書店主フィクリーのものがたり(ガブリエル・セヴィン 早川書房)
ボストンの近くの島で小さな書店(アイランド・ブックス)を営むAJフィクリーは、交通事故で妻(ニック)をなくした。
泥酔した夜、家宝?としていた「タマレーン」(アラン・ポーの詩集で高価な稀覯本。数千万円の価値があるが、フィクリーは偶然古本市で見つけた)を盗まれてしまう。ふさぎ込んでいたフィクリーのもとへ出版社の営業アメリアが訪れるが、すげなく追い返す。
ある日、フィクリーの書店に赤ん坊が捨てられていた。シングルマザーで大学生の母親は島で自殺していた。島の警察署長ランビアーズと話しあってフィクリーは赤ん坊(マヤ)を里親として育てることにする。やがてアメリアとフィクリーは和解し・・・という話。
全編に渡って、死がストーリーを覆っている。ここまででも二人が死んでいるのだが、この後もいくつかの死があらわれる。大きくなったマヤ(小説の才能がある)が綴る、自らの母の話(海辺の旅)はマヤの母の悲惨ななりゆきを物語る。
しかし、一方でカラっとしたユーモアがしばしば織り込まれていて、暗い話ではなく、多くの死は、それが人生で避けがたい運命であることを静かに語っているようだった。
フィクリーが経営する小さな書店では、文学作品の販売に力を入れていて、フィクリーが気に入った作品の著者を書店に招いてサイン会などを催したりする。読書会も盛んで警官のランビアーズが主催するものまであったりする。アメリカのどこでもこのような状況なのかどうかわからないけど、とても豊かな読書環境があるんだなあ、と思った。
蛇足だが、何度か登場する「グリルドチーズサンドイッチ」がとてもうまそうだった。
ボストンの近くの島で小さな書店(アイランド・ブックス)を営むAJフィクリーは、交通事故で妻(ニック)をなくした。
泥酔した夜、家宝?としていた「タマレーン」(アラン・ポーの詩集で高価な稀覯本。数千万円の価値があるが、フィクリーは偶然古本市で見つけた)を盗まれてしまう。ふさぎ込んでいたフィクリーのもとへ出版社の営業アメリアが訪れるが、すげなく追い返す。
ある日、フィクリーの書店に赤ん坊が捨てられていた。シングルマザーで大学生の母親は島で自殺していた。島の警察署長ランビアーズと話しあってフィクリーは赤ん坊(マヤ)を里親として育てることにする。やがてアメリアとフィクリーは和解し・・・という話。
全編に渡って、死がストーリーを覆っている。ここまででも二人が死んでいるのだが、この後もいくつかの死があらわれる。大きくなったマヤ(小説の才能がある)が綴る、自らの母の話(海辺の旅)はマヤの母の悲惨ななりゆきを物語る。
しかし、一方でカラっとしたユーモアがしばしば織り込まれていて、暗い話ではなく、多くの死は、それが人生で避けがたい運命であることを静かに語っているようだった。
フィクリーが経営する小さな書店では、文学作品の販売に力を入れていて、フィクリーが気に入った作品の著者を書店に招いてサイン会などを催したりする。読書会も盛んで警官のランビアーズが主催するものまであったりする。アメリカのどこでもこのような状況なのかどうかわからないけど、とても豊かな読書環境があるんだなあ、と思った。
蛇足だが、何度か登場する「グリルドチーズサンドイッチ」がとてもうまそうだった。
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