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蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

死の鳥

2017年06月10日 | 本の感想
死の鳥(ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫)

昔、SFマガジンでよく著者の短編を読んだ。何というのか、行間から極彩色の帯があふれ出てくるような、現代でいうとスプラトゥーンの画面でイカがインクをぶちまけるようなイマジネーションを掻き立てる小説だった。
本作収録の多くの短編も似たような感じで、ストーリーらしいものはなくて著者の頭の中をそのままとりだしたような幻想的な内容だった。でも感性が鈍ってしまったのか昔読んだときのような、めくるめくイメージ喚起をすることはできなかった。

最後の2編「ジェフティは五つ」「ソフト・モンキー」は、普通の面白いSF短編で、
前者は昔のアメリカのラジオ番組や映画、アニメの豊かさがうまく表現され、
後者はハードボイルド的味わいがよかった。


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