蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

思考の整理学

2010年01月10日 | 本の感想
思考の整理学(外山滋比古 ちくま文庫)

外山さんと言うと、私が高校生だったころ、国語の教材や入試問題によく取り上げられる著者として有名で、私も受験対策として「ライフワークの思想」を読んだりしました。

外山さんの文章は、よく整理されていて平易に書かれているのでわかりやすく、良文の見本だったのでしょう。(もっとも、わかりやすい良い文章では難問を作ることは困難でしょうが)

本書は、文庫版でさえ出版されてから20年以上経っているのに、(確か)2年くらい前から書店で平積みされているのを見かけるようになりました。

内容は、普通のサラリーマンや学生には、あまり役にたちそうにないのですが、真面目に論文を書こうとしている学生や研究者、まとまった文章を書くことが必要な人には有益かもしれません。

私は、このブログにもたびたび書いているように、野口悠紀雄さんのノウハウ本が好きなのですが、これもやはり、学者になら(とうか、野口先生自身になら)大変役立ちそうなものの、私のようなごく平凡な勤め人には必要なさそうだといつも感じてしまいます。

それでも、「超XXXシリーズ」あるいは本書のようなノウハウ本を手にとっていしまうのは、「ああ、こんな学究の徒みたいな生活がしてみたい」という憧れがあって、一種のフィクションとして読んでいるからだと思います。

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