませんわな。

救援陣は予想通りの安定感でした。大谷+西野だと心臓への負担がだいぶ減ったような気がします。しかし、来シーズンは御両人とも積年の疲労が表面化しそうな気も・・・
内がシーズン通して投げられるのなら西野を先発に回して負担を減らしたいところですが、それは無理な相談というものでしょうね。

香月もよく投げてくれました。年齢的・立場的に、試合での一球、一球にプロ野球選手生命がかかっているわけで、敗戦処理の出番でも粘り強く投げぬいた姿は感動的でした。

②捕手◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
CSでは後逸が目立ってしまった田村ですが、捕手としてみるとすでにリーグNO.1級では?と思えるくらい成長しました。監督にかつての名捕手を招んできた甲斐があったというものです。高校時代あれだけ打てたのだから才能はあるはず、もう少し打撃練習も増やしてもらいたいものです。
個人的には、応援している江村にがんばってほしかったのですが、だいぶ差がついてしまったようです。イースタンではそこそこ打っていたみたいですが。

③野手◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
今年は「春井口」じゃなくて「春クルーズ」でした。あのまま打ち続けていたら今頃は引く手あまたなんですが。多分故障もけっこうあるんでしょうねえ。それだけでおカネが取れる守備で頑張りすぎるせいもあるかもしれません。

デスパイネは、まあ、そこそこにやってくれたんじゃないかと。追い込まれると三振しかイメージできないのに、初球を簡単に見逃すことも多いような。それでも試合を決める一発も何度かありました。穴だらけとしても、彼がいないと「一発が怖い」という打者が皆無なので相手投手は楽すぎですよね。母国のスケジュールとの関係で年間ほぼフル稼働かつ日本の野球には常にぶっつけ本番だったので、もうちょっと日本での練習時間があれば違うような気もします。結局最後に残ったキューバの至宝になってしまったことですし、なんとかキャンプから参加してくれないかな~。

守備面ではファンからの批判が多い鈴木も(西岡なき後、目を覆いたくなるような人が続いたこともあり)、「普通のショートができてよかったね」とぐらいは言えるのではないかと思います。セカンドに落ち着ければ3割近く打てるかも。あと、「球界一大谷(翔)を打てる男」という特質を来季も発揮してもらいたいです。

3ベテランはやっぱりサンクチュアリなんですかね? 短気そうな伊東監督は、意外にも慎重かつ周到に彼らの引退へのレールを3年にわたって敷いてきたように見えますので、来年はいよいよ容赦なく・・・ということも考えられます。ただし、福浦は2000本が現実化してきたので球団が辞めさせてくれないかもしれせんが。

清田は、今季最大のサプライズでした。最後まで打率が落ちなかったことで来季もやれそうです。少々トウは立っていますが、トリプルスリーめざすつもりぐらいでお願いしたいです。
荻野、伊志嶺、角中、岡田、加藤・・・けっこうハナのある面々なのに。なんか今一つ満開とはいかないんですよね。
個人的にファンである各中には、もう一度首位打者を狙ってほしいんですが、2番が多かったせいか割り切りが足らなかった印象があります。5番タイプのような気がするのですが。

④編成・用兵◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
長年の課題である先発・4番に涌井・デスパイネを配し、結果を見れば(コスパ的に)大成功だったイ&チェンの補強、内(外)野のユーティリティとしてドラ1をフル活用、チーム唯一の長所である救援投手陣がへばってくると内が復活と、乏しい手持ちの中でかなりうまく回ったシーズンだったと思います。

9月にはスクイズやワンアウトからの送りバントなど、細かい戦法が目に付くようになりました。伊東監督は、こういうスモールベースボールや待球作戦は面白くない、と思っているのでしょう。トーナメント的展開になって、やむなく勝ちに拘る野球に切り替えたように見えました。案外勝てたので、来年は最初から貪欲に勝ちに行く細かい作戦もお願いしたいです。

昔からチーム体質で波に乗ると止まらないところがありますが、そういう意味では、交流戦で角中の満塁HRで勝った次の試合、8点差を追いついて藤浪をKOした試合を勝てなかったのが残念でした。あそこから波に乗れていれば2位にはなれたかもしれません。

観客数は今年も12球団最下位。企画面ではカンパイガールズとか、(低予算の中)涙ぐましいまでの努力をしていると思う(そして前年比では大幅増でした)のですが、やっぱり球場のロケーションの問題ですかねえ。いっそ何試合か大都市のドーム球場で主催試合してみてはどうでしょうか。
スター選手がいないのも一要因。平沢はそういう面での期待も担っているのでしょう

⑤来季の展望◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
清田、大嶺、チェン、内が来季もフル稼働してくれれば案外いけそうな気もします。ソフトバンクもそれなりに高齢化してきていますし、今年みたいに全員好調みたいなことはそうそうないと思います。
個人的に特に期待しているのはチェン。覚醒初年の吉川みたいになってくれないかなあ。打つ方では中村の成長と井上の爆発に期待したいです。
この皮算用に乗っかれば、井上―鈴木―平沢―中村の内野陣。おおけっこういいじゃない。(ザル化の懸念も十分ですが)

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