蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

三度目の殺人(ノベライズ)

2017年12月26日 | 本の感想
三度目の殺人(ノベライズ)

「そして父になる」の時は、先にノベライズを読んでから映画をみたため、映画の感動が若干損なわれたような気がした。
それで「三度目の殺人」は、先に映画を見てから小説の方を読んでみた。

脚本を書いた監督が著者の一人になっているためか、非常に忠実なノベライズで、内容は映画そのものだったが、重盛(弁護士)が三隅(容疑者)にコントロールされている印象が映画より強かったし、映画では広瀬さんが演じていたせいか、おとなしい女子高生にしか見えなかった被害者の娘も、実は内面はドロドロあって純朴なばかりじゃないよ、という感じ(もしかしてこの娘が犯人なのかも、という疑いが映画より強めに押し出されていた)がした。

映画が先かノベライズが先か、という問題は、映画→ノベライズ→もう1回映画を見る、というのがよいかな、と思った。
ノベライズじゃなくて、原作があってからの映画化だとまた違うとは思うけど(原作と似ても似つかない映画は数多いので)。

そういえば「海街Diary」は、原作→映画→原作もう1回の順だったけど、原作からエピソードを取捨選択しつつも、原作のイメージがとてもうまく映像になっていた、と思い出した。
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スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ

2017年12月26日 | 映画の感想
スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ

その昔、エピソード4が公開された頃は日本でもSFがブームで、私も「SFマガジン」を毎月購読していた。このため、当時は、日本公開前から「アメリカからすごいSF映画が来る」という評判で持ち切りだった。確かにエピソード4は期待に違わぬ出来で、当時としては見たこともないSFX(だっかか?特撮のこと)の見事さには本当にびっくりしたし、「やっぱりアメリカは違う」なんて感心したものだった。
それに第1作なのにエピソード4から始まり、その後6まで作った後に1~3を作る予定という(わけの分からない)シリーズ構成が、とてもクールに見えた。

エピソード5までは、それなりに大人向け映画だったと思う(個人的にはエピソード5が一番好き)が、6あたりから大衆迎合路線?が強化されて残念だった。
エピソード1はまあまあだったものの、2、3を見た時は、正直言って(当時7~9が作られることが決まっていたわけではなかったものの)「7から先ができても見続けることができるだろうか?」と思ったものだった。

エピソード7から製作元締が変わってさらにイヤな予感がした。7は、ストーリーの骨格が1と全く同じで、細部にいくと(言葉を選ばずに言うと)子供だましとしか言いようがない展開が多かった。1と似せることでオールドファンの郷愁?を誘い、(よく言えば)わかりやすいストーリーで新しいファンを満足させよう、というもくろみなのかもしれないけど。

で、エピソード8。上記のように文句を言っていても、いざ公開されるといそいそと見に行ってしまう。そして、オープニングの演奏を聴くと、単純にも「さあ、これから面白いお話が始まるんだ!」という興奮をおぼえてしまうのだった。
本作もご都合主義な筋はたくさん見られたが、レイアとルークが出てくる場面は、やっぱり感慨深い。
特にレイアは、もう9で見ることはできないはずだと思うと、スターウォーズとともに馬齢を重ねてきたオレの人生も終わりに近づいたんだなあ、などと切なくなってしまう。
一方、ルークは、童顔というのか、老成したイメージが全くなくて「変わらないねえ」とこれまたしんみりしてしまった。

さあ、大団円(9)はどうなるのか?
それより気になったのは、8のラストシーン。これって10への布石??
それ(10の製作)だけはやめてほしいが、D社はそんなに甘く?ないよね。
せめて外伝としての位置づけにするか、全くの新シリーズにしてください。

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