蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

船に乗れ!Ⅲ 合奏協奏曲

2013年04月29日 | 本の感想
船に乗れ!Ⅲ 合奏協奏曲 (藤谷治 ジャイブ)

同級生にふられて傷ついた主人公は、チェロでも自分の演奏技術に限界を感じて音楽家を目指すことを断念して普通の大学に進学することを決める。
受験勉強のかたわら最後の文化祭に向けて演目の練習をするが、当日、ふられた恋人が現れて・・・という話。

恋人にふられたからといって、多大な時間を投じてきたチェロをこんなにあっさり断念するというのは、小説としては、ちょっと肩すかし気味。
著者の自伝的作品らしいので、まあ、本当の人生の選択なんて、それが客観的には大変重要なものであったとしても、大半が思い付きやそのときの気分に左右されてしまうものというのが、自分の経験からも言えることなので、リアルといえばそうなんだけど、やっぱりここまで3冊続けて読んできた者としては、あっさりしすぎたストーリーだった。
一方で、高校生が女の子にふられたくらいで、こんなに引きずるというのも、現実離れしている気もするが。

1,2巻に比べて、主人公がチェロをやめることにした後はテンションが下がった感じがして残念だった。

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