家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(原作+TV)(岸田奈美 小学館文庫)
著者が中学生の時、父は急死し、弟はダウン症で、母親は難病で大手術の末に下半身不随になり、同居して家事をしてくれていた祖母は認知症になる。
この、世の中の不幸をすべて背負ったような家族を描いたエッセイ。TVシリーズはCMなしの45分で10話なので、本作には収録されていないエピソードも(著者にヒアリングして)追加されているらしい。
著者は父が心臓発作で亡くなる前日に「パパなんか死んでしまえ」と言ってしまい、病気と後遺症に苦しみ死を望む母には「死んでもいいよ」という。
と、書くと不運に取り憑かれた呪われた家族の不幸ぶりを見て「自分はまだまし」と考えさせようとする内容なのかと思われてしまうが、実際は正反対。
エッセイやテレビの画面には怒りや悲しみはほとんどなくて(前述したセリフの場面も湿っぽさや悲惨さは全くない)、ブラジャー選びや甲子園での売り子体験(どちらもTVにはなかったか。。。)などは、爆笑エッセイといってもいいくらいだし、カラッとして明るい。
TVシリーズを見ていると、むしろ「こんな家族っていいなあ」と勘違いしてしまいそうだった。
TVシリーズは主役の河合さんの好演が話題となっていたが、私としては母親役の坂井真紀さんが印象に残った。最近いろいろな所で見かけて、俳優としては全盛期なのかもしれない。
家族を支えなけれがいけないという重圧に耐えて、娘のように時々暴発することもできず、祖母のように現実から逃れることもできない、それでも明るく振る舞おうとして、でもやっぱりくじけてしまう、そんな設定を、あまり重苦しくしすぎずに演じられていたと思った。
著者が中学生の時、父は急死し、弟はダウン症で、母親は難病で大手術の末に下半身不随になり、同居して家事をしてくれていた祖母は認知症になる。
この、世の中の不幸をすべて背負ったような家族を描いたエッセイ。TVシリーズはCMなしの45分で10話なので、本作には収録されていないエピソードも(著者にヒアリングして)追加されているらしい。
著者は父が心臓発作で亡くなる前日に「パパなんか死んでしまえ」と言ってしまい、病気と後遺症に苦しみ死を望む母には「死んでもいいよ」という。
と、書くと不運に取り憑かれた呪われた家族の不幸ぶりを見て「自分はまだまし」と考えさせようとする内容なのかと思われてしまうが、実際は正反対。
エッセイやテレビの画面には怒りや悲しみはほとんどなくて(前述したセリフの場面も湿っぽさや悲惨さは全くない)、ブラジャー選びや甲子園での売り子体験(どちらもTVにはなかったか。。。)などは、爆笑エッセイといってもいいくらいだし、カラッとして明るい。
TVシリーズを見ていると、むしろ「こんな家族っていいなあ」と勘違いしてしまいそうだった。
TVシリーズは主役の河合さんの好演が話題となっていたが、私としては母親役の坂井真紀さんが印象に残った。最近いろいろな所で見かけて、俳優としては全盛期なのかもしれない。
家族を支えなけれがいけないという重圧に耐えて、娘のように時々暴発することもできず、祖母のように現実から逃れることもできない、それでも明るく振る舞おうとして、でもやっぱりくじけてしまう、そんな設定を、あまり重苦しくしすぎずに演じられていたと思った。