蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

コーダ あいのうた

2022年10月03日 | 映画の感想
コーダ あいのうた

ルビー・ロッシ(エミリア・ジョーンズ)は、コーダ(聴覚障害者の両親を持つが、自身は健常な聴覚を持つ子)で、家族(父母と兄)は全員聴覚障害者。
東海岸の町:グロスターで一家は漁業を営むが卸との交渉などでルビーは欠かせない存在。流通改善を目論んで組合を作ろうとしていた父母はルビーによりいっそうの協力を求める。ルビーは合唱部顧問の音楽教師に歌唱の才能を見出され、専門大学への進学を勧められる。学業と家業に板挟みになったルビーは悩むが・・・という話。

よく取材されているのか、監修者が優れているいるのか、漁業者としての一家の生活の描写が素晴らしい。

父母役のキャスト(トロイ・コッツアー、マーリー・マトリン)は実際に聴覚に障害があるそうで、そのせいもあって、手話による意思疎通がスムーズすぎて?違和感が感じられないせいもあると思う。
しかし、外部とのコミュニケーションにはルビーが欠かせない。一方でお金さえあれば手話通訳を雇うこともできるわけで、家族は自分たちの都合だけでルビーの進路を狭めてしまうことに苦しむことになる。

もう少し、葛藤に深刻さがあった方が盛り上がるのかもしれないが、本作は今どき珍しい一点の曇りもないような?甘すぎるハッピーエンドを用意していて、むしろ爽やかさみたいなものが感じられた。

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