蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

藝人春秋

2017年12月18日 | 本の感想
藝人春秋(水道橋博士 文春文庫)

ちょっと前に週刊文春の著者の連載を読んだら、なかなか面白く、最近刊行された本書の続編を読む前に買って読むことにした。

著者自ら接触した芸能人(主にバラエティ系)のエピソードを紹介するエッセイ。
事実がそうだったのか、著者の盛り上げ方?がうまいのか、紹介されている人物は皆、一般人の思考・行動とはかけ離れたモンスター的な人たちばかり。

特に面白かったのは草野仁さんの話。
生まれつきの運動神経とトレーニングで鍛え上げた肉体、それらを生かした学生時代の格闘技や短距離走に絡むエピソードは、とても面白いのだが、内容自体は(失礼ながら)田舎の学生のよくある自慢話程度。それがここまで興味深いものに仕上がっているのは、穏やかな良識をそなえたエリートアナウンサーにしか見えない外見とのコントラストがすごいことと、著者の構成力が優れているためだろう。

モンスター的という意味では、芸能人とは言いかねる人の方がむしろ凄みがあって、ホリエモン、湯浅卓さん、苫米地英人さんのほら吹きぶりは一種の才能というのか、天然というのか、著者の誇張がすぎるのではないかと疑いたくなる強烈さだった。
ただ、苫米地さんは(本書でもほんのちょっと触れられている大学生時代の)ディベートの試合をしているのを少しだけ見たことがあるのだが、(ロジックも英語も)それほどではなかったし、見た目はまあ普通の人だったけどなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする