蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

犬猿

2020年02月05日 | 映画の感想
犬猿

印刷会社に勤める和成(窪田正孝)には、無鉄砲でケンカがやたらと強く地元の反社系の人たちから恐れられている兄:卓司(新井浩文)がいる。
和成にとって卓司は煙たい存在でしかないが、逆らうことはできず、ムショ帰りの卓司をアパートに居候させる。
和成の会社の下請工場の社長:由里亜(江上敬子)は、経営者としては優秀だが外見はイマイチ。和成に好意を寄せるが相手にされない。一方、由里亜の妹:真子(筧美和子)は優れた容姿で(工場の仕事の傍ら)芸能活動をしたりしている。
卓司は怪しいビジネスで金持ちになるが、やがて警察の手が迫り・・・という話。

キャスティングする時、通常は(外見的・役者の格的に)役柄に似合う人を探すものだと思う(例えば、イーサン・ハント=トム・クルーズ)。
一方で、役柄とは正反対の外見・経歴の人を選んで、意外性やイメージの刷新を狙うこともある(私見だが、ジャームス・ボンド=ダニエル・クレイグ)。

本作の場合、完全に前者で、
気弱で優柔不断な弟=窪田正孝
狂犬のようだが、騙されやすい兄=新井浩文
真面目で賢いがおぼこい姉=江上敬子
見栄えはいいが中味が・・・の妹=筧美和子
は、もう全員が見たまんまという感じ。

しかし、あまりにイメージそのままの人が演じているせいか、なんというか、その、ありきたりというか予定調和というか、どうも全体としてまとまりすぎていて、無難すぎるように思えた。

むしろ兄と弟、姉と妹の設定(あるいはキャスティング)を全く逆転させた方が面白かったんじゃないか、そんな気がした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 羊の木(映画) | トップ | ペンギン・ハイウェイ »

コメントを投稿

映画の感想」カテゴリの最新記事