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蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

バッドランズ

2024年10月22日 | 映画の感想
バッドランズ

橋岡ネリ(安藤サクラ)は、大阪の特殊詐欺組織の一員で、受け子の指示役(三塁コーチと呼ばれている)を担っていた。矢代ジョー(山田涼介)はネリの弟格(血縁はない)だが、バクチで借金をつくり、組織のボス高城(生瀬勝久)を襲おうとする・・・という話。

説明しすぎる映画はシラケるが、説明不足がすぎるとそもそも見る意欲が減退する。本作は2時間半もあるが登場人物の人間関係とか背景がよく理解できなかった(見ている私の理解力不足かもしれないが)。なので原作(勁草 黒川博行)を読んでみようと思う。

高城とネリ、刑事と犯罪組織、ナゾ?の富豪とネリという3つの対立軸があるのだけど、全く絡み合いがなくてそれぞれ孤立してストーリーが進む感じ。少なくともナゾ?の富豪の話はない方がいいでしょう。

ただし、個別の俳優の演技はとてもよかった。生瀬勝久はまあ当然として、刑事役の吉原光夫、組織の古株メンバー?の曼荼羅(宇崎竜童←すごい存在感があるのにこの人がなぜそこまでネリのシンパなのかがさっぱりわからない)、そして意外といっては失礼だが山田涼介もなかなかのもの。ただ最終盤のとってつけたようなジョーの行動は理解不能だったけど。
主役の安藤サクラは関西弁が苦手なのかイマイチだったかな・・・(文句ばっかりですみません)

1(ONE)

2024年10月22日 | 本の感想
1(ONE)(加納朋子 東京創元社)

玲奈は、高校時代に友人関係がうまくいかなかったことを引きずっていたが、ゼロと名付けた柴犬を飼い始めると気持ちが好転した。
玲奈は子どもの頃にはワンという名の犬を飼っていたことを思い出す。そのころは山中の別荘地の近くに住んでいて兄が拾ってきた犬だった・・・という話。

約20年ぶりに刊行された駒子シリーズ第4弾。シリーズの読者だと、玲奈の姓がわかるとタネ明かしになってしまうのだが、著者もあまりタネを隠そうとはしていない。その点もふくめてミステリ的要素はほとんどないが、3作目まで読んでいればより楽しめる内容になっている。

しかし、駒子はキャラ変していて、とても社交的な性格になっていた。大学生(短大生だったかな?)のころは親しい友だち以外とは積極的に接触しない人だったような気がしたが・・・
探偵役だった瀬尾さんがその素養を垣間見せるエピソードもいれてほしかったかな。