蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

兵諫

2022年12月26日 | 本の感想
兵諫(浅田次郎 講談社)

蒼穹の昴シリーズ(なんですよね?)。日本では2.26事件の首謀者と目される村中を志津大尉が面会する。ニューヨーク・タイムズの記者:ターナーは上海にあって、西安の情勢をさぐる。1936年張学良が蒋介石を捕縛してクーデターを起こす。2つの事件には石原大佐を媒介とするつながりがあったのか・・・という話。

張学良というとアヘン中毒のうらなり風2代目(失礼)という悪いイメージしかない。
本シリーズは、一般に大悪人とされている人(西太后とか張作霖とか)が実は民族の運命を握る重要かつ有能な人物だった、という設定が多く、張学良も本作中では自らを犠牲にして祖国を救おうとする英雄として描かれている。本作では、陳一豆(東北軍の幹部で裁判で張学良をかばう)の方が圧倒的にかっこよかったけれど。

しかし、この流れでいうと龍玉(これを持つものが天下を取るというダイヤモンド)は毛沢東の手に渡りそうにないなあ。周恩来や蒋介石に行く感じもないし、いったい誰の手に??鄧小平ってことはないよなあ。。。

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